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〈最終回目前〉社会現象ドラマ「silent」。熱烈ファンの聖地巡礼の”余波“とは? 世田谷代田駅のベンチ前300人!! カフェは3時間待ち…地元住人が打ち明ける意外な一言

集英社オンライン / 2022年12月15日 16時1分

12月22日に最終回を迎えるドラマ「silent」。ドラマの人気上昇に伴い、熱くなっているのがロケ地を回る“聖地巡礼”だ。最終回を目前にした今、「聖地」世田谷代田駅が大変なことになっていた。

駅に貼られたポスター。画像/読者提供

今期最も注目を集めたドラマと言われている「silent」(フジテレビ系)。
川口春奈(27)演じるヒロイン・紬は高校時代に一方的に振られた恋人・想(目黒蓮)のことがずっと忘れられずにいた。そんな中で、数年後に2人は偶然に再会。そこで紬は、想が重度の難聴を患っていることを知る。だがすでに紬には別の彼氏がいて――という、複雑な人間関係のなかで登場人物たちの切ない心境が絡み合い、「令和一泣けるドラマ」との呼び声も高い。



いよいよ12月22日に最終回を迎える本作だが、終盤にさしかかった現在でもその熱気は衰えることがない。そして話題を呼んでいるのが、ロケ地を回る“聖地巡礼”だ。
芸能関係者が言う。

「ファンの女性たちはSNSに『聖地巡礼』の様子をアップ。『silent』大ファンを公言するタレントの若槻千夏(38)やお笑い芸人・パンサーの向井慧(36)も『聖地に行ってきた』と自らのインスタに上げ、もはや社会現象となっているのです」

何がそこまで、若い女性たちを熱狂させるのか。SNSで「silent 聖地巡礼」と検索してみると、「聖地」と呼ばれる場所は多々あるものの、中でも人気が高いのが小田急線・世田谷代田駅だ。最終回を目前にした今、この「聖地」駅はどうなっているのか。取材班が現場へと向かった。

世田谷代田駅

12月11日。当日は冬でありながらも暖かく、コートがなくても過ごせるような小春日和だった。世田谷代田駅は新宿駅から約12分。下北沢駅からも近いが各駅停車しか止まらぬ小さな駅で、駅の周辺にも大きな建物などはなく「地味な駅」という印象だ。
記者が14時過ぎ、小田急線世田谷代田駅に着くとすでに駅の西口改札口を出たところにはスマホを構えた若者が15名ほど集まっていた。彼らの視線の先にあったのは世田谷代田駅の看板と、改札を出てすぐのベンチである。どちらも、ドラマで重要な役割を果たした、ファンにとっては特別な場所である。

中でも第一話で想が、紬が落としたイヤフォンを拾った駅前のベンチは、ドラマのキーとなる舞台ということもあって大人気だ。

ベンチに腰掛け、写真を撮っていた20代女性2人に話を聞いた。彼女たちは紬がドラマで着用していたのと同じ青いニットを着ていたが、その後も記者は、紬のトレードマークである青のニットを着た女性を何人も見かけた。

「いろいろな聖地がありますけど、なんで“ここ”かというと、ここは第一話で、紬と想が再会して、これからストーリーが始まるという、まさに“出会ってしまった”場所なんです。もう、ドラマの世界に浸りたくて、しっかりと二人で青い服を着てきました」

青いニットを着た2人

同じく、ベンチの前で写真を撮っていたのは千葉から来たという22歳の女性。もともとは目黒蓮のファンだったためドラマを見始めたというが、いまではすっかり『silent』の世界にハマっているのだという。

「第1話のここでの再会のシーンが一番好きなんです。想くんが手話で気持ちを伝えようとしても何も伝わらず対話にならないところとか、泣いちゃいましたね。実際の場所に今日来てみたら、なんか色んな思いが溢れてきて感動しちゃいました。実は、ドラマの聖地巡りも初めてで、これからこの近辺の、“聖地”とまでは言わないような撮影地も細かくまわってこようと思っています」

ファンの熱意にスタッフも「困惑」!?

