1997年はレオナルド・ディカプリオの年だ。『ロミオ+ジュリエット』(1996)で共演のクレア・デインズとのツーショットを含めて、最多4度も表紙を飾っているのだ。テレビの子役からスタートし、メジャー映画デビュー作ともいうべき『ギルバート・グレイプ』(1993)でいきなりアカデミー助演男優賞にノミネートされた彼は、サム・ライミ監督の西部劇『クイック&デッド』(1995)や非行少年を演じた『バスケットボール・ダイアリーズ』(1995)、実在の詩人に扮した『太陽と月に背いて』(1995)など多彩な作品に出演し、演技の幅を広げていった。
夏は『もののけ姫』、冬は『タイタニック』。映画の当たり年となった1997年を象徴するスターはレオナルド・ディカプリオをおいてほかにない!
集英社オンライン / 2023年1月11日 12時1分
子役から大スターにまでのぼりつめるのは、並大抵のことではないが、それを成し遂げたのがレオさまことディカプリオ。また、ナタリー・ポートマンも賢明な選択でこれを達成する。
レオさま特大ブレイク
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子役時代から注目していた「ロードショー」には、来日時の特写写真が豊富にあった
©ロードショー1997年4月号/集英社
そんななかで、『ロミオ+ジュリエット』が日本公開される。誰もが知る名作を現代に置き換えたバズ・ラーマン監督のアプローチは賛否を呼んだものの、レオナルド・ディカプリオのロミオ役は誰もが納得だった。この頃のディカプリオには神々しいほどの美しさがあり、当時生まれた「レオさま」という愛称がまさにぴったり。しかも、年末には後世に残るヒットとなる『タイタニック』(1997)の公開を控えている。1997年の「ロードショー」は彼の特集を連発、世界的スターになる直前のディカプリオをしっかり捉えていたのだ。
なお、彼はイタリアの血をひいており、レオナルドという名はかのダ・ヴィンチにちなんで名付けられている。これは米国では“リオナード”という発音になるため「ロードショー」では、当初、記事内などでは“リオさま”と表記していた。
ジュリエット役を演じたクレア・デインズも人気女優の仲間入りを果たしている。米MTVで放送されたティーンドラマ『アンジェラ 15歳の日々』(1994~95)のヒロイン役で注目された彼女は、『若草物語』(1994)で映画デビュー。『キルトに綴る愛』(1995)『ホーム・フォー・ザ・ホリデイ』(1995)を経て、『ロミオ+ジュリエット』のヒロインに抜擢されている。『若草物語』と『キルトに綴る愛』ではウィノナ・ライダーと共演、『ホーム・フォー・ザ・ホリデイ』ではジョディ・フォスター(監督)と仕事をしているため、早くから注目していた「ロードショー」読者もいたはずだ。
華麗なるナタリー・ポートマンの道のり
『ロミオ+ジュリエット』のジュリエット役は、実は当初は別の女優だった。その正体は、1997年に初めて「ロードショー」の表紙を飾ったナタリー・ポートマンである。いったんはジュリエット役に決まったものの、若すぎるという理由から2歳年上のデインズに差し替えられた経緯がある。
ナタリー・ポートマンといえば、リュック・ベッソン監督の『レオン』(1994)のマチルダ役のオーディションを勝ち抜き、鮮烈なデビューを飾っている。だが、その後はマイケル・マン監督の『ヒート』(1995)をはじめ、青春群像劇『ビューティフル・ガールズ』(1996)、ウディ・アレン監督の『世界中がアイ・ラヴ・ユー』(1996)、ティム・バートン監督の『マーズ・アタック!』(1996)など、学業との両立のためか出番が短い作品が続く。
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まだあどけなさの残る面立ちのナタリー
©ロードショー1997年1月号/集英社
エイドリアン・ライン監督からオファーされた『ロリータ』(1997)を断る一方で、97年12月から98年5月までブロードウェイで公演された舞台劇『アンネの日記』に出演。『レオン』や『ビューティフル・ガールズ』で定着しかかってたロリータ的なイメージの払拭に務めていたことがうかがえる。1999年からは、ジョージ・ルーカス監督がメガホンをとる『スター・ウォーズ』新3部作に出演。名門ハーバード大学に進学したこともあって、『スター・ウォーズ』シリーズで演じたパドメ・アミダラ女王と同様、優等生というイメージを確立することになる。
その後、闇落ちするバレリーナを演じた『ブラック・スワン』(2010)でアカデミー主演女優賞を獲得。41歳の今でも美貌はますます冴え、貫禄のついたレオさま(こちらは48歳!)ともども、ハリウッドに君臨している。
◆表紙リスト◆
1月号/ナタリー・ポートマン※初登場 2月号/サンドラ・ブロック 3月号/ウィノナ・ライダー 4月号/レオナルド・ディカプリオ 5月号/レオナルド・ディカプリオ&クレア・デインズ※後者のみ初登場 6月号/レオナルド・ディカプリオ 7月号/ブラッド・ピット 8月号/クレア・デインズ 9月号/サンドラ・ブロック&ジェイソン・パトリック※後者のみ初登場 10月号/ナタリー・ポートマン 11月号/レオナルド・ディカプリオ 12月号/ジョディ・フォスター
表紙クレジット ©ロードショー1997年/集英社
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