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【コロナ禍の結婚式】招待客1人当たりの単価が高くなっているというのは本当なのか

集英社オンライン / 2022年11月22日 9時1分

新型コロナウイルス感染症により、結婚式を予定した人たちは延期、キャンセル、規模を小さくするなどの変更を余儀なくされた。コロナ禍で結婚式にはどんな変化があったのか、結婚情報誌ゼクシィ統括編集長の森奈織子さんに解説いただいた。

ウエディング実施率は7割強。
回復の兆しが見える

新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた、結婚式。
記者の周りでも延期もくしはキャンセルして両家の食事会のみにするなど、頭を悩ませたカップルが複数いた。

2021年4月~2022年3月に挙式、披露宴・ウエディングパーティーを実施した、もしくは実施予定があった『ゼクシィ』会員を対象に行われたゼクシィ結婚トレンド調査2022によると、コロナ禍における結婚式の実施を迷った割合は、昨年の調査から6.8ポイント減少したものの8割以上と高い。



だが、ウエディングイベント(披露宴、親族中心の食事会、挙式、写真撮影を含む)の実施率は75.7%で2020年度の71.1%よりプラスに転じている。
コロナ禍で迷いながらもウエディングイベントを実施したカップルが7割強になる。
コロナ前の2019年度は80.1%の実施率だったので、ようやくブライダルマーケットの回復の兆しが見え始めているようだ。

そんな中、コロナ前と比べて結婚式の意義は少し変わってきたようだ。

コロナ前から結婚式を通して、列席者に感謝の気持ちを伝えたい、おもてなしをしたいという思いは高かったが、コロナ禍によって、ふたりが結婚式の意味や意義を深く悩みながら実施したことで、「周囲からの応援や祝福を感じた」「自分の人生に対する肯定感が高まった」と感じる人が増えているという。

また、調査においても、結婚式を通して、自分自身やこれまでの人生が好きになったと思う」も8割弱で、昨年調査から5.0ポイント、コロナ前の調査から11.4ポイント増加している。

ゼクシィ結婚トレンド調査2022 記者発表資料より抜粋

森編集長によると
「コロナ禍で結婚式を実施するのか、しないのか、するとしても誰を招待するのか?については多くの方が悩みました。結果的に、周囲の人との関係性や思い出など自分自身と向き合う機会になったのだと思います。

読者取材をしていても、今まで自分たちを支えてくれた人は誰か?自分たちにとって大事なことって何だろう、と原点回帰しているカップルが多かったですね。

一方、招待された側は、迷いながらも最大限できるおもてなしをしようとするふたりを応援したい、背中を押したいと気持ちが結婚式に溢れていて…。それがふたりに伝わり、コロナ前より『周囲の応援』『自分の人生に対する肯定感』が高まったのだと思います」

インタビューに答えてくれたゼクシィ統括編集長の森奈織子さん

ゲスト1人当たりの単価が最高値に

結婚式の規模はコロナ禍によってどう変わったのだろうか?

結婚トレンド調査2022によると招待客の人数は、2020年度の42.8人に比べて、2021年度は43.2人に微増。
挙式、披露宴、ウエディングパーティーの総費用の平均額は、2021年度は303.8万円と2020年度に比べて11.5万円増加している。

「コロナ前の2019年度の招待客人数は平均66.3人、総費用の平均額は362.3万円で、それと比べるとコロナ禍で人数を絞って実施したため、当然減少しました。
ただし、2020年度に比べて回復し、来年度以降も少しずつ前の水準に戻っていくと考えています。

注目しているのは、料理、ギフトの招待客1人当たりの単価が2009年以来最高値だったことです。
招待客1人当たりの料理代は1.67万円、ギフト費用は0.69万円で、コロナ前の2019年度より1000円~1300円アップしています」

ゼクシィ結婚トレンド調査2022 記者発表資料より抜粋

「コロナ禍で限られた招待客しか呼べないなら、“ゲストに満足していただきたい”“披露パーティーの時間を楽しんでほしい”という考えで、ゲストへの料理やギフトに費用をしっかりかけるカップルが増えています。
例えば、まん延防止等重点措置の期間中は、アルコール飲料類が出せない場合は、ノンアルコールカクテルやソフトドリンクのメニューを充実させるなど、できない中でもゲストが満足していただけるようにお金をかけて準備されていて、その結果、ゲストへの1人当たりの単価がアップしたと考えています。

ふたりがゲストを思って実施した結婚式だからこそ、前述したとおり、『ゲストからの応援を感じる』『自分の人生に対する肯定感』につながっていると思います」

今後の結婚式のトレンドは「推し婚」

今後、結婚式はどう変化していくのだろうか?

結婚トレンド調査2022によると、結婚式を実施者の約9割が「定番やしきたりに捉われず、ふたりの価値観にあった自由なやり方をすればいいと思う」と回答した。

コロナを経て、自分に本当に大切なものは何かを考える時間ができ、こうしなきゃいけないではなく、自分やふたりにとって大切なものを表現するのが結婚式だという考え方に変化してきているようだ。

森編集長は
「ふたりが大切なものや好きなものを表現する結婚式は、いわゆる“推し”を表現する『推し婚』が今後のトレンドと考えています。『推し婚』とは、推し=趣味、地元、親、親族など、自分が大切にしたいものを結婚式のコンセプトにすることです」
と語る。

趣味などは以前から、サーフィン好きならサーフボードをウエルカムボードにするなど取り入れていることもあったが、それと「推し婚」は何が違うのだろうか?

「趣味などを取り入れるのは以前から部分的なところであったかと思うのですが、『推し婚』は結婚式全体のコンセプトやテーマになっているところに違いがあります。

以前は『テーマ婚』というには少しハードルが高いイメージがありました。例えばSLが好きだから、SLに乗って挙式するなど、誰でもできるというイメージではなかったと思います。

それに対して『推し婚』はそのテーマやコンセプトが趣味以外のものでも成り立つため、ややハードルが下がりました。
例えば、地元が好きなら『地元推し婚』がテーマで、地元でお世話になった人を呼び、地元の料理などでおもてなしすることは、結婚式のコンセプトとして成り立っています。
そういった、特別なことでなくてもふたりにとって大切なものを表現するのが『推し婚』なのです」

そういった『推し婚』を受け入れる会場の体制もどんどん整っているという。

「会場でも『推し婚』に合わせてさまざまなプランを発表されています。
挙式会場で披露パーティーができたり、ふたりが表現したいことに合わせてプログラム変えることができたりなど柔軟に対応されています。自分たちの大切なものを探っていくようなコンセプトワークを含んだプランなどもあり、推しのテーマに困ってもサポートしてくれる商品もあります」

既存のスタイルに捉われず、「自分たちにあったスタイルがある」「ウエディングパーティーのバリエーションが広がっている」ことの実感が今後、結婚式の実施を高めていく鍵になりそうだ。

森編集長もさらにさまざまなニーズに応えていく重要性を感じている。
「多様性を認める社会になりつつある中、結婚式や結婚においても多様性が求められていると思います。定番なものより自分たちのスタイルに合った方法が選べるように、媒体としても今後もいろいろ提案していきたいですね」


取材・文/百田なつき

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