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「勃つこと=男の強さ」「勃起力=若さ」という旧来の呪縛からの解放を。20代前半の利用者も増えているオンラインED診療サービス

集英社オンライン / 2022年12月6日 15時1分

セックスしたいのに「勃たない」という悩みは、いまや中年男性だけの悩みではない。EDに悩む若年層に寄り添ったオンラインED診療サービス「Oops LOVE」を展開する平野巴章氏よると、10代や20代からの相談も多いという。

14歳からの相談も。中高年だけのものではないEDの悩み

――オンラインED診療サービス「Oops LOVE」は、どのようなサービスなのですか?

ED診療がオンラインと電話だけで完結する診療サービスです。まずLINEで本サービスを友だち登録していただき、そこから診察や薬の処方に進んでいきます。
『まずはLINEで相談だけしたい』という方にも、医師やカウンセラーがしっかりと対応しています。

診察を選択された場合は電話診察となり、必要な場合は病院に行く必要なくED薬が処方され、後日郵送で自宅に届くというシステムになっています。


サービス利用の流れ(Oops LOVEサイト内より抜粋)

――昨年からスタートしたということですが、主な利用者層はどのような方々ですか?

弊社のサービスを利用する方は、20代〜30代が多いですね。20代前半の方も増えてきたと感じています。従来よりも手軽にED薬を試せるということが我々の大きな売りではありますが、それと同時に「相談に乗る」ということも大事にしています。そういったことから、最近は10代からの相談も増えてきています。

――10代ですか! かなり若いですね。

そうですね。しかし、現状ED薬は国の規定により20歳以上でないと処方ができないので、20歳未満の方は専属の医師との相談という形でお話を聞いています。年少者では14歳の方からの相談もありました。

彼らは性行為の経験が浅く、緊張してしまうがゆえにうまくできないという場合が多いので、そういったメンタル的な悩みも含め、しっかりとお話を聞いて対応します。

Oops LOVEで扱っている薬は2種類。診察した上で処方され、自宅に届く(Oops提供)

――ネットで見る情報では、病院に通院してED治療を受けるのは40代〜50代がメイン層だそうです。「Oops LOVE」の利用者層とかなり違いがありますね。

はい。このサービスを立ち上げる際、『これまで悩んでいたけれど誰にも相談できなかった若い層』にリーチできるようにしたいという思いがありました。若くても『勃たない』ことに悩みをもっている方は多いのですが、近しい友人に相談となるとなかなかできません。

女性同士だと最近はメディアの発信もあって、性のことや体のことを話し合うことがそれほど珍しくないのかもしれませんが、男性ってそういうのが本当に苦手なんですよね。

「勃つこと=男の強さ」という旧来の呪縛

――男性の「人に話せない」という心理はどこからきているのでしょうか?

多くの男性には「勃つこと=男の強さ」みたいな思い込みがあるんですよ。自分の体でパートナーを満足させられることが男らしさという感覚。それができない状態を他の人に打ち明けるって、かなり勇気がいるというか、プライドが傷つくことなんだと思います。

あとは、「若いのに勃たないなんて恥ずかしい」という思いもあると思います。事実、多くのクリニックでは「あのころを取り戻そう」という感じのアプローチがされていて、若い人へのメッセージではないんですよね。

――そういう言葉によって、ますます「自分は若いのに」「体がおかしいのではないか」と思う方は多いかもしれませんね。

そうだと思います。実は私もサービスを立ち上げる前、パートナーとの間でそういう悩みに直面しました。「あれっ、勃たねーじゃん」みたいな(笑)。そこでクリニックに行ったのですが、まさに先程のようなスローガン、「恥ずかしい」と思わせる雰囲気での診察を経験しました。

しかし、いざ病院で処方された薬を使うとすごく効くんですよね。そしてパートナーも私もハッピーになれる。そのときに、「これはED治療の入り口と出口に大きなギャップがあるな」と思いました。「Oops LOVE」を立ち上げたのも、この経験がきっかけになっています。

EDを自己解決せず、病院や薬に頼ってほしい

――女性にとって婦人科にかかることのハードルは少しずつ下がっているように感じますが、男性が性のことで病院に行くことは、まだまだハードルが高いのですね。

ED治療を目的とした受診は、オフラインはもちろん、オンラインでもまだまだハードルが高いのが現状です。これはAGA治療にも同じことが言えますね。

理由は、多くの男性にEDやAGAに関して「病院は最終手段」という気持ちがあるからです。EDやAGAという悩みにぶつかった男性は、まずは自分でネットで買ったサプリやら栄養剤やらを試して、自己解決しようとする場合が多いです。

