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すごく強くて、泣けるほどドラマティック! 大学初の3冠目前。箱根駅伝ファンが駒澤大学を推したくなる3つの理由

集英社オンライン / 2022年12月31日 16時1分

2023年の第99回箱根駅伝で優勝大本命とされる駒澤大学。箱根駅伝をウォッチし続けてきた熱狂的ファンが、駒澤大学を応援したくなる理由を検証する。

“スナック芦ノ湖”が語る駒澤大学の魅力

箱根駅伝の前哨戦である出雲駅伝、全日本大学駅伝で優勝し、大学初の三冠が期待される駒澤大学。長い歴史の中で常に箱根駅伝を盛り上げてきた強豪校は、なぜファンの心を掴んで離さないのか。

箱根駅伝好きが講じて駅伝関連の取材も多数行うイラストレーターの進藤やす子さん、ラジオの構成作家で、ランニングのフリーペーパーを発行していたこともある白滝桂子さん、ランニングにハマり、女子マラソンの国際資格を得て出走したこともあるライターの間庭典子さんの3名が、その魅力を掘り下げる。


箱根駅伝を熱く語り合う場を架空の飲み屋“スナック芦ノ湖”と称している3人。左から間庭典子さん、進藤やす子さん、白滝桂子さん

【理由1】「男だろ!」でおなじみ。
大八木監督が魅力的すぎるから

<大八木弘明監督>1958年生まれ、福島県出身。24歳で駒澤大学経済学部2部(夜間部)に入学。昼は働きながら、練習と勉強に励んだ。箱根駅伝には3回出場。実業団を経て、1995年に母校である駒澤大学の陸上競技部コーチに就任し、2004年からは監督としてチームを率いている
写真/共同通信社

進藤 駒澤を応援したくなる理由は、第一に大八木監督の魅力が大きいよね。

白滝 人情味あふれる名物監督。箱根駅伝の歴史を感じさせる存在です。

間庭 選手は4年間で次々と入れ替わるけど、箱根駅伝に出場する大学の監督は、長期政権が多いイメージ。

進藤 山梨学院大学を37年間率いた上田誠仁監督(1985〜2022)を筆頭に、神奈川大学の大後栄治監督(1998〜現在)、青山学院大学の原晋監督(2004〜現在)、帝京大の中野孝行監督(2005〜現在)など、挙げればキリがないくらい。だからこそ、大学のカラーは監督のキャラクターに影響を受ける気がする。

間庭 大八木監督率いる駒澤大学は、実直なイメージがあるよね。監督車から飛ばす「男だろ!」という檄が有名だけど、2020年の第96回大会では、5区で駒澤大学の伊東颯汰選手と並走していた國學院大學の浦野雄平選手にまで、「人の後ろにばっかいたらダメなんだ!」と檄を飛ばしていたのには驚いた(笑)。自分のチームだけでなく、他校の生徒たちも見守っている感じ。

白滝 まさに箱根駅伝のお父さんだね。オールバックの怖そうな見た目に反して、すごくフランクで優しいキャラクターなのも素敵です。

進藤 会津弁なのも愛せるー(笑)。選手たちが大八木監督のことをすごく信頼しているのも伝わってきます。

中村匠吾選手は、駒澤大学卒業後も大八木監督の指導を受けて東京オリンピックのマラソン代表になったし、現在4年生の大エース・田澤廉選手も、春からトヨタ自動車に入社するけれど、拠点は変わらず駒澤大学に置いて大八木監督のもとで指導を受けるそう。

白滝 選手たちが大八木監督を喜ばせよう、胴上げしようとしている感じが伝わるし、その空気感も駒澤大学を応援したくなる理由のひとつかも。

【理由2】強豪校なのに、
ドラマティックなシーンも忘れられないから

白滝 駒澤大学の歴代選手で印象的なのは、宇賀地強選手。2007年の第83回大会から4年連続エース区間の2区を走ったまさにスター。通好みのど根性走りが印象的だったし、キャプテン然とした存在感も好きでした。

進藤 駒澤大学のヘッドコーチを務めている藤田敦史さんも、第75回大会で4区区間新を記録したスター選手。マラソン元日本記録保持者だしね。個人的には第90回大会あたりの窪田忍選手、村山謙太選手、中村匠吾選手も、すごく応援していた世代です。

間庭 でも駒澤大学はずっと箱根駅伝の強豪校なのに、不思議と主役のイメージじゃないんだよね。ジャンプの漫画に出てくるとしたら、ライバル校ぽいというか。

白滝 初優勝を飾った第76回大会以降、ほぼ毎年シード権を獲得しているのに、第85回大会や第94回大会のように、まさかのシード落ちをすることもあって。第78回大会から第81回大会まで4連覇を成し遂げているし、合計7回も総合優勝しているすごいチームであることは確かなんだけど……。

