柏原竜二、大迫傑、服部勇馬、渡辺康幸…歴代スターで勝手に妄想!? 箱根駅伝、夢の区間オーダー

お正月のビックイベント、箱根駅伝のスタートまであと少し！ 本番が待ちきれない熱狂的ファンが、歴代＆現役スター選手で構成した、最強の区間オーダーを妄想する。

“スナック芦ノ湖”の妄想が炸裂！

駅伝関連の取材も多数行うイラストレーターの進藤やす子さん、ラジオの構成作家で、ランニングのフリーペーパーを発行していたこともある白滝桂子さん、ランニングにハマり、女子マラソンの国際資格を得て出走したこともあるライターの間庭典子さんの３人は、箱根駅伝をこよなく愛するベテラン・ファン。

熱く語り合う場を架空の飲み屋“スナック芦ノ湖”と称している3人が、最強だと思うチームを脳内で勝手に編成。誰と、いつ戦うのかもわからない、こだわりをめいっぱい詰め込んだ妄想だらけの区間オーダーを解説する。

【往路】
進藤
１区 大迫傑（早稲田大学）
２区 相澤晃（東洋大学）
３区 設楽悠太（東洋大学）
４区 塩尻和也（順天堂大学）
５区 柏原竜二（東洋大学）

白滝
１区 佐藤悠基（東海大学）
２区 田澤廉（駒澤大学）
３区 服部勇馬（東洋大学）
４区 相澤晃（東洋大学）
５区 柏原竜二（東洋大学）

間庭
１区 大迫傑（早稲田大学）
２区 相澤晃（東洋大学）
３区 塩尻和也（順天堂大学）
４区 佐藤悠基（東海大学）
５区 柏原竜二（東洋大学）

※カッコ内はすべて箱根駅伝出場時の所属大学

第85回大会から４年連続５区を走り、山の神として注目を集めた柏原竜二選手
写真／Getty Images

進藤 １区は華やかにスタートしたいから、日本マラソン界のスター選手でもある大迫選手で。第87回大会で１区区間賞を獲得して、18年ぶりの早稲田大学の総合優勝に貢献したデビュー戦は鮮烈でした！

間庭 私も大迫選手は大賛成。彼が一斉スタートで飛び出す姿は、やっぱり画的にも映えるよね。

進藤 そして２区は相澤選手でいきたい。４年生のときの圧巻の走りは忘れられないもん（第96回大会で区間記録を７秒も上回り、１時間５分57秒の区間新記録を樹立）。フォームも本当に美しくて惚れ惚れするし、駅伝での安定感は抜群でした。

白滝 私が1区に配置したいのは、佐藤悠基選手。東海大学時代は３年連続区間新記録を樹立したし、卒業後はロンドンオリンピックに出場したスター選手。田澤廉選手は現役だけど、今後、箱根駅伝の歴代スターに名を連ねる選手だと思うから、ぜひ２区で使いたいです。
そこからは、服部選手、相澤選手、柏原選手という、東洋大学のエースで５区まで繋ぎます。

間庭 さすが東洋大学推し（笑）。でもやっぱり５区は全員、“カッシー”こと柏原竜二選手だよね。もちろん、初代山の神・今井正人選手（順天堂大学）や、３代目山の神・神野大地選手（青山学院大学）も考えたけど……。

進藤 東洋大学初の総合優勝に貢献した第85回大会のデビュー戦はもはや異次元でした。彼の登場によって、箱根駅伝人気に火がついたのは確かだよね。４年連続５区区間賞を獲得しただけでなく、区間記録を３度も更新したインパクトは絶大です。

【復路】
進藤
６区 秋山清仁（日本体育大学）
７区 佐藤悠基（東海大学）
８区 鎧坂哲哉（明治大学）
９区 田澤廉（駒澤大学）
10区 鈴木健吾（神奈川大学）

白滝
６区 館澤亨次（東海大学）
７区 設楽悠太（東洋大学）
８区 塩尻和也（順天堂大学）
９区 宇賀地強（駒澤大学）
10区 鈴木健吾（神奈川大学）

間庭
６区 神野大地（青山学院大学）
７区 竹澤健介（早稲田大学）
８区 中村匠吾（駒澤大学）
９区 窪田忍（駒澤大学）
10区 服部勇馬（東洋大学）

※カッコ内はすべて箱根駅伝出場時の所属大学

白滝 まにさん（間庭）は、まさかの“山の神”神野選手を６区に起用!?

