果たしてロシアは戦術核を使うのか――ウクライナ侵攻の苦戦や部分的な動員の発令で、ロシア社会はもちろん、世界中に不穏な動揺が広がっている。起きるはずのない戦争が起きている今、決して使われるはずのない核使用も現実味を帯びてきている。
そんな未知の領域に入った世界に私たちはどう対処していけばいいのか。橋爪大三郎氏、大澤真幸氏、二人の社会学者による『おどろきのウクライナ』では、今後の世界の本質を見抜くには、文明論、宗教学、歴史、社会学と、あらゆる視座が不可欠だと説く。
アメリカ衰亡の中で目立ってきた中国とロシアという二つの権威主義陣営のパワー。そこにどう立ち向かうべきか、私たちに何ができるのか。本書では四〇〇ページにわたって、今こそ哲学と思想が必要だという緻密で白熱した討論が展開される。
構成=宮内千和子