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サッカー日本代表の歴史的勝利の要因は兄弟構成にあった!? 堂安も三笘も…なぜ今、スポーツ界で“末っ子”たちが大活躍しているのか

集英社オンライン / 2022年12月31日 13時1分

W杯のドイツ、スペイン戦で2得点を挙げた、堂安律選手、“1ミリの奇跡”で話題となった三笘薫選手は三兄弟の“末っ子”という共通点がある。実は日本代表メンバーのおよそ半分以上が末っ子だった。サッカーをはじめ、スポーツの世界では“末っ子“が活躍するケースが目立つらしいが、一体なぜなのか? 心理カウンセラーの根本裕幸さんに聞いてみた。

スポーツで活躍する末っ子たち!

––––盛り上がった今回のW杯。日本が、優勝候補と目されていたドイツ、スペインを撃破し、すばらしいパフォーマンスを見せてくれましたが、根本さんは選手の兄弟構成に注目していたそうですね?

今回出場した選手の中で、大事な得点をした堂安律選手と神業を魅せた三笘薫選手、そしてDFの酒井宏樹選手、キャプテンの吉田麻也選手などがみな、3兄弟の3男なんです。調べてみると、代表メンバーは長子や中間子よりも末っ子が多いんですよ。


※「長子」は最初に生まれた子。「中間子」は最初でも最後でもない子。「末っ子」は最後に生まれた子。2人兄弟の次男は「末っ子」にあたる。

––––サッカーをはじめスポーツの世界では、長子よりも末っ子のほうが活躍するケースが目立っているようですが、それはなぜですか?

まず1つの要因として、下の子はスポーツを始める年齢が早いです。例えば、長子(例えば、お兄ちゃん)が小学1年生でサッカーを始めると、第二子(弟)が「ボクもやる!」と言い出して、早い子だと3~4歳で始める子もいます。

フィギュアスケートの浅田真央さんも姉の舞さんとともに5歳からリンクに通っていましたよね。下の子はこんな風にスポーツと出会うことが早くなることで、練習する時間も長くなり、そのスポーツが上手くなるケースがあるのです。

心理カウンセラーの根本裕幸氏。著書に『兄弟姉妹の心理学 弟がいる姉はなぜ幸せになれないのか』(WAVE出版)がある

–––他にもなにか特徴があるんでしょうか?

兄弟って元々は親の愛情を求めて競争するものですが、下の子は不利で、例えば 5 歳と 3 歳って、かなり能力に差があります。だから、下の子は上の子に負けたくない気持ちでめちゃくちゃ頑張るんですよ。

そうすると根性がついたり、負けん気が強くなります。また、お兄ちゃん、お姉ちゃんがある程度成績を残していると、下の子もそこについていくような感じで成長します。兄弟姉妹でライバル関係になってしまうわけです。

サッカー以外でも、メジャーリーグで活躍している大谷翔平選手は、兄と姉がいる末っ子ですね。プロテニスプレイヤーの錦織圭や大坂なおみは、それぞれお姉さんがいるので、一緒にプレーしたりして、影響を大きく受けている可能性は否定できません。

また、どこにいても可愛がられやすいのが末っ子の特徴。自分のお兄ちゃんに可愛がられた経験のある選手は、お兄ちゃんタイプの選手になつくのがうまいんですよ。要領もよくて、イジられ役。グループにいると調和をもたらすみたいな存在ですね。

スポーツではすごく劣勢な時に明るく振る舞うことができるメンタルになるケースも多くなり、その人をいじるとチームの雰囲気が良くなるってこともあります。組織に1人はいてほしい人材ですね。

末っ子以外の少数派だって負けていない!

––––割合としては少ないですが、末っ子以外のタイプも、もちろん代表で活躍しています。末っ子の次に多い長子(代表26人中6名)は、どうやって力をつけてきたんでしょうか?

長子には、上の兄弟姉妹がいませんが、ときに父親が大きな長男になることもあります。そのおかげで、末っ子以上に負けん気が育ち、スポーツがうまくなるケースがあります。

しかし、意外に長子は暴走しやすいんですよ。自分が良かれと思ってやってるんだろうけど、けっこう周りが迷惑したり、大事なことを勝手に決めちゃったり。ですから、長子がリーダーになるとワンマンになりやすいですね。キャプテンには向いていないかもしれません。ちなみに私も長子なんですが……。

––––競争には向いていないイメージのあるひとりっ子はどうですか?

何かと一人で行動しやすく、協調性に乏しい特徴がありますが、ただ大勢のチームメイトがいるとその中で“疑似兄弟”を体験していることもあるんです。

スペイン戦で勝ち越しのゴールを決めた、田中碧選手は1人っ子ですが、三笘薫選手と同じサッカークラブ出身で、三笘選手が1つ年上ということもあって「鷺沼兄弟」と呼ばれていました。なので、そいういった経験があると“末っ子”に近いタイプになることもありますね。

––––個人的には、中間子(代表26人中3名)が最も謎の存在ですが、彼らは、どんなタイプなんですか?

代表メンバーでは、長友佑都選手、浅野拓磨選手、前田大然選手がそうですね。中間子は、まさに中間管理職のような存在で、上からは圧力をかけられ、下からは突き上げられ育ちます。そのため敢えて他の兄弟と違ったキャラクターを形成しようとします。

例えば、他の兄弟が成績優秀なタイプだったら、「笑いを取りに行くお調子者キャラで行く」みたい感じです。3選手とも髪型は超個性的だし、代表チームの中でも目立つキャラですよね(笑)。

また、親の目が1番届きにくいので、「誰もわたしのことをわかってくれない」というような悩みを抱えがちです。だからこそ繊細で、場の空気を読めるようになり、チームには欠かせない調整役となります。上下に挟まれた厳しい状況で成長するので、高度な生存戦略を身につけている努力家なのだと言えるでしょう。


取材・文/集英社オンライン編集部

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