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「昔はサッカーがうまくてモテていたのに」ハンマーで顔面を殴打! 死因は頸椎損傷。“飯能殺害事件”逮捕された男(40)は一家離散、“ぼっち”のひきこもり〈家族を襲ったクリスマスの惨劇〉

集英社オンライン / 2022年12月26日 21時44分

埼玉県飯能市美杉台の住宅街で25日朝、60代の夫婦と30代の娘の3人が自宅で惨殺された。被害者がハンマーのような鈍器で襲われる様子を近所の住民が目撃して複数通報、埼玉県警は同日夜、現場直近に住む無職、斎藤淳容疑者(40)を殺人未遂容疑で逮捕した。

被害者宅では所有する乗用車が数年前から激しく傷つけられる事件が複数回発生しており、県警が斎藤容疑者を器物損壊容疑で逮捕したものの、起訴には至らなかったという。後味の悪すぎるクリスマスの惨劇。動機の解明が待たれる。

殺されたのは森田泉さん(68)と夫で米国籍のビショップ・ウィリアム・ロス・ジュニアさん(69)、二人の娘で東京都渋谷区の会社員、森田ソフィアナ恵さん(32)。26日午後になって確認が取れ、県警が発表した。ビショップさんの死因は頸椎損傷だという・


殺害されたビショップさん(本人Facebookより)

事件は発生を近隣住民が同時中継するような異様な経緯をたどった。
県警によると同日午前7時13分に最初の入電があってから110番通報が相次いだ。
内容は「大声を出して騒いでいる」「口論している」「2階が燃えている」「庭先で男性が殴られている」など多数。
同29分に現場に急行した飯能署員が敷地内の庭先で倒れている3人を発見、黒っぽい服装にショルダーバッグを下げた身長約180センチの男が現場から逃走したという目撃情報が寄せられた。

逮捕前の事件現場

現場は西武池袋線飯能駅から徒歩で約30分、車で約10分の距離にある閑静な住宅街「美杉台ニュータウン」(約2600世帯)。ハンマーを手にした猟奇的な凶悪犯が逃走したとあって、一帯は痺れるような緊張感に包まれていた。一方で県警は、防犯カメラ映像などからいち早く斎藤容疑者に着目、包囲網を狭めていた。

最初に器物損壊事件が起きたのは3、4年前だ。近くの住人男性が語る。

「警察が現場検証をしているところに偶然立ち合ったので、明確に覚えています。被害に遭った車は赤色の高級外車だったと記憶していて、ハンパない傷でした。ボンネットから両サイド、トランクなど車の全周囲にわたって深い傷がつけられていて、一目見て、愉快犯とかいたずらだとわかるものでした。ドライバーや硬い棒状のもので力を込めてやった感じ。
そこに強い悪意や恨みを感じて、立ち合っていた泉さんに『ひどいね、これは』と声をかけるととても不安そうな顔をしていたので心配していました」

また、昨年8月中旬にもほぼ同じ手口で森田さん方の車が傷つけられる事件があり、この際はニュータウンの自治会が「車両傷つけられ事件発生」として注意文書を作成、住民に回覧した。
以前の事件を教訓に設置された防犯カメラ映像に犯人らしき人物が映っていたという。前回同様、修理費用に約100万円を要したことも記載されていた。

昨年8月の「車両傷つけられ事件」を受けて作成された注意文書

「当時、警察から犯人とされる人物の動画を見せられたが、男というだけで年齢や身長も推察できなかったし、顔からも誰かは判別できなかった。その後は警察から何も言ってこなかったので、駅前の交番まで行って確認したが犯人はまだ捕まっていないと言うし、その後も捜査に進展があったとは聞いていません」(自治会役員の男性)

更に、今年1月に再び車が傷つけられる事件が起き、器物損壊容疑で斎藤容疑者は現行犯逮捕されたのが、結局不起訴処分となった。
そして11か月後のクリスマスに起きた惨劇で、同じ男は逮捕された。被害者3人の氏名の公表が、発生から丸一日半後と遅れたのは、鈍器でめった打ちされた顔が本人と判別できないほどぐちゃぐちゃだったからだという。
なぜ一家はここまでの仕打ちを受けなければならなかったのか。

