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「暴力をふるわれた母と姉は家を出て、淳はひとりになった」「弁護士からは昨年『家から出ていってほしい』と言われ…」“飯能殺人事件”容疑者の父が激白! “ぼっち息子”の半生

集英社オンライン / 2022年12月27日 20時1分

「これは本当に淳がやったのか……。こんなとんでもないことを……。ニュースを見て事件を知りましたが、初めは信じられませんでした。しかし、テレビで淳の顔が映っていました。今こうして淳の話をしていても動悸がとまりませんし、目まいもしてきます。被害者の方達には申し訳ない……、申し訳ないという言葉では足りないと思っています」

「ロボットものが好きな“ふつうの子”でした」

世間がクリスマスで賑わう12月25日朝、埼玉県飯能市美杉台の住宅街で森田泉さん(68)と夫で米国籍のビショップ・ウィリアム・ロス・ジュニアさん(69)、二人の娘で会社員の森田ソフィアナ恵さん(32)の親子3人が、ハンマーのような鈍器で殺害される凄惨な事件が起きた。


殺害されたビショップさん(本人Facebookより)

殺人未遂容疑で逮捕されたのは現場近くに住む無職・斎藤淳容疑者(40)。斎藤容疑者は逮捕場所となった自宅で、かつて父親、母親、姉とともに暮しており、ごく普通の幸せそうな家族だったという。18年間をともに過ごした父親は、現在は元妻や子どもたちと離れ、県外で暮らしている。

父親が30分にわたって「集英社オンライン」の取材に応じ、その胸中を語った。

「私が前妻と離婚したのは23年前です。離婚してからは淳には会っていません。離婚したのは淳が高校を卒業する年のことで、原因は何か子供たちに問題があるとかではなく、あくまで私と前妻との間の問題でした。離婚すると決まった際、私がそのことを告げると、淳は黙って聞いていました。私の知る限りではありますが、少し神経質なところはあるものの、優しい子でした」

幼少期は父親と公園や山で遊んだという斎藤容疑者。父方の祖母に連れられて湘南の海に行ったり、定期的に家族旅行に行ったりと活発な子供だったという。

「特別おとなしいということもなく、本当にごくごく普通の子どもでした。成績面も特別できないとかもありませんし、私も勉強しろとうるさく言ったことはありません。思い出すのはこういうおもちゃが欲しいとか、そんな他愛のない話ばかりです。トランスフォーマーのようなロボットものが好きでした」

当時、父親は単身赴任で家を空けている時期もあったというが、少なくとも斎藤容疑者と暮らしていた18年間の間には、息子が家庭内で何かトラブルを起こしたり、警察沙汰になったりすることはなかった。

斎藤淳容疑者(共同通信より)

「中学校は全寮制の私立に通っていました。前妻がいくつか見つけてきた学校の中から本人が選んだという感じでした。そこは中学から高校へそのまま上がれる学校でしたが、入学して2年目に公立の中学校に転校しました。転校の原因はイジメだと言ってる方もいるみたいですが、私が本人から聞いていたのは、『寮が嫌だ』というものでした。
色々と悩みはあったと思いますが、その後は比較的うまくいっていたようです。高校は地元の私立の高校に行きました。高校卒業後は本人が『映像に関する仕事がしたい』と言っていて、映像関係の学校に進みました」

1年前からは姉も連絡が取れなくなり、
会話ができない状況に…

斎藤容疑者は映画監督を志していた時期もあったとの報道もあるが、これには少なからず父親の影響があるようだ。

「私も映画が好きで、家には古い名作のDVDやビデオが置いてありました。高校生くらいの時から、淳がそれらを自分の部屋に持っていって見るようになりました。映画監督になりたいという話を聞いたことはありませんが、映画は好きでしたね。サスペンスやアクションやホラーなどは好まず、ヒューマンドラマを好んで見ていました」

徐々に歯車が狂い始めたのは、斎藤容疑者が映像関係の学校を卒業してからだという。
父親が続ける。

「実は離婚してから淳に何度も電話はしているのですが、一度も出たことはありません。姉の方とは定期的に連絡をとって様子を聞いているのですが、私の知る限り、淳が就職した様子はなく、アルバイトをしては辞めてを繰り返していたようです。いつかはわかりませんが、映画館で働いていたこともあったみたいです」

その後、斎藤容疑者の母親と姉が自宅にいられなくなる決定的な出来事が起こる。

「10年近く前に、姉と母親に対する暴力があったと聞いています。理由は聞いていませんし詳細もわかりません。ただ、暴力が原因で前妻と姉は家を出て、淳はひとりになったと聞いています。

それでも姉は定期的に淳と連絡をとり、自宅に様子を見に行っていました。これは推測ですが、様子を見に行った際、少しは会話もしていたと思います。ですが1年ほど前からは姉も淳と連絡が取れなくなり、以後、会話ができない状況にありました」

定職もなく自宅で過ごしていた斎藤容疑者が被害者のビショップさん一家と、どのようにして接点を持ったのかは父親もわからないという。

森田ソフィアナ恵さん(本人Facebookより)

弁護士から書面がきて「家を出ていってほしい」

「(被害者一家と)何があったのかは私もわかりません。ですが昨年、淳が車を傷つける事件を起こしたというのは、被害者の方の弁護士から書面でいただいていたので知ってはいました。淳がそういう事件を起こし、逮捕されたということが書かれていました。私の知る限り示談はしていないと思います。

その文書の中には『今、住んでいるあの家からとにかく出ていってほしい』と書かれていました。その時もとんでもないことになってしまったと思いましたが……まさか、さらにこんなとんでもないことを起こすとは……愕然としているというか、ショックというか、言葉が見つかりません」

昨年8月の「車両傷つけられ事件」を受けて作成された注意文書

警察の調べに対し、斎藤容疑者は「言いたくありません」と供述を拒んでいる。1日でも早く事件について語り、真相を明らかにするべきだろう。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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