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卒業アルバムが届かない! 静岡古参甲子園常連校で起きた“珍事件”に卒業生が激怒。県教委は「作成が遅れていることは事実です」。いったい何があった?

集英社オンライン / 2022年11月18日 6時1分

「高校を卒業して7か月経ち、もうすぐ2022年も終わっちゃうのに、いまだに卒業アルバムが届きません。母が学校側に説明を求めると奥歯に物が挟まったような言い方で後日手紙が1枚送られてきたきりでした。学校側の勝手な都合で大事な思い出が壊された気がします。あの学校にもう思い入れはありません」(卒業生)

甲子園常連の伝統校で起きた事件

甲子園常連の伝統校で知られる浜松商業高等学校で、今年2022年に卒業した生徒たちの卒業アルバムが11月17日現在も生徒たちに届いてないことが、集英社オンラインの取材でわかった。

なぜ、生徒たちの思い出が塩漬けにされてしまったのか。
ことの発端は2021年6月までさかのぼる。事件は水泳部の夏の県大会予選の宿泊先のホテルでおきた。



「久しぶりの大会でうかれた男子部員数人が、女子部員の入浴をのぞこうとしたんです。そのホテルは過去にも他校の生徒がのぞきをして問題がおきたホテルで、一部体育会の生徒のあいだでは有名でした。『あそこならいける』と思ったのでしょう。よくある漫画のワンシーンのように男たちは風呂から全裸でのぞきを試みました。ですが、排水溝の溝からのぞこうとしても足のくるぶししかみえない、ある生徒が壁をよじのぼってスマホをかざしたところ女子生徒にばれ、顧問は大激怒。
幸いスマホの撮影は失敗していたため女子生徒の体は写っていませんでしたが、警察沙汰となり、のぞきをした男子部員は大会にでることなく家に帰されました」(浜松商業PTA関係者)

浜松商業高等学校

男子生徒たちは謹慎の後、学校側から促されて自主退学、別の高校へと転校したという。
だが、学校側の追及は実行犯だけではおさまらなかった。

「例えのぞきをしなくても、現場にいて止めなかった生徒も同罪だというのが学校側の言い分で、退学を勧めてきたんです。その結果、3年生のAくんをはじめとした3人の生徒の保護者が『息子にも非はあるが、のぞきをした生徒と同罪は重過ぎる』『納得がいかない』などとして校長と県を相手に退学取り消しを求める裁判を起こしたんです」(前出)

2月8日、静岡地裁は「(退学処分を下した)校長の判断は裁量権を超えて違法」とし、Aくんへの退学処分の取り消しを命じた(残る2名の請求は棄却)のだが、同月学校側は不服とし控訴した。

Aくんの母親は判決に…

冒頭の卒業生の母親は嘆く。

「判決のニュースは新聞やテレビで報じられました。被害生徒もいますし、学校側もメンツがあると思いますが、なぜ控訴したのか…。これによって卒業アルバムの制作が止まってしまったわけですが、事件とはまったく関係のない元3年生にとっては完全なとばっちりです。しかも学校側は一部の生徒や保護者に『2,3か月ほど遅れる』と断片的な説明しかしなかったため、報道を知らなかった親は意味がわからなかったようです」

結果、学校や県教育委員会に保護者からの問い合わせが殺到、学校側は1枚のプリントを卒業生各家庭に送付した。

浜松商業高校から卒業生宛に送付された手紙

〈これまでに保護者や卒業生の皆様から「いつ届くのか」「なぜこのようなことになっているのか」という多くの問い合わせをいただいておりますが、その見通しがたたない理由は、2月26日に新聞等に報道された事由について現在も県教育委員会が係争中であるためです〉

10月17日におこなわれた東京高裁の判決で高裁は控訴を棄却、学校側は上告を諦め、11月2日、Aくんの卒業が認定されたという。

「6月以降、学校からは何も連絡もなく、控訴が棄却されたことを私たちは新聞で知りました。この判決に先生たちは悔しがっていたようですが、今さら卒業証書を渡されたAくんはどう思うのでしょうか。友達と寄せ書きもできないし、楽しい思い出を振り返るより“事件”を思い出してしまい、複雑な心境だと思います」(前同)

「取材にはお答えできません!」

高裁の判決を受け、県教委の池上重弘委員長は「判決を真摯に受け止め、受け入れる。生徒の関わりの度合いや事実関係を今まで以上に丁寧に確認した上で、指導内容を判断するよう各校に指導する」とコメントした。

浜松商業高校に、卒業アルバムの配布が遅れていることについて問い合わせたが

「取材にはお答えできません!」

浜松商業高校

代わって県教育委員会が代弁した。

「ご指摘のように卒業アルバムはまだ卒業生に配布しておりません。当該生徒につきましては判決で卒業が認定されたので、卒業アルバムに載るかたちになります。(写真は在校時に撮影をしていますが)アルバムはこれから作りますので、配布時期については未定です」

高裁での判決を受け、Aくんの母親は肩を落とした。

東京高等裁判所

「息子は大学に内定していたのですが、今回の件で流れてしまい、就職もできずにいました。体調も大丈夫だとは言えません。アルバムの件は、配布が遅れていることは耳にしていましたが、息子はそこには入れてもらうことなく、夏ごろにはできあがると思っていました。
(裁判の関係で)学校側が、うちが悪いみたいな言い方をしているのなら、ちょっと違うと思います」

はたして卒業アルバムは年内に生徒たちに届くのか…。

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