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〈生放送でキス23回〉キングオブコント2022最大の“事件”をいぬが振り返る「キスが禁じ手とは…早く教えてほしかったです」

集英社オンライン / 2023年1月3日 17時1分

ここ数年で「大会のレベルが飛躍的に上がった」と言われるキングオブコント。2022年のファイナリストたちの貴重な証言から、その舞台裏を浮き彫りにしていくシリーズ連載。今回はキングオブコント2022で最大の“事件”を巻き起こした(⁉)いぬが登場。

前代未聞、コント中に23回のキス

いぬ。吉本東京所属。2009年結成。ネタ作り担当の有馬徹(左)と太田隆司(右)はともに宮崎県出身で、高校時代はラグビー部の同級生。

——4番手で登場したいぬは、1本目、『夢の中で』というネタで、大爆笑をさらいました。プレスルーム内もいちばんウケていたのではないでしょうか。といいますか、1組だけ、笑いの質が違いましたよね。いい意味で、あまりにもバカバカしくて。ネタの内容の説明をするのが難しいのですが、パーソナルトレーナーと中年女性が、妄想の世界で、あるいはリアルの世界で、トレーニングをしながら、キスをしまくるというネタでした。あれを観ていて、真っ先に思ったのですが、練習のときも本当にキスをするのですか?



有馬 しますね。

——思わず数えてしまったのですが、23回もしていました。

太田 えー。そんなにしてましたか。数えたことないんで。

——前半、太田さんが夢の世界で、有馬さんの上に覆いかぶさって「拍手腕立て伏せ」(腕立ての後に1回拍手を入れる)をします。その際、うまくいかずに思わずキスしてしまう場合と、そうでない場合の両方のパターンありましたが、あそこはアドリブも入っているのですか。

太田 アドリブは一切なしです。全部、決まっているんで。でも本番、有馬が緊張し過ぎて、有馬の方から迎えにきたところがあって。

——ありましたね。唇を尖らせて「チュ~」と。

太田 そうそう。あれはミスです。ちょっと動揺してしまいました。

——でも、あの体勢でキスするのって、力加減とかすごく難しそうですよね。

有馬 拍手腕立て伏せで、おばさんが上になるパターンもあるじゃないですか。あそこは、できちゃうより、失敗してドーンってぶつかってしまう方がおもしろいんです。準決勝のとき、笑いが欲しくて、思いっきり顔をぶつけにいったら、その瞬間、口の中に血の味がぶわ~っと広がって。

広い会場だったので、お客さんには気づかれませんでしたけど、実際、口の中は血の海でした。その後、焦りまくって、めちゃめちゃ噛みました。最後の「私も好き~」というセリフも、血が溜っているので「わひゃひもふぃ~」みたいになっちゃって。

カラオケルームでキスの練習

——テレビではなくてよかったですね。

有馬 その経験があったので、決勝まで、キスの強さとかは練習しまくりましたね。どこまで行けるか。カラオケボックスを何度も借りて。

——カラオケボックスって、カメラとかあるんじゃないですか。男同士でキスしまくってたら、あやしまれそうですが。

有馬 なので、ソファの隅っこの方で。店員に見られないように。

——準決勝と決勝は、ゲラゲラ笑って見ていただけなのですが、改めて見直すと、実はすごい計算されているんですよね。おそらく、ただキスするだけのネタだったら、あんなに笑えない。キスが下品に見えないのは、男と女が互いの気持ちの変化を感じ取りつつ、恥じらいながら、でも真っすぐな男女関係に発展していくという純愛物語になっているからなのでは、と思いました。

有馬 設定として、おばさんは、未亡人なんです。子どももいて、その子どもはもう社会人になっている。余生を楽しむつもりで通い始めたスポーツジムで、予期せず、燃えるような恋に落ちてしまった。

そんな自分に戸惑いつつも、思いを止めることができない。自分の中にはそのキャラクター設定が入っているので、ネタ中、気持ちが入り過ぎて何回か泣いちゃったことがあるんです。

——じつは、グッとくるネタでもあるんですよね。女性の健気さであったり、ひた向きさに。

太田 あのネタを劇場でやったとき、エゴサしたら、最後のキスのところで泣いちゃったというお客さんが何人かいたんですよ。このネタ、感動もさせられるんだと思って。

有馬 決勝でネタをやる直前も、笑わせるんじゃなくて、感動させるんだって自分に言い聞かせていました。お客さんを泣かせよう、って。

——恋愛は当事者たちが一生懸命であればあるほど、傍目から見ると滑稽に映るものなんでしょうね。だから、コントになる。暫定席にいた前の3組は、みんな抜かれると思っていたそうです。ところが……、でしたね。最初の3人は、山内健司さんが91点、秋山竜二さんが94点、小峠英二さんが90点。なんとも言えない感じでした。

有馬 そうでしたね。

——そして、4人目の飯塚悟志さんが89点。この日、唯一の80点台でもありました。

太田 うわっ、て。このあたりはジェットコースターでしたね。最後の松本(人志)さんの「95」で、またぐわっとなって。

スピードワゴン小沢さんが…

芸人界きっての筋肉芸人としても知られる太田

——おもしろかったのは、飯塚さんの点が出たときに松本さんがすごく驚いた顔をしていて、逆に、松本さんの点がでたときに飯塚さんもめちゃくちゃ驚いた表情を浮かべていたんです。お互いに、こんな低いの? こんな高いの? って思っていたんでしょうね。

有馬 でも、松本さんの点数に救われました。もうテンパってて、点数も計算できなかったんですけど、結局、3位のクロコップさんよりも1点下回って。トップ3に残れず、ああ、という感じでしたけれども。

——点数以上に衝撃だったのは飯塚さんのコメントでした。「いちばん笑ったかもしれませんけど、キスは禁じ手だと思う」と。禁じ手なんですか?

太田 知らなかったですね。早く教えて欲しかったな。やる前に。ファイナルに行くまで、誰も教えてくれなかったですし。

有馬 えっ? ってなりました。恥ずかしかったです。「禁じ手」って言われたとき。やっちゃいけないことやっちゃったのか、って。「いちばん笑った」って言ってくれたのに、そうくるかと……。

ネタ作り担当の有馬。高校時代、ラグビー部でスクラムを組んでいる最中に太田から「お笑いやろうぜ」と誘われたとも

——思わず、2019年に優勝したどぶろっくの「イチモツ」という歌詞はOKなのに、キスはダメなのかと思ってしまいました。いやらしく見えるとかならまだしも、あんなに笑えて、あんなに感動的なのに。

有馬 どちらかというとロマンチック路線なんですけどね。

太田 キングオブコントのあと、『スピードワゴンの月曜The NIGHT』っていう番組に出させていただいて。カメラが回ってないところですけど、小沢(一敬)さんに「お前らがおもろいと思うんだったら、来年もやればいいよ。もし炎上したとしても、キスは燃えるぐらいの方がいいじゃん」って慰めてもらいました。


——さすが。まさに小沢節ですね。それは用意していたセリフなんですかね。

有馬 でも、カメラが回ってないところですよ。

太田 咄嗟に出るんじゃないですか。あれはかっこよかったですね。


取材・文/中村計 撮影/村上庄吾

いぬインタビュー ♯2はこちら♯3はこちら

「キングオブコント2022ファイナリストインタビュー」
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