1月15日に京都で開催された全国都道府県対抗女子駅伝で、大きな注目を浴びたのは一人の中学生ランナーだった。
岡山の中学3年、ドルーリー朱瑛里(しぇり)。
3区を任されたドルーリーは、38位でタスキを受けると、わずか3kmの間に17人のごぼう抜き。
陸上界新星はドルーリー朱瑛里だけじゃない! 男子にも“スーパー中学生”あり。全国男子駅伝は新記録連発の増子陽太に大注目
集英社オンライン / 2023年1月21日 12時1分
全国都道府県対抗男子駅伝が1月22日(日)に広島で開催される。女子では岡山の中学3年生、ドルーリー朱瑛里(しぇり)が区間新記録を出し大注目されたが、男子にも日本中学記録を連発する“スーパー中学生”がいる。
ニューヒロインとニューヒーロー
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全国都道府県対抗女子駅伝で区間新記録をマークしたドルーリー朱瑛里
さらに、従来の区間記録を8秒も更新し、9分2秒の区間新記録を打ち立てた。この新たなヒロイン誕生を多くのメディアが取り上げ、話題を集めた。
そして、1月22日に広島で開かれる男子の全国都道府県対抗駅伝でも、ドルーリーに続き、“スーパー中学生”が大きな注目を集めそうだ。
昨年、急成長をとげたのが、福島の増子陽太(鏡石中3年)という選手。
福島といえば、東京五輪男子10000m日本代表の相澤晃(旭化成)や、昨夏のオレゴン世界選手権男子5000m代表の遠藤日向(住友電工)といった現役トップアスリートを多数輩出しているが、また一人、楽しみな選手が出てきた。
増子は中学2年の時には、県大会で5位入賞という実績があるものの、まだまだ全国区で名前を知られた存在ではなかった。
2年の夏の時点で3000mの自己ベストは9分01秒50。つまり、トラックとロードとでは単純に比較はできないものの、先日のドルーリーのタイムとそれほど変わらない(ドルーリーのタイムが速すぎるだけで、2年時の増子のタイムも十分に好記録といえるが)。
中学記録連続更新の衝撃
ところが、2021年11月に強風の吹き荒れる悪条件下のレースで8分44秒77と、8分台に突入すると、一冬を越え、昨春に一気にその才能が開花した。
遠藤が持っていた福島の3000mの中学記録(8分31秒26)を上回るパフォーマンスを春先から連発する。
そして、昨年8月10日の東北中学校陸上大会では、ついに8分15秒04の日本中学記録を打ち立てた。
その9日後に、増子の地元・福島で開催された全日本中学校陸上競技選手権(以下、全日中)は、5位までが大会新記録というハイレベルなレースになったが、地元開催のプレッシャーも跳ね除けて、見事、日本一に輝いている。
衝撃はさらに続く。
10月、3年ぶりに開催された国体には少年男子B3000m(少年Bは中学3年、高校1年世代のカテゴリー)に出場。
高校生の鈴木琉胤(千葉・八千代松陰高)と濵口大和(長野・佐久長聖高)には離されたものの、増子は第2集団を引っ張り、自身の中学記録をさらに更新。8分11秒12まで記録を伸ばした。
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とちぎ国体で中学新記録を出した増子陽太(手前)
増子が塗り替える前までの中学記録は、石田洸介(現・東洋大)が2017年にマークした8分17秒84。増子はその記録を一気に6秒以上塗り替えたというわけだ。
ちなみに、国体では鈴木と濵口が高校1年歴代1位、2位の好記録をマークしたが、増子の記録も高校1年の記録でも歴代3位に相当する。もはや中学生の枠に収まらない選手と言っていい。
歴代1〜3位がいる逸材ぞろいの世代
ただし、注目の男子中学生は、増子だけに限らない。全日中の3000mが5位までが大会新記録だったことからもわかるように、増子のライバルにも好選手がずらりとそろう。
まずは山形の菅野元太(山形十中3年)。増子が最初に中学記録を更新した東北大会で、最後まで競り合ったのが菅野で、彼もまた従来の中学記録を上回る8分15秒21をマークした。12月の全国中学駅伝では、3区で区間新記録を樹立し、最優秀選手賞にも輝いている。
全日中で増子に次いで2位だった兵庫の新妻遼己(平岡中)は、国体でも増子に敗れ4位だったが、8分16秒78の好記録をマークしている。この記録もまた、前年までであれば中学記録だ。
つまりは、3000mの日本歴代1位、2位、3位が、この学年にそろっているということだ。
新妻の双子の弟・昂己も底力がある。全国中学校駅伝では、1区・遼己、6区・昂己と、そろって区間賞を獲得している。
これほどの逸材がそろう中で勝ち続けるのは、増子といえども、決して簡単なことではない。
それでも、増子は“速さ”だけでなく“強さ”をも備えた選手で、積極果敢なレース運びが大きな魅力だ。
1月22日12時30分に号砲が鳴る。
その前に“増子陽太”の名前を覚えておいてほしい。
取材・文/和田悟志
写真/共同通信
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