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「重視されるのはルックスよりも…」「カップル成立は75%?」最先端のVRマッチングアプリ『Memoria』。メタバース空間だからこその内面重視の出会いに期待はできるのか

集英社オンライン / 2023年1月20日 18時1分

メタバースで恋人を見つける時代が到来している。実際に何十組ものカップルが成立しているという、最新の恋愛特化VRマッチングアプリ『Memoria』の実態に迫った。(トップ画像/写真:アフロ)

自身もVRで彼女を見つけた

左から、代表取締役の佐藤航智さんと取締役の設楽広太さん

昨年11月にβ版がリリースされた、『Memoria』(メモリア)という恋愛に特化したVRマッチングアプリがある。参加者はメタバース(仮想空間)内でアバターを使って会話をし、理想的な相手を見つける、というサービスだ。実際に数多くの“VRカップル”が誕生しているという。今回、運営会社の代表取締役・佐藤航智さんに話を伺った。

――『Memoria』はどんなサービス?



『Memoria』は「メタバース空間の中で恋人を探す」アプリです。昨年11月にβ版をリリースして、今年の3月1日に正式版をリリースします。

β版ではVRヘッドセットが必要なんですが、正式リリース版からはデスクトップPCだけでも利用できるようになります。

――どのようなきっかけでサービスを立ち上げたのでしょうか?

そもそものきっかけは、僕自身が『VRChat』という世界で1番有名な“ソーシャルVR(※)”を利用する中で彼女が出来たからなんです。

『VRChat』にはマッチング機能はないんですが、現実世界と同じように様々なイベントがあり、色々な人に出会うことができます。僕の知人が『VRChat』内で開催したイベントで今の彼女に出会い、最初はメタバース内で仲良くなり、リアルで会って恋人になりました。

※ 3DCGで構成された空間(VR空間)上で、アバターを介してコミュニケーションを取るソーシャル・ネットワーキングサービス・メタバースを表す総称

――そういう出会い方もあるのですね。メタバースで恋人ができることは、珍しいケースなのですか?

実は「メタバースでの出会いが恋愛に発展する」というケースは多くて。VR界隈の有名なYouTuber「バーチャル美少女ねむ/Nem」さんが、著書の中で「ソーシャルVR利用者の40%の人が恋に落ちた経験があり、31%の人が実際に恋人を作った経験がある」というデータを載せているんですね。

そういう現状や自分の実体験から、「VRでの恋愛、めっちゃ素敵じゃん」と感じて。昨年の5月に、『VRCお見合い会』というイベントを試しに開催してみたんです。すると、僕たちの予想よりも参加応募者が多くて。
何度か継続して開催していくと、ユーザーさんの満足度も高く、実際にカップルが生まれたケースがいくつもあったり、そのままご婚約されたカップルもいます。

「VR×恋愛」の需要の高さを改めて発見できたので、その検証を元に、『VRChat』ではない自前のアプリ開発をしようと考え、『Memoria』を立ち上げました。

6割のユーザーが「もっと話したい」

VRヘッドセットの「Meta Quest 2」を装着した様子

――利用方法を教えてもらえますか?

登録後に、プロフィールと、お相手に求める条件を書いてもらいます。たとえば「関東圏、23~25歳」という感じで。それらを元に、アルゴリズムを用いてマッチングして、日時を指定して、『Memoria』内で会ってもらいます。

その後にアンケートを設けていて、お互いが「もっと話したい」という項目にチェックを入れると、そこから先はユーザーさん次第です。

――参加者にはどういう層の方が多いのでしょうか?

