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〈狛江90歳殺害事件との関連は?〉「『金庫はどこだ?』と尋ねられ、殴る蹴るの後、消火器を撒かれた」「現場付近ではお金が舞っていた」捜査のカギとなる2つの強盗事件の詳細

集英社オンライン / 2023年1月26日 22時6分

「コラ待てー!」。昨年12月5日、東京都中野区で白昼の住宅街に怒声が響いた。警察官の激しいタックルに倒れる容疑者と宙を舞う札束。一方、1月12日、千葉県大網白里町のリサイクルショップでは店主が激しく暴行を加えられながらも必死の抵抗で強盗を「撃退」した。ついに犠牲者まで出た一連の連続強盗事件で、首魁を追い詰める捜査のキーポイントとなりそうな2つの事件の詳細が、目撃者、被害者の口から語られた。

「ハッチバックを開けたまま猛スピードで走って行った」

東京都中野区上高田の住宅で昨年12月5日に起きた強盗傷害事件は、運転手役を含め7人の男たちが現金約3000万円を奪って逃走したが、逃げ遅れた1人を現場に急行した捜査員が逮捕。逃走した犯人の中には1月19日に東京都狛江市で90歳の老女を惨殺した強盗殺人事件に関与した可能性がある21歳の男が含まれており、警視庁は1月23日、中野の事件の容疑者としてこの男を逮捕、一連の事件への関与を調べている。


本記事では中野で起きた強盗致傷事件と、千葉県大網白里市のリサイクルショップを襲った店主暴行事件の詳細をリポートする。

◆中野区強盗傷害事件
2022年12月5日午前10時50分頃発生

バンのようなシルバーのレンタカーに乗った7人のうち運転手役1人は車内で待機、ここで想定外の出来事がおこった。
「7人は事前に仕入れていた情報で、『中野の家は留守』と上から聞かされていた。ところがなかに住民がおり、一度は躊躇していたそうです。不審な行動を住民が目撃し、110番されています。そうとも知らず上から『いいから行け』と命令され、7人は強盗にはいった」(社会部記者)
作業着のような服装の2人が宅配業者を装い、玄関を開けた住人男性(49)を殴りつけると、残り4人を加えた計6人全員で室内に侵入。男性から現金の場所を聞き出し、クローゼットから3000万円を奪って逃走した。このうちの約1000万円を持って逃げようとした和野正弘被告(34)は、逃げ遅れて緊急逮捕された。

「複数の人が走っていく音とともに怒声が聞こえたので、一体何があったのかと思って外を見たんです。人の姿は見えなかったのですが、ちょうどシルバーのバンが走り去っていくところでした。よほど慌てていたのか、ハッチバックを開けたまま猛スピードで走って行きました」(目撃した近隣男性)

現場付近では「お金が舞っていた」

しかし、現場に急行したパトカーや捜査車両からは必死に逃げおおせたシルバーのバンから振り落とされた男を、警察官は見逃さなかった。
一部始終を見ていた近所の男性が語る。

「午前11時前でしたかね。『コラ待てー』という怒声の後に、車が急発進する音が聞こえた。尋常じゃない様子でした。外に出てみると、走って逃げて行く男を制服のお巡りさんがコンビニの前まで追いかけていって、後ろからタックルしたんです。男もお巡りさんも一緒に倒れ込みました。
100万円くらい入る分厚い袋が2つ落ちて、お札がはみ出ていました。倒された男はすぐさま立ち上がると、その袋を拾ってまた走り出しました」

逃げ遅れて確保された中野区の強盗犯(近隣住民提供)

現金を握りしめた強盗犯は目撃していた男性のほうへ向かって走ってきたが、車から落ちた衝撃で足の骨が折れていて、立っているのもやっとという状態だった。あっという間に警察官に取り押さえられるとその場にへたり込んだという。当時の様子を目撃した別の男性はこう語る。

「私が見たのは、男が建物に寄りかかるようにして地べたに座り込んでいるところでした。制服警官3人と私服の刑事さん1人が立って質問をしていて、素直に答えているようでした。顔を擦りむいてちょっと血が出ていたので、最初はケンカでもしたのかと思いました。
ただ、それにしては見た目もおとなしそうな雰囲気の男だったのでなんだろうと思っていたのですが、後から強盗と知って驚きました。今思えば、現場付近で主婦の方が『お金が風で舞っている』と騒いでいたのも合点がいきます」

落ちたお金を集めていた捜査員(近隣住民提供)

「15発くらい殴られた」強盗被害者が語る恐怖の一部始終

◆千葉県大網白里市のリサイクルショップ「てんとう虫」強盗致傷事件
2023年1月12日午後7時26分頃発生

リサイクルショップ「てんとう虫」に3人組とみられるグループが押し入り、男性店主(76)を暴行。店主は顔を3か所骨折するなど全治2週間のけがを負った。襲撃時の様子を店主は次のように証言した。

襲撃されたリサイクルショップ「てんとう虫」

「本来は午後7時に閉店するのですが、午後6時半ごろに『これから店に行くので閉めないでくれ』と若い男性から電話があったので店を開けたままにして私は事務所にいました。店と事務所はカーテンで仕切ってあるだけなので、7時半ごろに黒っぽい服でフードをかぶった男が店に入ってきたのはわかりました。マスクをしていたので顔はわかりませんでした」

男はカーテンを押しのけて事務所に入ってくるやいなや、足早に店主に近づきいきなり殴打。

「何が起こったのか咄嗟には理解できず、そのまま床にひっくり返りました。続いてもう1人の男が入ってきましたが、頭をかばうように丸まっていたのでこちらも顔はよく覚えていません。
『金庫はどこだ?』と繰り返し尋ねられ、15発くらい殴られ蹴られという状態。後から入ってきた男が私の手足をガムテープで縛ろうとしましたが抵抗して、金庫の場所も答えませんでした。時間にして3分ほどでしたが、生きた心地がしなかった。

私が抵抗するので2人は諦めたのか、結局何も奪うことのないまま後から入ってきた男が持っていた黒いバッグから消火器を取り出し、店内に撒いて逃げていきました。
店前にスライド式ドアを開けたままで停車している黒いワンボックスに2人が乗り込むとすぐに車は走り去っていきました。今思えば狛江の事件のようになっていてもおかしくなかったと思いますし、本当に殺されなくてよかった」

被害を受けたリサイクルショップ「てんとう虫」店主と暴行の診断書

翌13日、運転手役で自衛官の中桐海知容疑者(23)を千葉県警が逮捕。所持していたスマホから、「東京都狛江市の住宅で“仕事”をする」という情報が解析で判明した。これは結果的に1月19日に狛江氏の住宅で90歳の老女が殺され、室内が物色された強盗殺人事件を「予告」する内容だった。

東京都中野区と千葉県大網白里市の2つの事件をはじめ、一連の強盗事件の実行犯たちは連日逮捕されているが、指示をだしていた「ルフィ」は今もフィリピンの刑務所にいるといわれている。

これらとも関連する、昨年10月に起きた東京都稲城市の強盗傷害事件の容疑者は「事前に身分や家族構成を伝えてしまっているので、後になってやめたくなっても家族や職場に危害を加えられるのでやめられなかった」「組織から監視されているかもしれないと思い、家族の安全を考えてやめられなくなった」と話しているという。

※「集英社オンライン」では、今回の事件について、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。
メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com

Twitter
@shuon_news


取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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