間庭 これはあくまで妄想のエンタメですから（笑）。

進藤 ５区区間新記録を樹立した第91回大会では、「身長164cm・体重43kg」と実況アナウンスで紹介されていて、世の女子に衝撃を与えたよね。それだけ軽量だから、下りもいけるかも。実際に５区の後半の下りも強かった選手だし。
ちなみに私の６区は秋山清仁選手。“これぞ日体大！”な風貌といぶし銀な走りが推せます。

間庭 ７区は早稲田大学の竹澤選手。４年生のときに現役の箱根駅伝ランナーとして北京オリンピック出場を果たしたのが印象的だったよね。オリンピアンの竹澤選手から、東京オリンピックに出場した中村匠吾選手に襷リレーをしたい。

白滝 竹澤選手と同じく、現役時代にリオデジャネイロオリンピックの3000mSCに出場した“お塩さま”こと塩尻和也選手を、私は８区に起用。
そして復路のエース区間の９区は、ずっと応援している駒澤大学のスターだった宇賀地強選手で！

進藤 マラソンの日本記録保持者である鈴木健吾選手もぜひ使いたいよね。彼は２区のイメージが強いけど、単独走ができる職人って印象もあるから、各チームの差が大きくなる復路のラストを飾ってもらいます。

間庭 私は服部勇馬選手を10区にしたいと思っていて。というのも、手足が長いからゴールテープを切ったら写真映えすると思うんだよね。そして彼は絶対に泣く（笑）。第90回大会では、弟の服部弾馬選手が７区区間賞を受賞したことに号泣していたし、第91回大会で区間３位に終わった弾馬選手と一緒に悔し涙を流したことも。
とにかく涙の印象が強いので、ゴールテープを切って男泣きをしてほしいです！

【オールドスター枠】

１区 徳本一善（法政大学）
２区 渡辺康幸（早稲田大学）
３区 ステファン・マヤカ（山梨学院大学）
４区 上野裕一郎（中央大学）
５区 奈良修（大東文化大学）
６区 酒井俊幸（東洋大学）
７区 藤原正和（中央大学）
８区 花田勝彦（早稲田大学）
９区 藤田敦史（駒澤大学）
10区 大八木弘明（駒澤大学）

※カッコ内はすべて箱根駅伝出場時の所属大学

第71回大会。２区でステファン・マヤカ選手の記録を抜いて区間新記録をマークした渡辺康幸選手
写真／共同通信社

進藤 ランニングシューズの進化によって、タイム的には最近の選手の記録に目がいくけど、30年ウォッチし続けているファンとしては、監督や解説者として活躍している世代も記憶に残る選手がいっぱいいます。

白滝 オールドスター枠としてスタートを切るとしたら、第76回大会で１区区間賞を獲得した徳本選手。茶髪にサングラス姿のちょっとヤンチャな風貌は新鮮だったし、当時すごく話題になったよね。箱根駅伝をメジャーにした立役者。

間庭 花の２区は、現在、解説者としておなじみの渡辺康幸選手！

進藤 第69回大会の2区で箱根駅伝デビューした彼の当時の人気はすさまじかった。ライバルとして注目を集めていたのが、山梨学院大学のステファン・マヤカ選手。第71回大会でマヤカ選手が記録した２区区間新記録を、直後に渡辺選手が塗り替えたシーンは衝撃だったな。現実ではありえないからこそ、ライバルふたりの襷リレーをぜひ。

白滝 そして今年、立教大学を55年ぶりに本大会出場に導いた監督としても話題の上野裕一郎選手を４区に。中央大学時代はごぼう抜きで注目されたよね。ちゃんと飛び出してくれる選手だと思う。

進藤 ５区は“山の大東”として知られた大東文化大学の奈良修選手。第66回大会から４年連続で５区を務めたスペシャリスト。すごく強そうなオーダーじゃない？

間庭 意外性のある選手として入れたいのは、東洋大学の酒井監督。東洋大学時代には１年生から箱根駅伝に出場して、４年生でキャプテンを務めた選手なんだよね。復路のスタートで起用したら華やかだと思う。

進藤 現在は母校・中央大学の監督を務める藤原正和選手は、どこでも走れるイメージだから７区。そして今年から母校・早稲田大学の監督に就任した花田勝彦選手を８区に。“早大三羽烏”のひとりとして知られたし、卒業後は２度オリンピックに出場したスター選手だからね。

白滝 そして９区と10区は、藤田敦史選手と大八木弘明選手の襷リレーでフィニッシュ！

間庭 師弟の襷リレー、最高じゃない（笑）。大八木監督はスタイルがいいし、ゴールテープを切ったときに絶対に写真映えするはず。そしてやっぱり男泣きをしてくれると思うしね。箱根駅伝ファンをグッとさせる名場面を作ってくれると思います。


文／松山梢

スナック芦ノ湖

進藤やす子さん（中央）、白滝桂子さん（右）、間庭典子さん（左）の３人が、箱根駅伝について熱く語り合うときのユニット名。
進藤さんはファン歴30年のベテラン。雑誌「MORE」で10年以上箱根駅伝の取材を担当している。白滝さんは高橋尚子さんの番組や東京マラソンの特番を担当したこともあるラジオの構成作家。ランニングのフリーペーパー「step」を発行していたことも。間庭さんは、旅やインテリアなどの記事を多く執筆するライター。ランニングにハマり、女子マラソンの国際資格を得て出走したこともある。
“スナック芦ノ湖”は架空だが、「ごぼうを使わない “ごぼう抜き”というきんぴらをメニューに入れたい」、「“函嶺洞門”という地ビールを作ろう」など、妄想を繰り広げている。