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ひろゆきが思う“嘘を嘘だと見抜けない”人の特徴「人間がエビデンスにはならないのに…」

集英社オンライン / 2022年12月1日 10時1分

SNSの総フォロワー数は300万人を超え、今年もメディアで引っ張りだこだった「ひろゆき」こと西村博之氏。最新刊『99%はバイアス』(ダイヤモンド社)で世のバイアス(思い込み)からどう逃れ、どう利用するかを届けたひろゆき氏にインタビュー。著書でも語られる「バイアス」について、さらにひろゆきを信じる人の“間違い”について語った。

――新著『99%はバイアス』は、権威や常識への思い込み、バイアスをテーマにした本です。ひろゆきさん自体がそうしたバイアスを意識したのはいつ頃ですか。

小学校とかになっちゃうんじゃないですかね。みんなが正しいと思い込んでいることに「違うんじゃね」と、その頃からわりと思っていたので。



子供の頃、移動するのに歩くことはあまりなくて、基本移動が「走る」だったんですよね。どこかに行きたいんだったら、歩く時間を考えると短時間で走った方が効率がいいと昔から思っていたので。歩いている人に対して「なんでこの人たちはずっと遅い手段で移動しているんだろう」と思ってましたね。

――大人になってからバイアスを感じた場面はありますか。

バイアスというか、事実かどうかの確認をしないで、それを思い込んで言ったりやったりする人が、思った以上に多いなとは思います。

科学技術や伝播技術がない時代に人がおかしなことを信じるのはしょうがない。でも、科学技術やマスメディアが広がり、事実が大事、科学が大事というのが広まったにもかかわらず、間違ったことを思い込み続ける。いくら科学技術が進歩しても、そこが改善されないというのを目の当たりにしたのが2000年以降という気がします。

そして、真実かどうかではなく、自分と同じ意見の人、自分の意見を補強してくれるものだけを集めるというのが、ここ5年ぐらいに始まった出来事だと思うんですけど。

基本的に「僕を信じるのは間違ってます」

――本の中では「僕を専門家扱いして、『ひろゆきが言ってたんだから間違いない』と、エビデンスのように使われると、かなりマズい」と書いています。

まず人間がエビデンスにならないことをわかってないといけない。

大学に行けば論文を書くと思うんですが、客観的な実験や証拠を集めて、事実はこうですというのが論文で、大学の先生も「論文を書くときはちゃんと証拠を出さないと学会に信じてもらえない」と教える。なので「人」が証拠(エビデンス)にならないことは大学を卒業していれば、みんなわかってるはずなんですよね。

たとえばNHKで報道されていたものは、ある程度、嘘をつかない人たちが嘘をつかない媒体で流しているから、それなりに真実性が高い。ただ「真実性が高い」というのと「エビデンス」、つまり100%正しいというところをごっちゃにしている、その区別がついてない人が多い気がするんですけど。

――なるほど。ただ、ひろゆきさんを信頼し、発言をエビデンスと捉える人は増えているのではないでしょうか。

まず、僕の話をちゃんと聞いている人であればそうならないはずなんですよね。僕は基本的に間違ったことも言うし、おかしなことも言うし、今みたいに人を信じるべきではないっていうのは、ビールを飲みながらダラダラ配信で言ってたりするので。

そういう意味でいくと、僕の話を聞いてない人が「ひろゆきがどうこう」って言ってるだけな気がするんですよね。僕が出している本でも、基本的に「僕を信じるのは間違ってます」って話も書いてある。だからそれを見ないで「ひろゆきがこう言ってる」と持ち出してくるというのは、何か文字が読めないのか、言葉が聞けないのかどっちなのかなと。

「僕はたぶんクロちゃんと同じ枠」

――テレビなどメディアにこれだけ露出するようになったことも、それを加速させているのではないでしょうか。

その辺、どうですかね。クロちゃんはメディアにいっぱい出てますけど、クロちゃんの言ってることが正しいと思う人っていないじゃないですか。

――そこは『99%はバイアス』にも書かれてますが、視聴者に「しょせん芸人だ」という別のバイアスがかかっている。

僕もたぶんクロちゃんと同じ枠だと思うんですよね。例えばITの話題で僕がしゃべるときは基本的に専門家と同じぐらいのレベルで見てもらっても構わないと思うんですけど、そうじゃないものは基本的に全部素人なので。そこは芸人さんと変わらない気はしますけど。

ただ僕はメディアで「こういう証拠があるよね」「こういう発表があるよね」という状況、証拠をなるべくしゃべるようにしてるんですよね。コロナ禍でリモート出演をいろんなところでしてたんですけど、なるべく事実を伝えるということをやっていて、あまり思いとか考えは言わないようにしてたんです。

ただ「こうした事実がありますよ」と言っている人が、正しいとか根拠があるとか、判断力があるのかというとまた別の話なのかなと思うんですけど。

ネットを使わない方がいい人の特徴

――以前、ひろゆきさんは「嘘は嘘であると見抜ける人でないとネットは使わないほうがいい」と発言していましたが、ひろゆきさん自身の言葉も嘘を見抜ける人でないと受け取るのは難しい?

別に僕の話だけではなく、世界中の情報がそうだよねって話ですよね。

嘘を見抜けない人の割合は昔の方が多かったと思うんですけど、今は確認作業だったり、ちょっとした努力で自分の考えが合ってるか間違ってるかの確認はできると思うんですけど、それをしないという割合はだいぶ増えてるなと思います。

「コロナワクチンを打つと5年以内に死ぬ」みたいなことを言ってる人ってまだちらほらいるんですけど、実際それで本当に死ぬんだったらもう何十億人ぐらい人死んでるはずだよね、みたいな。調べりゃわかるんですけど、それを真に受ける人っていうのがまだまだいるので。

物事の判定の仕方を間違ったまま育った人が思った以上に多い。学校の先生が言ってるから正しい、教科書に書いてあるから正しいっていう人とか、権威によって正しい、正しくないを決めるっていう。

たとえば就職どうしようってときに親とか友達に相談する人って結構いるんですけど、商社に行くのがいいのか、証券会社に行くのがいいのか、業界がどうなるみたいな話を親とか友達に聞いてわかるはずないよねっていう。親が証券業界で働いているなら、いいんですけど。信用している人が言ってるから正しいと思い込む人が今の時代でも結構多い。

本来大学まで行ったはずであれば、正しいかどうかの確認は人ではなくて証拠でやるべきだよねとなるはずなんですけど、なぜかなっていない。科学的な判断というのができない状態で、高等教育が終わったとみなすのはどうなのかなとは思います。

取材・文/徳重龍徳 撮影/榊智朗

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『99%はバイアス』(ダイヤモンド社)

ひろゆき

2022年9月7日

1650円(税込)

単行本(ソフトカバー) 320ページ

ISBN:

978-4-09-388893-6

空前の大ヒットを記録した『1%の努力』45万部突破の続編!
2021年、大ブレイクを果たした「ひろゆきブーム」の裏側を初めて語る。
「この本では、影響力の秘密を明かそうと思う。」

「権威づけ戦略」「1秒の反射神経」「承認欲求の解放」「有閑階級の生き方」「伏線回収の人生」……
影響力を生み出す戦略とは、いったい何か?

本書は、切り抜き動画が月間3億回再生を超え、SNSの総フォロワー数300万人にまで上り詰めたネット界の人気キャラクター「ひろゆき」のすべてを明かす。

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