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【2023年こそ習得!】「我流タイピング」は今からでも矯正すべき。生産性爆上げ&疲労軽減できるタッチタイピングの覚え方

集英社オンライン / 2023年1月16日 8時1分

仕事でもプライベートでも、キーボードでの文字入力は欠かせない。しかし、自己流のタイピングが癖になってしまうと、入力ミスが増えたり、作業効率が上がらなかったりすることも…。全国タイピスト連合代表の隅野貴裕さんに、タッチタイピングのコツと練習法を聞いた。

「正しいタイピング」、できていますか?

一般的なパソコンのキーボードは、OSの種類や使用言語によってキー配列の違いがあるものの、およそ100以上のキーを搭載している。一方で指は10本しかないため、一つの指で複数のキーを担当する必要がある。
できるだけ素早い文字入力を行いたい一方で、これまでしっかりとしたトレーニングをせずに、“我流タイピング”が身についてしまっている人も多いのではないだろうか。



文字入力の効率性を上げるには、まずはやはり「タッチタイピング」を身につけたい。タッチタイピングとは、キーボードの刻印を見ることなく、指先の感覚を用いて正確に文字入力をするためのテクニックだ。
どの指がどのキーを担当するかを決めることで、習得を早め、正確に入力することができるようになる。

そもそも、タッチタイピングにはどのようなメリットがあるのだろうか。全日本タイピスト連合の代表である隅野貴裕さんは、次のように話す。

「最近はスマートフォンの普及で、パソコンのキーボード入力に不慣れな人も増えています。でも、効率的にメールや資料などを作成するのにタイピングは欠かせません。手元のキーボードを見ないでスムーズに入力できるようになると、思考を中断せずにすみ、生産性が大幅にアップします」

全日本タイピスト連合の隅野貴裕(すみの・たかひろ)さん。学生時代にタッチタイピングに興味を持ち、毎日新聞社主催のタイピング全国大会6年連続優勝をはじめ、内閣総理大臣賞、総務大臣賞、東京都知事賞など多くの賞を受賞している

ポイントは「速度」「正確性」「リカバリー」

タッチタイピングには、ある程度のスピードと正確さが求められる。隅野氏が企業研修などで受講者に示す指標としては、 一般的なオフィスワークで困らない水準は「平均200打鍵/分」。よりスムーズな入力には「平均300打鍵/分」程度のスピードが望ましいそうだ(文字ではなく打鍵であることに注意。文字に換算すれば半分以下になる)。

そして、入力のスピード以上に大切なのは「入力ミスをなるべくしないこと」。高い生産性を求めるのであれば、正確性95%以上でミスなくタイピングできるのが理想的だが、実務的には90%以上をクリアすることを目指すのが望ましい。

「タイピングの速度が上がってくると、入力ミスが大きな時間のロスになります。1文字のミスを修正するのには、『ミスに気付く→カーソルの移動→消去→再入力』でだいたい10文字入力する分の時間が必要です。
タッチタイピングには『スピード』と『正確性』、そしてミスを素早く修正する『リカバリー』という3つの力をバランスよく身につけることが重要なのです」

さらに、手首の角度や目線など正しいフォームで作業することによって、長時間の入力でも疲労が溜まりにくくなり、集中力も保ちやすくなる。

特に打鍵数が多くなると腱鞘炎などの痛みが生じる人もいるが、これは手首が反っていたり、逆にノートPCのようにフラットすぎて指が伸びた状態でタイピングしている場合が多いという。

「キーボード本体は軽い傾斜が付いていると、自然なフォームを保ちやすくなります。たとえば、適度な厚さと柔らかさを持ったリストレストで手首の角度が反らないように調整するといいでしょう。また、キーボードを搭載したノートPCの場合は、薄型のスタンドなどで画面の高さを上げ、外付けのキーボードを利用するのがベターです」

たとえば椅子が後傾姿勢なら、それに合わせてキーボードも少し手前に傾けることで、正しいフォームを維持しやすくなる

手首の反りを防ぐには、リストレストを活用するとよい。写真はエレコムが販売するリストレスト「MOH-012BK」(https://www.elecom.co.jp/products/MOH-012BK.html

