【本日最終回】『silent』で川口春奈と目黒蓮の出演が1年前から決まっていた訳〜村瀬プロデューサーが明かすキャスティング秘話
集英社オンライン / 2022年12月22日 14時1分
フジテレビにて木曜22時に放送中のドラマ『silent』。同作の仕掛け人ともいえるプロデューサー村瀬健に、ドラマプロデューサーという仕事の醍醐味、川口春奈と目黒蓮で『silent』を作ろうと思った経緯を聞いた。
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©フジテレビ
川口春奈、目黒蓮のキャスティングを決めた妻の存在
――今回の『silent』はどのようにして企画が立ち上がったのでしょうか?
そもそもドラマの成り立ちは、大きく分けて3つあります。1つは企画があって、それに合う人を当てるパターン。2つめが役者さんが決まっていて、その方に合う企画を考えるパターン。3つめは、滅多にないのですが、会社から「〇年の〇月期空いてるけどやる?」と声をかけられるパターン。つまり役者も企画も自由に決められるパターンです。
今回の『silent』は3つ目のパターンでした。ちょうど1年前に2022年の10月期を担当してほしいと言われて。それで自分の好きなことやろうと考えた時に、大人が見るしっとりとした心の移り変わりを描いたラブストーリーにしようと決めたんです。
――それはなぜですか?
やはり『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』がFODで長年に渡って上位にランクインしているというのは大きかったですね。視聴者はラブコメではなく、純粋なラブストーリーを見たいのではないかと思ったんです。
それで、じゃあ誰がいいか、誰と誰のラブストーリーが見たいかを考えた時に川口春奈さんと目黒蓮さんが思い浮かんで、そこから今の『silent』の企画が生まれました。
――まずなぜ川口さんだったのですか?
川口さんは、とにかく今最も輝いている女優さんだと思っていました。いろんな作品で見てきていたので、芝居が上手なことはもちろん知っていたのですが、昨年の『紅白歌合戦』の司会をしている姿を見たときに、なんて華のある人なんだ!と思ったんです。
あれだけのスターが一堂に会する中で、誰にも負けない華やかなオーラを放ってました。これってすごいことだと思うんですよね。なのに、YouTubeの『はーちゃんねる』では全く飾らない姿をさらけ出していたりもする。そのギャップがとても素敵で。彼女なら、男性からも女性からも愛されるラブストーリーの主人公像が作れるんじゃないかと思ったんです。
――では目黒さんは?
目黒さんは、実は、妻の推薦でした(笑)。こんな話をするのも何なんですけど、僕、妻(多希代さん)とすごく仲が良いんですね。それで子供達を寝かしつけた後で、僕がお酒を飲みながら飲まない妻に話を聞いてもらう“スナック多希代”をよく開いてもらっているんです(笑)。
妻はもともと『14才の母』や『バンビ〜ノ!』のアシスタントプロデューサーをやっていたというのもあって、今でもかなりドラマを見ていますし、企画の話をすることもあるんです。
そんな妻がある日、「目黒蓮さん、すごくいいと思う」と言ってきたんですね。それまで僕は彼のことを知ってはいたけど、正直そんなに意識していませんでした。妻はそれまでにも何人もの若手俳優・女優を僕に薦めてくれていて、それでキャスティングしたら後に大スターになった、みたいな人もたくさんいて。
なので、目黒さんのことを注意して見るようにしたんです。
そうしたら、例えばSnow Manで出ているバラエティなんかを見ていても「ただそこにいるだけでカッコイイ!」と思わせるような異彩を放っていて。とにかく、やばいなこの人、めちゃめちゃかっこいいなと思ったんです。それで、川口さんと目黒くんとのラブストーリーが見たいなと思いました。
――目黒さんといえば「声がいい」と評価されることも多いのに対し、今回演じている想は役柄的に言葉数が少ない印象です。
まず僕が彼を見た時に「黙って立っているだけで、かっこいい」と思ったからというのが大きいです。ただ佇んでいるだけで、圧倒的な存在だなと。それに初めてバラエティで見た時にあまりしゃべらないのに、しゃべるとちょっとおバカな感じもあったりして、笑ったときのくしゃっとした笑顔がかわいらしいと思いました。
だから、僕は言葉が少なくとも目黒さんなら成立すると思っていた。同じように脚本の生方美久さんも「目黒さんは声がいい」と思っていたようなんですね。それで「8年間会えずにいた恋人がいて、その声が好きだった」という設定を考えてきたんです。僕のイメージと生方さんのイメージが合わさって『silent』の世界観ができあがっていきました。
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フジテレビ村瀬健プロデューサー
Pってなに?
