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中日・宇野勝“世紀のヘディング事件”が生みの親。野球報道のあり方を変えたフジテレビ「珍プレー好プレー」が40年も続く理由

集英社オンライン / 2022年12月10日 14時1分

1983年の第1回放送から今年で40年。「野球報道のあり方を変えた」ともいわれるフジテレビの『プロ野球 珍プレー好プレー大賞』が12月11日(日)に放送される。同番組はなぜ、人気が衰えることなく40年も続いてきたのか? ”お化け番組“の真髄を名物ディレクターに聞いた。

「珍プレー」という言葉が生まれた世紀のプレー

白熱の乱闘シーンにまさかの珍エラー、さらには試合前の選手たちの素顔など、数々の名シーンをお茶の間に届けてきたフジテレビの『珍プレー好プレー大賞』。

毎年、セ・パ両リーグあわせて800試合以上行われる中から、選りすぐりのシーンをピックアップする作業は想像を絶するものだが、なんとそれをひとりで担当しているのが、ディレクターの戌亥芳昭(いぬい・よしあき)氏だ。



「毎年、シーズン中からニュース映像や記事を見て、面白いものがあればその都度、リストアップしてきました。それに加え、最近はTwitterで全国のファンが様々な情報をあげてくれるので、SNSも駆使してネタを集めています」

1995年から30年近く番組に携わっている戌亥氏。映像をピックアップする際の基準として意識しているのは、「野球のルールを知らない人が見ても面白いと思ってもらえるような、極力、説明の必要がないシーン」だという。

フジテレビ『珍プレー好プレー大賞』の名物ディレクター・戌亥芳昭氏

「言ってみればラーメン屋さんのテレビで、音なしで映像だけを見ても楽しめるものですね。そこに軽妙な音楽や効果音、さらにナレーションを加えて編集するという番組の基本は、40年間、変わっていないんです」

今や「珍プレー」という言葉は広く世間に定着した感があるが、実はこの言葉が生まれたきっかけとなったプレーがある。80~90年代におもに中日で主力として活躍した宇野勝の"世紀のヘディング"がそれだ。

1981年8月26日、後楽園球場で行なわれた巨人戦の7回裏。巨人・山本功児が打ち上げたショート後方へのポップフライを、捕球態勢に入っていた宇野がまさかのヘディング。打球は大きな放物線を描いてレフトフェンス際を転々とした。

ヘディングの美しさ、表情、驚異の飛距離。プロ野球珍プレーの金字塔ともいえる宇野勝の「世紀のヘディング」(1981年)

「まさに珍プレーの元祖ともいえるプレーで、これにみのもんたさんが面白おかしくナレーションを入れて当時の『プロ野球ニュース』で放送したことから、『珍プレー好プレー大賞』という番組も始まりました。それまでは単なる“エラー”として片づけられていたプレーが、新たに“珍プレー”として脚光を浴びるようになった、歴史的転換点ともいえるプレーだったと思います」

村上、新庄、きつねダンスも

中日・宇野の“世紀のヘディング”以降、番組では数々の「珍プレースター」を生み出してきた。

「達川光男さん(広島)のデッドボールのアピールは名人芸の域でしたし、試合中にコンタクトレンズを落として、みんなに探させるシーンは視聴者にも大人気でした。また、星野仙一さん(中日ほか)の迫力あふれる乱闘シーンは外せませんし、野村克也さん(ヤクルトほか)は緻密な指揮官としての顔とは対照的な、オフのお茶目な姿が印象的でした」

番組開始から40年周年の節目にあたる今年は、過去の伝説の珍プレーを掘り下げるコーナーも。

ヤクルト、巨人などで活躍した“ラミちゃん”ことラミレス

「西武・山川穂高選手の“ドスコイ”や、巨人・松田宣浩選手の“熱男”など、最近では選手がカメラに向かってパフォーマンスすることが当たり前になってきて、選手とファンとの距離感も縮まってきていますが、そのはしりともいえるのが、ヤクルトや巨人で活躍したラミレスさんです。彼をスタジオにお呼びして、なぜあんなパフォーマンスをはじめたのかに迫ります。

また、阪神・下柳剛投手が相次ぐ内野手のエラーにグラブを叩きつけて怒りをあらわにしたシーンは珍プレーファンの間でもお馴染みかと思いますが、今回は当事者をスタジオにお呼びして、“実況見分”を行うシーンもあるので、ぜひお楽しみください」

下柳剛の“グラブ叩きつけ事件”の真相が明かされる

そのほか、「珍プレー好プレー」ならではの名物ハプニングシーンも数多く放送予定。

「今はなきガラガラの川崎球場でカップルがいちゃついていたり、ホームランを打っていないのに、間違えて球場で花火が打ちあがってしまったり。また、最近ではめったにお目にかかれなくなってしまった白熱の乱闘シーンもお届けします」

令和初の三冠王・村上宗隆の登場

令和初の三冠王となったヤクルトの村上宗隆選手や、日本ハムの新庄剛志監督、さらにはきつねダンスが話題となったファイターズガールも登場。
『中居正広のプロ野球珍プレー好プレー大賞2022 おかげ様で40周年! 珍プレーよ永遠に……SP』は12月11日(日)19時からフジテレビ系列にて放送される。

日本ハム・新庄剛志のあのパフォーマンスに驚きの新事実が発覚!?

文/集英社オンライン編集部 写真/共同通信社

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