年齢層は20代後半から30代前半の方が多く、属性としては、既存のマッチングアプリや合コンが苦手、という人が多いですね。

有名なマッチングアプリや合コンは、なんというか、“ギラギラ”しているじゃないですか。言い換えれば「自分のルックスに自信がある人やモテる人たち同士が、外見を元にマッチングする」というプラットフォームだと思うんです。

でも、世の中の人たち全員がルックスに自信があるわけではない。自分から「いいね」を送って、「ご飯に行きませんか?」と積極的に誘える人は、決して多くないですよね。

――確かに、日常生活ではモテなくてもマッチングアプリではモテモテ、とはならなそうですよね。

『Memoria』だと、職業・年収・顔・スタイルという要素がわからない状態で、会話が始まります。つまり、お相手の声や話し方しかわかりません。

だからこそ、イケメン・高収入といったような客観的な指標ではなく、あくまでも自分に合う・合わない、という指標で判断するしかない。

声を聞いて、お相手の内面を感じ取って、「趣味が合う。話していて楽しい」という入り口から恋に落ちることができるので、本質的な恋愛に発展しやすいんです。

・YouTube「Memoria説明動画」

――とはいえ、そこから現実で会ってみるまでは、ハードルが高くありませんか?

リアルで会ってみると自分の想像と少し違う外見だった、という可能性もあるとは思います。ただ、カップルになったユーザーさんの体験談を聞いてみたら、リアルで会う前にVRで5~6回会っているケースが多くて。
それだけの回数を重ねられるということは、その時点で「いいな」とお互いに感じているはずですよね。

内面に対する好意があれば、たとえ外見のギャップがあったとしても、それを乗り越えられるし、お付き合いに発展しやすいのかな、と思います。実際に僕たちのサービスでは、マッチングしてリアルで会ってみた男女の75%がお付き合いに発展しています。

「目の前にいる。そばにいる」という感覚

『Memoria』の参考画像。プロフィールやサイコロなどが会話のきっかけとして用いられる

――メタバース空間でのコミュニケーションと、電話やテレビ電話などの違いはどんな部部分でしょうか?

メタバース空間では、アバターの距離が近くなると声も近くなるし、だからこそドキドキもする。「本当にそこにいる」感覚があるんですね。

コロナ禍で「ZOOM飲み会」が流行りましたけど、あれって、お酒を飲みながら画面上で繋がっているけど、そばにいる気はしないし、どこか気を使う。「実際の飲み会とは違うな」と、多くの人が感じたと思うんです。

『VRChat』の中には、飲み屋横丁のような場所があって。VRヘッドセットを着けて実際にお酒を飲みながら、夜な夜な人が集まって、ワイワイ楽しむ文化があります。現実世界で言えば、居酒屋で隣の席の人たちと仲良くなって喋るような感じです。

そのVR飲み会とZOOM飲み会の違いは、「目の前にいる。そばにいる」という感覚の違いだと思うんですよね。

――没入感や臨場感が特徴なのですね。それ以外の違いはありますか?

あとは、マッチングアプリで知り合った二人が電話で仲良くなろうとする場合、「今日こんなことがあったよ」とか、「僕はこういう経験をしてきた、こういう人間だよ」という過去の振り返りがメインになりますよね。

メタバース空間では、一緒にジェットコースターに乗ったり、車でドライブして水族館に行ったり、という体験が可能なんです。『Memoria』の名前の由来にもなっているんですけど、メタバース空間では“一緒に思い出を作れる”から、その思い出を二人で共有できます。

“デートまでの繋ぎとして”ではなくて、VRのコンテンツ自体がデートになる。そこもソーシャルVRの価値だと感じています。

リアルよりも話しやすい

――今後『Memoria』をどう成長させて行きたいですか?

現時点では恋人を探す為のVRマッチングアプリなんですけど、最終的には『Memoria』内で「デートができる」のが目標です。そう遠くない未来に、「VRデート」もデートの選択肢の一つとして存在するような世界になっていく、と僕は思っていて。
たとえば渋谷に飲みに行く、もしくは家でNetflixを観る、というデートプランと並列して『Memoria』が想起されたらいいな、と。

――では最後に、『Memoria』に興味を持った読者の方向けにメッセージをいただけますか?

VR×恋愛って、ハードルが高そうに感じられると思うんですけど、実際に体験してみると、リアルよりもかなり話しやすいと感じられるはずです。気軽に理想的な相手と出会える、めちゃくちゃいいツールだと思っていますので、ぜひ登録して、利用してもらえたらと思います。

取材・文/佐藤麻水 撮影/浅井裕也

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