今から50年前、若者は社会運動に身を投じ、政治に熱狂していた。対して今の若者は政治に、未来に希望を持てないでいる。何が変わってしまったのだろうか。その答えを見つけるには、「全てが変わった」と言われる連合赤軍事件と向き合わねばならない――。
1972年、「あさま山荘」で警察と銃撃戦を繰り広げ、「総括」によって同志12人のリンチ殺人を行った、新左翼組織の連合赤軍。そのリーダー・森恒夫の足跡を、当時の森と同年代の佐賀旭さんがたどり、政治と若者、そして今日まで続く暴力の問題に切り込む『虚ろな革命家たち――連合赤軍森恒夫の足跡をたどって』は、第20回開高健ノンフィクション賞を受賞しました。
刊行にあたり、佐賀さんが対談を希望したのは、『レッド』(シリーズ全13巻、講談社)で連合赤軍を描いた漫画家・山本直樹さんです。30歳の佐賀さんと62歳の山本さん。
二人の森恒夫像、共通するオウム事件への関心、そして、あの事件の普遍性とは。
構成=砂田明子/撮影=chihiro.