この日、14時から17時までのわずか3時間の間に世田谷代田駅にやって来た『silent』ファンは300人は超えていただろうか。日が落ちた18時台になっても、撮影をする人たちは後を絶たなかった。

駅前で写真を撮影するファン

ただし、ファンたちの熱意は思わぬ「余波」も生み出している。「聖地」だけではなく、ロケ現場にも“生”の紬や想ら登場人物を一目見ようと、観客が押し寄せているというのだ。
10月下旬に偶然、撮影現場に居合わせたという20代前半の男性が当時の様子を話す。

「下北沢付近の住宅街を歩いていたら、大きなロケバスと撮影部隊がいて、その集団の真ん中あたりに川口さんと目黒さんがいました。周りには、どこで撮影スケジュールを知ったのか、現場を見ようと集まった若い女性たちが20~30人くらいいて、みんなで撮影を見守っていた。演出家のこだわりなのか、ワンシーンの撮影は長く、何度もリテイクが出ていましたが、目黒さんも川口さんも、嫌な表情を見せず、合間には笑顔でスタッフさんと談笑し、場を和ませていました」

一方でこの人気ゆえに、撮影スタッフが困惑する事態も起きているという。

「ロケの日時に関してはもちろん事前の告知はしてないのですが、どうしても人が集まってしまうんです。歩道での撮影シーンでは制作側から交通規制をかけることもあり、近所の方からの通報があったのか警察が来てしまって、スタッフが説明をする一幕も。また、想が拾った紬のイヤフォンを返したり、2人がこれまでを振り返るキーポイントとなるシーンの舞台となった『アネアカフェ』にはお客さんが殺到。入店するのに最大で3時間待ちの長蛇の列ができたほか、『二人が向き合った席に座りたい』と“silent席”の予約を求めるお客さんから一日100本以上の電話が鳴り、店員さんがてんてこまいになったこともあったそうです」(ドラマ制作会社関係者)

現在、カフェではインターネットでの事前予約のシステムも導入。「初期のころの混乱はない」(同店関係者)というが、それでも「行列で入店するのは諦めました」(前出・代田駅に来ていた20代女性)というファンが続出するほどの人気ぶりなのだ。

日が落ちても人は絶えなかった

街の風景を変えた「聖地巡礼」民が
地元にもたらした「経済効果」

聖地巡礼を行うのは熱狂的なドラマファンだけではない。
こちらは世田谷代田駅西口でスマホを構えていた20代前半の男性の話だ。

「自分はそんなに熱心なファンではないですけど、大学にいくと必ず『昨日見た?』と『silent』の話になるし、インスタを見ると、みんな『行ってきたよ』と写真を上げている。たまたま近くに住んでいるし、話題になるから来てみました」と、特にファンではなくとも「なんだか流行ってるから」と同駅を訪れる若者も少なくない様子だ。

特にファンじゃなくても集まるほどに…

同駅の駅員はこう話す
「さすがに人数は数え切れないですけど、ドラマの影響で乗降者数はハッキリと増えてます。みなさんロケ地については調べつくして来ているようで、『あのシーンはどこ?』などと聞かれるので、なかなか仕事が手につきません」

また、近所のカフェの店員が「ドラマ放送前の8月、9月に比べて売り上げが1.5倍くらいになっていて、平日でもお客さんが結構きてくれる。店としては嬉しい限りです」と言えば、近隣の別の店でも「売り上げは放送前に比べて3割増し」と聖地巡礼による“経済効果”を強調する。

世田谷代田の地に居を構えて30年という、60代の住民男性がいう。

「ここは昔から住宅街で分譲の戸建てが多く、賃貸マンションなども少ない。そのため、ずっと住んでいる地元の人が多く、お店も少ないから、いつも見かけるのは健康のために散歩をする老夫婦や、犬の散歩やジョギングするご近所さんばかり。それが、ドラマが始まって以来、若い子たちがたくさん来て、街のささいな場所の写真を撮っていく。ずっと住んでいた街の光景も変わって、とても面白いなと毎日思っているんです」

街の風景までをも変えてしまった「silent」の熱狂。22日に迎える最終回では、紬や想、湊斗や奈々ら登場人物の「これから」にも注目だ――。

駅に貼られたポスター。画像/読者提供

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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