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チヤホヤされると、ムッとして「スターではなく、アクターだ」と語った。戸田奈津子が見たシャイなジョニー・デップ

集英社オンライン / 2022年12月23日 14時0分

神様のように尊敬されている名優中の名優、ロバート・デ・ニーロ。京都案内も頼まれるほど仲良しの戸田奈津子が見た素顔とは〉から続く

字幕翻訳の第一人者・戸田奈津子さんは、学生時代から熱心に劇場通いをしてきた生粋の映画好き。彼女が愛してきたスターの見るべき1本を、長場雄さんの作品付きで紹介する

「スター」と「アクター」では尽くす場所が違う

私生活のスキャンダルで注目を集めることも多いジョニーですが、仕事でお会いするときの彼は、すごくシャイなの。人の目を真正面から見られないし、アグレッシブなタイプとはまったく違いますね。

通訳をしていて印象的だったのは、周りがチヤホヤすると、ちょっとムッとした感じで「I’m a not star. I’m an actor」と口癖のように言っていたこと。


例えばトム・クルーズのようなスターは、撮影からキャンペーンまで全部に積極的に関わるけど、ジョニーにとって興味があるのはカメラの前で演技をすることだけ。作品に尽くすという意味ではどちらも責任を持っているし、プロフェッショナルですけど、尽くす場所が「スター」と「アクター」では違うのね。

キャンペーンで来日したジョニーが、完成した出演作を見ていないことを知って、びっくりしたこともありました(笑)。

作品で印象的だったのは『シザーハンズ』(1990)。とんでもないイマジネーションを持っているティム・バートン監督の究極の世界観に、見事にハマっていたわよね。
ジョニーが演じたエドワードは、手がハサミの人造人間だけど、すごく心情が伝わってくるから切なくて。インパクトがある見た目とは違う、孤独な内面を目の演技で表現していたのはさすがです。忘れられない、いい映画でした。

『シザーハンズ』(1990)Edward Scissorhands 上映時間:1時間38分/アメリカ

人造人間のエドワード(ジョニー・デップ)は、未完成のまま発明家に先立たれ、両手がハサミのまま街外れの屋敷に取り残されてしまう。屋敷にやってきた化粧品セールスのペグによって、街に連れてこられたエドワードは、植木の形を整えたり、女性たちの髪の毛をカットするなどして人気者に。
やがてエドワードは、ペグの娘のキム(ウィノナ・ライダー)に恋をする……。『チャーリーとチョコレート工場』(2005)や『アリス・イン・ワンダーランド』(2010)などで数多い作品で組むことになる、ティム・バートン監督との初タッグ作。

ジョニー・デップ

1963年6月9日生まれ、アメリカ・ケンタッキー州出身。『エルム街の悪夢』(1984)でデビュー。テレビシリーズ『21ジャンプ・ストリート』(1988〜1990)で脚光を浴び、『クライ・ベイビー』(1990)で映画初主演。主な出演作は『パイレーツ・オブ・カリビアン』(2003〜)シリーズ、『チャーリーとチョコレート工場』(2005)『アリス・イン・ワンダーランド』(2010〜)シリーズ、『ファンタスティック・ビースト』(2016〜)シリーズ、『MINAMATA-ミナマタ-』(2020)など。

「彼との思い出で一番印象に残っているのは、『パイレーツ』シリーズで来日したとき。会見場の机にガラス玉が散らされていて、宝箱をぶちまけたような飾りが施されていたの。会見が終わって降壇するときに、ジョニーが私に“持っていっちゃおう”と目配せしてきて、一緒にポケットに入れて帰ってきました(笑)。
そのときのジョニーは、本当に子供みたいな目をしていました。言葉なんて何も交わさなかったけれど、共犯者になったようなあの瞬間は、すごく覚えています。かわいい人だなと思いましたね」

語り/戸田奈津子 アートワーク/長場雄 文/松山梢

「妖精っぽさや清潔感、おしゃれな雰囲気は別格」戸田奈津子が語る、オードリー・ヘプバーンが今なお絶大な人気を誇る理由〉へ続く

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