指は「卵を包み込む」ように

タッチタイピングを習得するには、やはり「ホームポジション」の活用が最も効率的だ。なぜなら、たくさんのキーを10本の指で分担するための基本的な方法であり、指とキーボードの構造からも理に適っているからだ。

ホームポジションの基本は、[F]キーにある小さな突起に左手の人差し指を置き、[J]キーに右手の人差し指を置いたら、そのまま隣のキーに中指以降を置いていく。そして、指を置いた場所からそれぞれの指が担当するキーに移動して入力し、打鍵後は元のホームポジションに指を戻す動きが標準的な方法だ。

そして、稼働域の広い左右の人差し指は2列分を受け持ち、入力する頻度が低めの記号キーなどは右手の小指が受け持つのが一般的だ。遠くのキーを押してポジションが崩れる場合も、どれか1つの指をアンカーとして残すことで元のポジションへの復帰が容易になる。

左右の人差し指を置く[F]キー[J]キーを定位置とした、標準的なホームポジションのレイアウト

また、ホームポジションを意識するあまり指を不自然に平らに置いている人もいるが、指は卵を包み込むようなフォームが望ましい。その際、腕は少し八の字型に開き、肘も90度以上開くと遠くのキーも打ちやすくなる。
まずは、こうしたタッチタイピングの基本フォームや運指の習得が重要だが、隅野さん曰く「慣れてきたら必ずしも指の分担や運指にこだわりすぎなくてもよい」そうだ。

タイピング時の正しいフォーム(写真下)。腕を直線に伸ばさず、「ハの字」にセットするとよい

指は平らにせず、卵を包み込むように置こう

おすすめは「さくさくタイピング」と「myTyping」

タッチタイピングのトレーニングを行う場合、タイピング練習専用のソフトやWebサイトを使うのが一番手っ取り早い。しかし、その際にはいくつかの要件を備えているかが重要だという。

「まず、最低でもレベルに応じて適切な課題と目標設定を提示してくれるソフトやサイトを選びましょう。あと、『今日はこの課題を5回やりましょう』といったように練習時間を管理・記録できたり、スコアの変化を確認できたりするものがおすすめです」

さらに、入力速度に特化した練習をするためには、日本語特有の「かな漢字変換」の操作を必要としないもの、ミスタイプ時に[BackSpace]キーによる修正を必要としないものが望ましいという。これらの条件を満たすものとしては、「さくさくタイピング」や「myTyping」といったWebサイトが手軽で、パソコンのOSに依存しないというメリットがある。

「『さくさくタイピング』は、速度に特化したトレーニングに最適です。漢字変換やミスの修正が不要で、60秒1本勝負で何度もリトライできます。画面上にキーボードが表示されているのもいいですね。また、出される課題がローマ字入力で打ちやすい文字列となっていることもポイントです。課題の内容にも配慮した練習ソフトというのは、意外と少ないんですよ」

タイピングの速度を挙げるのに最適な「さくさくタイピング」。WEBブラウザで気軽にトレーニングできる(http://typing.tsurizamurai.com/daken_008/type.cgi

一方の「myTyping」は、初心者だけでなく、自己流のクセがついてしまっている中級者や、タッチタイピングの基礎が身に付いている人にもおすすめだ。「ビジネスメールタイピング練習」のように、実践的な課題が多く用意されている。いずれも、自分のレベルに合ったコースで、正確性が95%以上を維持できるよう目指して練習していきたい。

実践的なメニューが豊富な無料タイピング練習サイト「myTyping」(https://typing.twi1.me

日本語のタッチタイピングには入力を効率化するテクニックがいくつかあるが、まずはスピードや正確性など要素ごとの練習を繰り返し、タイピング練習ソフトで自分が起こしやすいミスタイプの傾向を見つけたら改善をしていくことが大切だ。

「タッチタイピングは正しいフォームと適切な課題を繰り返し練習することで、キーボードを見なくても指がキーの位置を覚えてくれるようになります。1日少しずつの時間でもいいので、継続して練習することで確実に成長しますので、ぜひチャレンジしてみてください」

体系的にタッチタイピングを学習するのであれば、隅野さんの著作『美タイピング完全マスター練習帳』(インプレス刊)などもおすすめだ(http://amazon.jp/dp/4295013447

取材・文/栗原亮(Arkhē)

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