中学生時代は長髪でサッカーがうまくアイドル的存在

かつては「飯能のビバリーヒルズ」ともほめそやされた、美杉台ニュータウン。自分が育った住宅団地を恐怖のドン底に突き落とした斎藤容疑者は、どういう人物なのだろう。
近くに住む60代の女性はこう語る。

「私の娘が1学年下なのでよく覚えていますよ。このニュータウンは平成元年(1989年)に一斉に建ち始めたので、その頃に引っ越しされてきているはずです。昔はご両親と、2歳年上のお姉さんと住んでました。
小中学生のころはサッカーが得意で、長髪で、学校でもモテる方だったみたいです。最後にお見かけしたのは半年前くらいですかね。頭髪や容姿に昔の面影は感じられなかった。そのときは、何年も前から放置されていた庭の手入れを、業者に頼んでいたみたいです。

ご両親は10年前に離婚し、お母さんが残りました。その後お母さんも出て行ってしまい、お姉さんも5年以上前にどこかに転居された。お姉さんも綺麗な方で、特に不満があるような家庭には見えませんでしたし、本人も小中学校時代は、明るく友人と登下校するなど活発な男の子って感じでした。娘にも連絡したんですけど、昔の印象があるからか、驚いてました」

逮捕された斎藤容疑者

当時の活発さが陰を潜めた斎藤容疑者は、この数年はほとんど周囲の人の目に触れることもなく、引きこもりがちだったようだ。60代の宅配業者の女性の印象もこんな具合だ。

「10年くらいこの地域で仕事をしていますが、一度も配達したことがありません。庭も荒れ放題で表札もないから空き家だと思ってたんです」

存在感もまったくなかった斎藤容疑者が起こした凶行は極めて衝撃的で、冷徹かつ陰惨さに満ちていた。

「朝の7時10分ごろに、複数の女性の『ギャー』という悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえてきて、怖くて外に出られませんでした。
森田さんのご主人は日本語はほとんどできないけど、あいさつはきちんとする穏やかな方でした。奥さんの泉さんは自治会の集まりや清掃奉仕にも参加されていて、娘さんも先週スーパーで見かけたのでそのころからこちらに来られていたんだと思います。とても仲の良いご家族でしたよ」(森田さん宅の近くに住む60代の女性)

娘のソフィアナ恵さんが社内インタビューで語っていたこと

クリスマスを家族と過ごすべく、帰省していた娘のソフィアナ恵さんは、渋谷区の広告代理店に勤めていた。自分の仕事に誇りを持っていたソフィアナ恵さんは、社内のインタビュー記事でも、自社で働くことの魅力についてこうこたえている

「(クリエイティブな環境で働くことの魅力は)クリエイティブな職場には限界がないところです。限界があるとしたら、自分が自分自身にかけている限界です。どんなことだって可能です」

森田ソフィアナ恵さん(本人Facebookより)

また、近隣住民からは、「足を悪くしていたビショップさんは家にこもりがちだった」「ビショップさんは最近、カウボーイに関する本を執筆しようとしていた」といった証言も聞こえてきた。

前出の60代女性は、斎藤容疑者一家についても詳しかった。女性が続ける。

「斎藤さんのお宅は住み始めのころは、両親と姉と本人、父方の祖母と5人で暮らしてました。その後ご両親が離婚して、父と祖母が田舎に転居したようです。お母さんの消息はわからないけど、しばらくはお姉さんと本人で暮らしていた。お姉さんが結婚して家を出てからは一人暮らしだったと思います。それからはたまにお父さんの姿を見かけたこともありましたけど、本人を含めて滅多にお目にかかることはありませんでした」

飯能警察署

県警の調べに対し「言いたくありません」と動機についての供述を拒否している斎藤容疑者。はたして仲の良かった親子3人との間に何があったのか。埼玉県警の威信をかけた捜査は始まったばかりだ。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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