3歳の七夕の短冊に書いた夢は「カタツムリになりたい」。
アナウンサーという職業とは全くイメージが違う、カタツムリをチョイス。周りのお友達は「パティシエになりたい」「仮面ライダーになりたい」など、3歳児らしいかわいい夢なのに、一人だけカタツムリ。両親は私の性格と人生を大層心配したのだとか。
私は記憶がないので聞いた話によると、幼稚園の先生に何度も「本当にそれでいいの?」と聞かれたけれど、頑なにカタツムリを貫いたそう。
今ならそれをチョイスした自分をなんとなく理解できる気がします。なぜなら、どちらかといえば殻にこもっていたい、自分のペースでのんびり過ごしたいという人間であることを最近自覚し始めたから。幼少期から習い事の人間関係があまり好きではなかったし、ひとりで工作している時間が何よりも楽しかった。結局今でも続けている趣味といえば、ボトルシップや模型作りなど、家で一人でできるものばかり。
「エアコンの暖房機能を知らなかった」「ボトルシップ作りなど家で一人で遊べるものが好き」フジテレビ渡邊渚アナウンサーの意外すぎる素顔とは
集英社オンライン / 2023年1月29日 10時1分
新番組、『ぽかぽか』の木曜日進行を務めるフジテレビアナウンサー、渡邊渚さん。華やかな見た目とは裏腹な、実は根暗(?)な内面とは。
これは私が”脱カタツムリ”する連載です
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とはいえ、今はアナウンサーとして仕事をしているくらいですから、外ではそんな殻はなく、全速力で動いて、元気いっぱい働いています。
ただ、やはり根がカタツムリ。基本的に感情はあまり表に出さないし、自分の話もしない、人に何かを相談することもほぼありません。
「そもそも自分に興味を持ってくれる人なんていない」「相談を打ち明けられた側が困るのでは」といった具合に、うちにこもって、あーでもない、こーでもないと考えてしまう。そんな自分に嫌気がさしていた時に、ちょうどこの連載のお話をいただきました。
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人生まだ四半世紀しか生きていないペーペーの私の話に需要があるのか?と迷いましたが、せっかくの機会。番組でアナウンサーが自分のことを語る場は、実は少ないものですから、これは私にとって殻を破る絶好のチャンスが来ているような気がして。ならば誰の言葉も借りずに、自分の言葉で表現をしてみようと決意しました。
これは私が”脱カタツムリ”する連載です。
一人遊びやボトルシップの話など、マニアックなものが多くなりそうですが、どうぞお付き合いくださいますと幸いです。
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大好きなぽっぽ焼き
私は新潟県で生まれ、小学2年生まで阿賀野市で過ごしました。
家の周りは田んぼに囲まれ、庭に雉が来たり、クマが出たり、とにかく自然豊かなところでした。学校帰りは友達と田んぼの畦道を歌って歩き、近くの小川でザリガニ釣りをする。冬には辺り一面雪が降り積もり、銀世界になる。まさに絵に描いたような田舎生活を送っていました(あ、カタツムリもいっぱいいましたよ)。
元気いっぱい外を駆け回って遊んで、何にもないけれど、すごく満たされた生活だったように感じます。唯一困っていたことといえば、鼻水が止まらず目が痒くて仕方なかったこと。新潟を出てから知ったのですが、私はイネ科のアレルギーでした。どおりで苦しかったわけだ。
両親がアルビレックス新潟のファンだったので、よくビッグスワンにサッカーの試合を観に行きました。ビッグスワンの周りにある公園で遊んだ後、よく食べていたのが新潟グルメの“ぽっぽ焼き”です。
ぽっぽ焼きとは、長細い形をした黒糖蒸しパンのようなもので、しっとりもちもちした食感がたまらないB級グルメです。新潟県の下越で、よく屋台などで見かけます。小さい頃の写真を見返すと、ぽっぽ焼きを食べている姿がたくさんあって、私にとって思い出の食べ物です。今でも下越へ行くことがあれば屋台を探して必ず食べます。通販もあるのですが、やっぱり蒸されてすぐの出来立てがたまらなくおいしい!
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母とぽっぽ焼きを頬張る私
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考えているだけでお腹がすいてきました。実はかなりの大食漢で、今この原稿を書いている机の上には、先輩からいただいた大好物のビスケット菓子が・・・。
今度、食べ物についても書くことにしましょう(笑)。
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知らなかったエアコンの暖房機能
我が家は、両親が共に新潟出身なので、寒さに異常に強い家族です。両親に言わせれば「関東の冬は冬じゃない」そうで、関東に住み始めて15年くらいになりますが、一度も暖房をつけたことがありません。厚着すれば乗り越えられるレベル。今季はマフラーすら使っていません。そもそもエアコンに暖房機能があるということも、社会人になって初めて知ったくらい。
実は担当している『めざましテレビ』のオープニングトークで先輩方が「今日は寒くてエアコンつけちゃいました」なんて言っているのを聞いて、「え?! なんでエアコン?!」とスタジオで一人、頭の中がはてなマークでいっぱいになってしまいました。その日、家に帰ってエアコンのリモコンを見て、暖房の文字を発見した時はもう驚いたのなんのって!
これを読んでいるほぼ全員が当たり前だろ!と思っているのでしょうが、私には大発見。なぜこれまでリモコンを使っていたのに“暖房”の二文字に気が付かなかったのか、不思議でなりませんが…とんだ恥ずかしい勘違いではありますが、両親のスパルタ寒さ教育のおかげで、今も冬の外ロケはへっちゃらです!
7歳ごろまでしか住んでいなかったとはいえ、たくさんの穏やかな思い出が詰まっている新潟。そんな日々の中に、考え方や生き方を変えた今でも忘れられない出来事がありました。
私の死生観にもつながっている大事なその日について、次回は綴っていきたいと思います。
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文/渡邊渚 写真/峠雄三 スタイリング/真壁いずみ ヘア&メイク/久保フユミ
【キッチンのシーン】
中に着たカットソー/ヘインズブランズ ジャパン カスタマーセンター(チャンピオン) その他/スタイリスト私物
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