――来季のドラマが発表されるたびに、演者や脚本家だけでなく、プロデューサーに期待を寄せる声もよく見ます。ただプロデューサーという職業が、具体的にどこまでなにをやっているのかわからない方も多い印象です。改めてドラマプロデューサーの仕事を教えてください。
プロデューサーとは、ドラマの世界観を作り上げていく人。具体的にいうと、企画を作り、それをどんなキャスト・脚本家・監督でやるかを考える、僕の場合は音楽や主題歌まで、まず最初に考えます。
――具体的に、今回の『silent』放送開始までの村瀬さんの動きを教えてください。
今回の『silent』の場合は、さっき言ったように、まず最初に川口春奈さんと目黒蓮さんでラブストーリーをやろうと決めました。次に決めたのが脚本家。「フジテレビヤングシナリオ大賞」で審査して以来、すごい才能の持ち主だと思っていた生方美久さんに「一緒にやりませんか?」と声をかけました。
そして、生方さんと二人で登場人物のキャラクターや大まかなストーリーを決めていき、演じてほしいキャストにオファーをして交渉していきました。そしてドラマの世界観がだんだん見えてきたところで、誰に監督してもらったらベストかを考え、風間太樹監督に声をかけました。
主題歌は絶対にヒゲダン(Official髭男dism)にお願いしたいなと思ったので、直接お願いしに行きました。
――放送してからは、どのような動きをしているのでしょうか?
ドラマが作り上げられていく全ての行程に参加しています。一番重要な仕事は脚本家と一緒に次の話、その次の話というように先々の本を作ることなのですが、可能な限り、撮影現場にも行くようにしています。
それで、もしも監督が僕の狙っていることと違うことを言っていたら、「こうした方がいいんじゃない?」と提案したりすることもあります。撮影後に編集をする時も、「ここにこういうカットを入れた方が効果的なんじゃない?」とか、どのタイミングで音楽を入れるかなどの意見を言います。
脚本家の方や、監督が作ったものに「もっとこうしたらおもしろくなるんじゃない?」というのがプロデューサーの役割だと思っています。
――なるほど。前編で大学時代は脚本家になりたかったということをお話ししていましたが、村瀬さんがドラマに携わる中で、監督でも脚本家でもなくプロデューサーを選んだのはなぜですか?
たしかに日テレに入社した当初は監督もいいなと思っていました。ただ、実は連続ドラマの多くは、いくつかの話数を複数の監督で撮っているんです。今回の『silent』も3人の監督が分担して撮っています。だから、連続ドラマの場合、監督はドラマ全話に携わるということができないんです。
逆にプロデューサーは全話を通して携われて、その作品の責任を取る立場にある。世界観を作るのが好きな僕にとっては、トータルを見つつ、演出は僕よりもセンスや技術のある監督にお願いした方が絶対にいいものができると思ったんですよね。もちろん脚本もそう。集まった人たちの能力を最大限に発揮してもらって、自分が企画した世界観を実現させる立場の方が自分にはあっているなと考えるようになったんです。
テレビ局は「自信がない人ほど入社してほしい」
――村瀬さんのようにフジテレビでのドラマプロデューサーを目指している人に、メッセージをお願いします。
こういうインタビューだから言うのではなく、本当にフジテレビは素敵な会社だなと思います。僕は作り手としてはそこそこ頑張れていると思うけど、会社員としては事務仕事が苦手だったり、会社員として必要な手続きを忘れてしまったり至らないところがあまりにも多いんです(笑)。
デスクにいることはあまりなく、いろんな映画を見たり、人に会うために外を出歩いたりしています。そんな僕のことを受け入れてくれるというのは、本当にありがたいんです。作り手にとっては、これほどいい会社はないなと。
それから、これは声を大にして言いたいのですが、僕は結局のところバンドでも成功せず、脚本家にもなれず、映画監督にもなれなかった人間です。そういう中途半端な男がテレビ局に入って、自分よりも上手な脚本を書く人、優秀な監督、いい音楽を作るアーティスト、一流のキャストを連れてきて『silent』を作っているんですよ。
何かの道で名を成すほどの才能がない人が成功できる場所がテレビ局なんだと思います。
――なるほど。
だからこそ、僕は、“クリエイティブなことをしたいけど、才能には自信ない”。そう思っている人にぜひ入社してほしいです。もしもクリエイティブな才能に自信があるならフジテレビに入らずとも、成功できますからね。僕のように、才能はゼロではないかもしれないけれど、だからと言って自分一人では名を馳せることはできない中途半端な人が楽しめる場所なんだと思います。
さらに言うと、フジテレビには自分の描いた世界観を形にしてくれる一流スタッフがいます。ドラマ、映画、バラエティ、演劇、コンサート、アニメ…幅広いソフトを扱っているのも強みですね。自分以外の人の力を借りて、楽しみながら自分の好きなものを作りたい、そんな人にぜひ来てほしいです。
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©フジテレビ
取材・文/於ありさ 写真/石田壮一
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