それでも解決しない場合、「しょうがないから病院に行く」という流れになりがちなんですよね。けれど本当は、悩んだらまずは病院で診察、薬を処方してもらうという方が望ましいし、効果を実感できます。

「病院に行って悩みを解決する」ということが最終手段ではなく、むしろ最短の解決策という認識が広がってほしいなと思いますね。

公式HPで簡易EDチェックをすることも可能(Oops LOVEサイト内より抜粋)

Oops EDではなく「Oops Love」なのは、2人の問題だから

――ところで「Oops LOVE」というサービス名、とてもおしゃれですよね。

もともとは「Oops」という名前だったのですが、AGA治療の「Oops HAIR」が後からできたので、区別するためにLOVEを足しました。サービスの内容的に「Oops ED」とかでもよかったのですが、セックスは2人じゃないとできないことだし、EDだって本当は2人の問題としてもいいのではないかなと思い、LOVEと付けました。

サイト内には、男らしさではなく、ナチュラルなカップルのビジュアルが散りばめられている(Oops提供)

――なるほど。自己完結、自己解決せずに2人の問題にしていくということですね。

はい。先ほども話したとおり、男性は友達とセックスがうまくできないことを相談しあうことはほぼありません。だからこそ「よくある悩み」ということに気付けないという側面もあるんですよ。

そういう意味では、女性の方がEDは男性あるあるだと知っている場合もあります(笑)。女性に聞くと「今まで付き合ってた人にも2、3人いたわ〜」なんていう反応もあるくらい。そもそも女性は「勃つ=男の強さ」なんて思っていないことも多いんですよね。だからこそ、男性ももっと肩の力を抜いて、2人で解決していってほしいという思いを込めています。

――私も、男性の強さを“そこ”に見出したことはないです(笑)。むしろ「私がいけないのかな」と悩む女性が多いと思います。

まさにそこで大きなすれ違いが起こっているんですよ。男性がEDに悩む一方で、女性は「私に魅力がないからセックスができないんだ」「私のことが好きじゃないからできないんだ」と悩んでいることが結構多いですよね。

しかし「Oops LOVE」を使用した方の中には、「大好きすぎて抱けない」「大事すぎて抱けない」という方が結構いらっしゃいます。これ、女性側の悩みと真逆ですよね。しかし、それを相手に伝えるわけでもないし、伝わらないからどんどん溝が深まっていく。ED治療が男女どちらにも理解されていけば、こんなすれ違いもなくなるのかなと思います。

セックスは山登り。頂上までの景色や雰囲気を2人で楽しんで

――セックスができない原因や理由を、互いに理解、共有していくことって本当に大事ですね。

そうですね。「Oops LOVE」立ち上げの際、とある大学教授で泌尿器科の先生にお話をうかがいに行ったことがありました。そのときの教授が、「セックスって山登りみたいなものだよね」と話されていました。

――山登り、ですか?

セックスって、多くの人は頂上(=オーガズム)に達することを目指すじゃないですか。みんな、どうすれば確実に、早く頂上にたどり着くかを考えるし、男性の中にはヘリコプターで頂上まで行こうとしちゃう人もいる。

でも、2人のペースで協力し、頂上までの過程を楽しんでもいいんですよね。花を見たっていいし、休憩してお茶を飲んだっていい。そういうお話をされていました。

――お互いを思いやりながら、根拠のない「正解」にとらわれずに、ということですね。今後、「Oops」はどのように展開されていく予定ですか?

具体的な話でいくと、現在リアルのクリニックをつくろうと動いています。『HAIR』の方ではビデオ診療を希望される方も多いので。『LOVE』の方は電話診療が今後もメインになるとは思いますが、クリニックに行くという選択肢をよりポジティブなものにできたらと思っています。

Oopsを通して、もっとEDが「男性あるある」として普通に話される話題になってほしいですね。我々のHPにもあるように、EDは肩こりくらい多くの人が抱えている体の悩み。いい意味で『軽い話題』として、友達同士で話せるテーマになったらいいなと思います。

Oops LOVE https://oops-jp.com/love/

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