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【WBCメンバー正式決定】過去最強メンバーも実は難産だった⁉ 栗山監督が最後まで招集にこだわった選手の名前

集英社オンライン / 2023年1月26日 15時21分

1月26日、WBC日本代表の正式メンバー30名が発表された。大谷翔平、ダルビッシュ有といった栗山監督の人脈をフルに活かし、「過去最強」ともいわれるメンバーがそろったが、とりわけ野手の選考については栗山監督も頭を悩ませたようだ。

「理想通り」の投手陣に対し野手陣は…

1月26日、ついにWBC日本代表の正式メンバー30名が発表された。

「顔ぶれだけ見れば、よくぞこれだけの戦力を揃えたなって感じますが、ここまでの過程を思うと、栗山英樹監督の苦労が感じられる布陣になりましたね」

そう語るのはスポーツ紙デスクだ。

大谷翔平にダルビッシュ有といったメジャートップクラスの面々に、国内組からも山本由伸や佐々木朗希、打者では村上宗隆など個性豊かな実力者が召集された。


ただ、と前出のデスクが言う。

「栗山監督からしたら投手陣はほぼ当初からの理想通りでしょう。しかし野手についてはかなりの紆余曲折があったんです」

就任当初から、栗山監督は打線の軸は村上宗隆と鈴木誠也と考えていた。村上はいうまでもなく国内最高の打者。鈴木は所属するカブスが了承してくれるかが課題だったが、メジャーを経験し、苦労もしてひとまわり大きくなった。

このふたりに加え、国際大会という一発勝負の舞台でも力を発揮している山田哲人、チームをまとめていける坂本勇人を加えた4名が、栗山構想の基本にあったという。

ところが山田と坂本は昨季、調子を落とした。山田は打率2割台半ばを行き来する不振が続き、坂本はヒザの靱帯を傷めるなど故障も重なり戦列からも離脱した。

信頼感と期待値の高さから、栗山監督が召集にこだわったといわれる坂本

「山田と坂本の不振は、栗山監督にとって大きな誤算でしたね。とくに坂本に対する信頼感、期待値はとても高く、代わりはなかなか見つからない。守備は源田壮亮でなんとか埋まりますが、攻撃面でのダウンは痛い。故障さえ完治していれば代表に加えたいと、栗山監督は最後まで坂本の招集にこだわったといいます」(前同)

しかし、坂本は年明けに辞退を表明。山田も、打撃の状態を見極められない不安から代表内定が年明けにずれ込み、結果的に山川穂高、岡本和真らを補充する形となった。

一度は袖にした選手も招集

18年の日米野球以来、5年ぶりの代表入りとなる山川

それにしても昨季、41本でパ・リーグの本塁打王を獲得した山川が“最終メンバー”というのだから、何とも贅沢だ。

「実は当初、栗山監督は山川を呼ぶ考えはなかったと聞きます。というのも山川は19年のプレミア12を不調でも故障でもないのに真っ先に辞退し、当時の稲葉篤紀監督から不評を買った。“代表よりシーズン優先”と考えるのはプロとして無理もないですが、山川は明らかに代表入りに対して、後ろ向きな発言を漏らしていましたからね」(同・デスク)。

そうした発言は、当然、栗山監督も耳にしていたはずだ。その証しが、昨年12月に札幌で開催された豪州との強化試合で一塁専任を選ばず、山田、牧の併用というプランとなって表れたわけだ。

だが、栗山監督が最後まで招集にこだわっていた坂本は、年明けに辞退を表明。そこで急遽、右打者の補充として山川に白羽の矢が立ったという。

「山川は今オフに日本ハムからソフトバンクにFA移籍した近藤健介が、7年総額50億円という巨額だったことに大きな刺激を受けたといいます。山川は今オフ、西武からのFA流出が濃厚と見られている。今回、代表入りして活躍すれば、自分の株を上げることができると考えたんですよ。

一方で栗山監督とすれば、一度は袖にした選手を招いたことになりますが、彼はいい意味で“変なプライド”を持たない性分なんです。必要とあればいつ、どこへでも出向くし、どんな相手にも頭を下げられるし、相手の懐にも飛び込んでいけるんです」(同・テレビ局関係者)

1月6日の会見で、大谷が会見で「本人を目の前に申し訳ないですけど、おそらく誰が監督でも出たいなという気持ちは前向きだったと思う」とコメントして記者たちを笑わせたが、こうした本音が言えるのも、ふたりの信頼感あってのことだ。

またダルビッシュ有は「栗山監督に『来年のWBC出場しなさい』と言われたので出場します」とツイッターで表明したほど。

前出のテレビ局関係者が言う。

「普通、代表監督が渡米までするのは、事務方が根回しして内諾をとり、形式的に出向くものです。しかし今回はまったく根回しはなく、栗山監督が直々に行って口説いた。ダルビッシュも“わざわざ来てもらって”と断るに断れなかった心境をのちに明かしています」

本番で監督は「座っているだけでいい」?

さらにメジャー移籍が決定したばかりの吉田正尚、そしてカージナルスからラース・ヌートバーをジャパンに加えた。

「吉田とすればメジャー1年目だけに3月はじっくりとメジャーのキャンプに専念したかったはず。なのにジャパンを優先したのは、栗山監督に口説かれたから。

また、ルーツを証明できるなら、国籍が異なっても参加できるという『WBCルール』を使い、日本代表として初めて、日系アメリカ人のヌートバーの召集を実現させました。これも行動力ある栗山監督だから実現できたことでしょうね」

海外生まれの日系人として初めてWBCの日本代表に選出されたカージナルスのラーズ・ヌートバー外野手(25歳)。父はオランダ系アメリカ人で母が日本人。21年6月にメジャー契約を結び、昨年は108試合に出場して打率.228、14本塁打、40打点を記録した

史上最強メンバーと名高い今回のWBC日本代表。それだけに「栗山監督は下手に動かずに、ベンチに座っているだけでいい」なんて声も聞こえてくるが……。

WBCを第1回大会から取材しているスポーツライターの木村公一氏はこう言う。

「国際大会は実績はもちろんですが、そのときのコンディションがより重要視されます。とくに打者の場合、調子が上がっていないからといって待つ余裕はない。肝心なのはスパッと代えられるかどうか。その判断と決断力こそ、国際大会の監督に求められることだと思います」

さて、本番での手腕やいかに。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班 写真/小池義弘 AFLO

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