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リハなし、マイクなしの準々決勝がクロコップには最大の鬼門だった?「『あっち向いてホイ』は絶対やらんとこと思ってました」

集英社オンライン / 2022年12月30日 17時1分

「キングオブコントの決勝チケットは、芸人として売れるための最後のチャンスだと思っていたんです」と語るクロコップの荒木。彼は、決勝を前に体重が5キロも落ちたという。この大会に勝負をかけて挑んだふたりの並々ならぬ決意とは。

勝つことを意識するなら、ツッコミはあったほうがいい

クロコップ。ケイダッシュステージ所属。2013年結成。ネタ作り担当の荒木好之(左)としょうた(右)はともに大阪府出身で中学の同級生

――クロコップは結成年の2013年からキングオブコントに出場し続け、2018年からは4年連続で準々決勝に進出しています。そして今年、初めて準決勝に勝ち進んで、そのまま一気に決勝まで駆け上がりました。ファイナリストになるパターンとして、準決勝で何度か足踏みをして……というケースが多いので、珍しいタイプですよね。



荒木 僕らの鬼門は、完全に準々決勝でしたね。いぬもそうだったんですよ。いぬは17年から5年連続で準々決勝で敗れているんです。僕らより1年長い。それで今年、彼らも一気に決勝まで行きました。

――昨年までと何が違ったのですか。

荒木 ネタをガラリと変えました。

――準々決勝のネタ披露は1本ですが、『あっち向いてホイ』だったのですか。

荒木 いえ。準決勝で2本目にかけたネタです。『あっち向いてホイ』は、去年の準々決勝で落ちていたので。今年の準々決勝をパスしたネタは、キングオブコント用に新たにつくったネタでした。

僕は正直なところ、決勝なんて雲の上の世界だと思っていたので、せめて準決までいって、そこで『あっち向いてホイ』をやりたいなと思っていたんです。なので、準々決勝はとにかく勝つことを意識して、珍しくツッコミのあるネタにしたんです。

僕らの普段のネタは、伏線回収とかも最初からまったく考えていないですし、明確なツッコミとボケという色分けもほとんどないんです。

――ツッコミは、あった方がいいものなのですか。

しょうた お客さんからすると、よりわかりやすくなるでしょうね。

荒木 あと、笑い待ちがしやすいんですよ。ウケたところで、意図的に間を作れる。『あっち向いてホイ』みたいなネタはウケていても、音楽に合わせていることもあって、どんどん次にいかなければならない。そうすると印象的に盛り上がってたなって雰囲気があっても、ウケてる感が残りにくいんです。

決勝前、食事ができず5キロ減

――昨年の準々決勝も、ツッコミがないネタだったのが敗因だったと。

荒木 それもあったと思います。けど、単純に、まだ完成度が低かった。あと、準々決勝はマイクがないんです。今年は500人キャパぐらいの会場でやったんですけど、その規模でマイクがないのはけっこうキツい。

――地声なんですか。

しょうた 地声です。それだと僕はだいぶきついですね。

賞レースにおける音楽ネタの難しさを語るしょうた

荒木 去年は音楽の音が大き過ぎて、僕らの声が聞こえにくかったと言われました。そこの調整は難しいんですよ。かといって音楽を小さくし過ぎると、今度は、僕らがセリフを言うタイミングを取りにくくなる。しかも準々決勝はリハーサルがない。なので本番は僕らの後輩を連れていって、その場の判断で、音を上げたり下げたりしてもらうようにしていたんです。

――リハーサルは準決勝、決勝もないものなのですか。

しょうた 準決勝以降はあります。それより前の段階だと、まだ参加人数が多いので、そこまできめ細かくやるのは大変なんだと思います。

――マイク1本あれば何とかなる漫才と違って、コントは音響だったり照明だったり小道具を利用するので、会場の設備等が整っているか否かはものすごく大きな問題ですよね。

荒木 僕らの先輩も準々決勝でマイクが使えるもんだと思ってカラオケのネタをやろうとしたら、マイクがなくて。慌てて近所で変な木の棒みたいなのを買ってきて、それをマイク代わりにしていましたね。昨年の準々決勝で落ちてからは、少なくとも『あっち向いてホイ』はリハなし、マイクなしの会場ではもう絶対やらんとこうと思ってました。

――クロコップのネタは明らかに他のコンビとは毛色が違っているので、準決勝を通過したときも納得感がありました。

荒木 僕はしんどかったです。

――しんどかった?

荒木 『おもしろ荘』(日本テレビ系『おもしろ荘夏の生放送SP』、2018年7月26日放送)で優勝したとき、これでやっと売れるかと思ったのに、直後は少し仕事が増えましたけど、結局何も変わらなかった。

なので、キングオブコントの決勝チケットは、芸人として売れるための最後のチャンスだと思っていたんです。その最後のチャンスがとうとう来ちゃったんだな、と。そう思ったら、一週間ぐらいほとんど食事が喉を通らなくなって、5キロも痩せました。

松本人志も「無駄がほぼなかった」と評価

――しょうたさんも、心配したのでは?

しょうた そこまで急激に痩せていたとは知りませんでしたけど、今までと違う緊張があるんだろうなという感じはしましたね。

荒木 決勝でネタをやることの緊張というよりは、大会が終わったあとのことですよね。また何も変わらなかったら……と考えたら、わーっとなっちゃって。ただ、一週間過ぎたあたりから、ずっとそんな風に悩んでるわけにもいかず、少しずつ元に戻って行きました。腹減ったなって、普通に食事もするようになったし。

――決勝は、1本目に『あっち向いてホイ』を持ってきましたが。

荒木 何よりもまずこのネタを見せたかったんです。ファイナルステージに進めなかったら、このネタを全国に向けて発信できないままに終わってしまう。それだけは嫌だったんで。

――審査員の松本人志さんが「無駄がほぼなかった」と評価していていましたが、磨きに磨き上げたネタだったんでしょうね。

荒木 最後、僕がヘリコプターで去っていくシーンがあるじゃないですか。あれももともとハシゴは使ってなかったんですよ。エアでやっていたんです。

――ハシゴだけという間抜けさと、そのハシゴのチープな感じがよかったですよね。

荒木
最後のオチがなかなかいい感じに決まらなくて。ヘリで去っていくという案は残して、オレが百均で材料を買ってきてハシゴを作ってみるわ、と。

しょうた あれが準決勝でもばっちりハマりましたね。ドカンとウケて終わる形になった。

荒木 決勝では、局側がハシゴも衣装も新たに準備してくれたんです。

――ハシゴの作りは、チープな感じが残っていてよかったですね。

しょうた 衣装は見た目はそんなに変わらないと思うんですけど、生地感が違いました。準決勝で着ていたのはアマゾンとかで見つけた超安物なので。

荒木 動きやすさが全然違いましたね。

――衣装はもらえたりするものなのですか。

しょうた 今、交渉中なんです。あれは何としてでも欲しい。

荒木 もらったハシゴは返すので、衣装、何とかならないですかね。


取材・文/中村計 撮影/村上庄吾

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