間庭 第86回大会以降は、柏原竜二選手が活躍した東洋大学や大迫傑選手擁する早稲田大学に阻まれて、しばらく2〜3位が続いた時期が。青山学院大学が台頭した第91回大会以降も、なかなか優勝できなかったよね。

白滝 2年前の第97回大会で優勝したのは、なんと13年ぶり。

進藤 ここ10年くらいは報われないことも多かったからこそ、より応援したくなるのかも。特に私が忘れられないのは、第91回大会の馬場翔大選手。
5区を任されて1位で襷を受け取ったけれど、低体温症で倒れ込むようにゴールしたシーンは辛かったな。でもその翌年に、8区で笑顔の襷リレーができて本当にホッとしたしうれしかった。もはや親目線。

第89回大会では、2区を任されたエースの窪田忍選手が区間7位で思うような結果を残せなかったり、94回大会では7区を走った主将の工藤有生選手が、ケガの影響で失速してしまったり……。前回大会は8区に起用された鈴木芽吹選手の怪我もありました。あの苦しいシーンを見ていたので、復帰レースの出雲駅伝は泣けました〜! 今年は快走を楽しみにしています!

間庭 駒澤大学は強豪校らしい名シーンだけじゃなく、どこか切なさが残るシーンも印象的だよね。だからこそファンとしては俄然応援したくなるし、思い入れが強くなるんだと思います。

【理由3】規格外のエース“レン・タザワ”がいるから

駒澤大学の大エース、田澤廉選手。箱根駅伝で彼の走りが見られるのは、今大会が最後!
写真/共同通信社

進藤 大学初の三冠がかかっている今大会で注目なのは、なんといっても田澤廉選手。これまでの駒澤大学のひたむきなエース像とは違って、飄々としたキャラクターなのも次世代って感じがする。

白滝 のびのびしてる感じがするよね。フォームも美しいし、足の運びがケンタウロスみたい。駅伝で外さない安定感はすごいです。

進藤 田澤選手という大エースだけでなく、今年の駒澤大学は粒揃いだよね。2年連続、全日本大学駅伝でフィニッシュテープを切った3年生の花尾恭輔選手は、ロードの強さを感じる。

間庭 私は田澤選手からキャプテンを引き継いだ主将の山野力選手にも注目してます。

進藤 一般入試で駒澤大学に入学した選手が、主将としてチームをまとめる存在にまでなったのはすごいよね。まさに努力の人。そして人望が厚そう!
鈴木芽吹選手が怪我をしたときも、3階からおぶってお風呂にまで入れてあげていたというエピソードが。すごいなぁって思います。その芽吹選手も完全復活、怪物ルーキーの佐藤圭汰選手の箱根デビューも楽しみ!

白滝 ひとりだけ速い選手がいても勝てないのが箱根駅伝。エースもルーキーもいて、3番手、4番手の選手までちゃんと揃っている今の駒澤大学は、本当に強いと思います。

進藤 もちろん、いつもしっかり本番に調子を合わせてくる青山学院大学は、駒澤大学の優勝を阻む筆頭だと思うし、オリンピアンの三浦龍司選手を擁する順天堂大学も強い。

白滝 丹所健選手やイェゴン・ヴィンセント選手を擁する東京国際大学も楽しみだよね。

間庭 吉居大和選手を擁する古豪・中央大学が復活してきたのもファンとしてはうれしい限り。大八木監督との師弟対決が楽しみな、前田康弘監督率いる國學院大學の活躍も期待大です。
今大会の箱根駅伝は、いつも以上に応援に力が入りそうです!


文/松山梢

スナック芦ノ湖
進藤やす子さん、白滝桂子さん、間庭典子さんの3人が、箱根駅伝について熱く語り合うときのユニット名。進藤さんはファン歴30年のベテラン。雑誌「MORE」で10年以上箱根駅伝の取材を担当している。白滝さんは高橋尚子さんの番組や東京マラソンの特番を担当したこともあるラジオの構成作家。ランニングのフリーペーパー「step」を発行していたことも。間庭さんは、旅やインテリアなどの記事を多く執筆するライター。ランニングにハマり、女子マラソンの国際資格を得て出走したこともある。“スナック芦ノ湖”は架空だが、「ごぼうを使わない “ごぼう抜き”というきんぴらをメニューに入れたい」、「“函嶺洞門”という地ビールを作ろう」など、妄想を繰り広げている。

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