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〈コロナ第8波でどうする、忘年会と新年会〉「鍋料理は煮えているし大丈夫じゃない?」「カラオケ解禁していい?」「アクリル板は意味あるの?」名医に“素朴なコロナ疑問”聞いてみた!!

集英社オンライン / 2022年12月23日 12時1分

全国的に第8波に突入している新型コロナウイルス感染症。新規感染者数は12月20日には全国で約19万人、東京都では8月25日以来、約4ヶ月ぶりの2万人超えとなり、高止まりの状態が続いている。この年末から年明けにかけて第8波のピークを迎えるとの予測もあり、あらためて感染への対策が必要とされている。

「会食は禁止、というのは行き過ぎだと思います」

まだまだ感染拡大が止まらない新型コロナウイルスだが、以前に比べ、夜の繁華街では人の数がずいぶん多くなったように見受けられる。
折しも忘年会、新年会のシーズン。一昨年、昨年までは自粛ムード一色だったが、3年ぶりの「制限のない年末年始」とあってか、今年は数人で集まって会食をする人も多いようだ。



やはり、一年の締めくくりには仲間同士で集まって食事をしたり、お酒を飲んで楽しく過ごしたいもの。とはいえ、やはりコロナも気になる。忘年会や新年会を開催するのであれば、いったい何に注意すればいいのだろうか。

繁華街(写真はイメージです)

自治医科大学附属病院感染制御部長・准教授の森澤雄司医師は、次のように語る。

「第8波で流行しているウイルス株は、高齢でなく基礎疾患などがなければ、感染しても多くの方は重症化しません。ですので会食禁止というのは行き過ぎだと思います。

忘年会や新年会で集まることを考えた時、極端な話ですが、感染している人がその席にいなければ何も問題ないわけです。

ですが、PCR検査や抗原検査の陰性結果を持ち寄ったとしても、偽陰性もあり、本当に感染していないかどうかはわかりません。従って、『この人から感染してしまったのなら、それは仕方がないな』と思える人とだけで集まるべきです。それは家族や恋人であったり、普段からお互いの生活ぶりが見えている信頼関係のある人などです。

逆に会社の同僚や、取引先の相手など、『うーん、この人から感染するのはちょっと嫌だな、困るな』という人とは会食しない方がいい。これを線引きにするといいでしょう。
仕事相手や取引先の人は、知らないだけで実は何か持病があるかも知れません。そうしたプライバシーに関わることをお互い明かしてまで会食しましょう、なんてことは誰もがしたくないはずです」

北陸地方が大雪になるなど寒波が押し寄せており、鍋料理が恋しい季節でもある。
「鍋ならグツグツ煮えているので新型コロナウイルスも死滅して、感染なんかしないのでは」(20代男性・豊島区在住自営業)との声も聞こえてくるが、本当なのだろうか。

鍋をつつく女性(写真はイメージです)

煮えた鍋は大丈夫か?

「鍋が煮えているからウイルスが死滅するかどうか以前に、そもそも鍋を囲めばそれなりに密になり、飛沫感染やエアロゾル感染のリスクが高くなります。忘年会・新年会の席ならばアルコールも飲んでいて、さすがに黙食なんてできないはず。まずはそちらを注意するべきでしょう。

また、鍋から料理を取り上げる際、自分の使っていた箸を鍋に入れれば、程度にもよりますが、唾液が鍋の汁や食材に混じっていくでしょうし、それを他の人が摂取してしまう可能性もあります。

それから鍋の熱で新型コロナウイルスが必ず死滅するかどうかはわかりません。ですので、直箸を使って取り上げるのではなく、菜箸とお玉を使って取り分けた方がリスクはずっと低くなります。もし、これから料理を決めるのであれば、鍋料理や大皿料理のない、取り分けられたコース料理を選んだ方がいいでしょう」(森澤医師)

都内・新橋にある居酒屋で聞いてみた。

「お鍋の注文が敬遠されるということは特にないですね。お玉とか菜箸がありますし、以前より多めに菜箸をお渡しているので、皆さんそれを使ってくれています。
昨年までは一人用鍋の要望もあったけど今年はない。マスク会食なんて実際には難しいですし、店として特に求めることはありません」(居酒屋・店主)

ではお店を選ぶ際は、個室がいいのか、それとも換気を考えて密ではない広い空間のお店がいいのか。

「大きなお店でたくさん人がいる店内だと、どんな健康状態の人がいるかわかりません。それなら、先ほどお話ししたような、信頼関係のある仲間たちと個室にするというのがやはり安心です。
また、アクリル板を設置しているお店も多いのですが、これはあくまで飛沫感染を防ぐもので、ある程度、距離的に余裕がある環境でなければ効果はありません。
人が密集している店内であればアクリル板があることで、かえって換気ができなくなっている可能性もあります。アクリル板があるだけで安心ということではないので、そのあたりの見極めも大切です」(森澤医師)

アクリル板設置の飲食店(写真はイメージです)

もうカラオケは行っても大丈夫?

さて、こうした会食の後は、どうしても2次会に行きたくなるもの。以前であれば、「次はカラオケ!」と繰り出すケースも多かった。
先日閉幕したサッカーW杯カタール大会ではマスクをせず、スタジアムで大きな声を出しながら応援している観客の姿が多数映し出された。こうした光景を見ていると、もうカラオケに行っても大丈夫かと思ってしまうが、果たして解禁してもいいものだろうか。

カラオケで楽しむ人々(写真はイメージです)

「たしかにカラオケの室内は換気設備を充実させています。室内の消毒やマイク交換など、ウイルス対策をしているでしょう。とはいえ密室内で大声を出して歌うわけです。忘年会よりは感染リスクは高く、複数人でのカラオケは、まだちょっと控えた方がいいかと考えています。

また、マスクをしながら歌っていても、声を出し続けていればマスクの隙間からエアロゾルが漏れ出て、部屋中に撒き散らすことになります。それに、皆さんがしている不織布マスクは、あくまで人にうつさないためのマスクなので、こうした密室での感染を防ぐにはN95のような防護マスクが必要です。」(森澤医師)

最後に、アルコールについて繁華街の若者からはこんな疑問が。

「アルコール度数の高いものを飲めば、『アルコール消毒』になる。コロナウイルスなんて死ぬから問題ないだろ、と話してるバイト仲間がいました。実際にそれ目当てでテキーラをガンガン飲んでいる後輩もいますが、本当でしょうか?」(20代男性・新宿飲食店勤務)

テキーラで乾杯(写真はイメージです)

たしかに店舗や施設に入る際、手をアルコール消毒するが、「飲むアルコール消毒」は、ウイルス除去に効果はあるのか。

「消毒用エタノールは約80%の濃度であり、さすがに普通の人間には飲めないでしょう(笑)。飲んだとしてもウイルスへの効果は不確実で、粘膜傷害は確実です」(森澤医師)

ようやく迎えた年の瀬と、やってくる新年。
忘年会や新年会はあくまで状況や相手を選び、リスクを考えた上で集まれば、きっと楽しい席になるはずだ。

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