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【写真多数】『ラブライブ!スーパースター!!』青山なぎさが綴る、声優になるまでの人生。教師に対抗するために入った軽音部、いじめと戦った日々

集英社オンライン / 2023年2月5日 12時1分

『ラブライブ!スーパースター!!』に出演する声優・青山なぎさ。幼少期からこれまでの人生を書き下ろす、初エッセイ。トップ・サムネイル画像:『週刊ヤングジャンプ』提供 撮影/佐藤佑一

小学校低学年の頃、バレエの発表会で。よく見ると、歯の生え変わり途中で前歯がない

『ラブライブ!スーパースター!!』の葉月恋役で若いファンの支持を集めている声優・青山なぎさ。声の仕事以外にも、『めざましテレビ』のイマドキガールを務めたり、「彼女にしたい声優」として青年誌のグラビアを飾ったりと、幅広く活動している。

幼い頃からバレエに打ち込んでいた彼女は、中学生になると教師への対抗心からバンド活動も行っていたという。ラブライブ!声優になるまでの意外な道のりを、本人が綴る。


『LOVEマシーン』を踊る娘を見て、バレエを習わせた母

私は、「姿勢がいいね」と初対面の方に高確率で言われます。クラシックバレエを13年間習っていたので、背筋を伸ばして座っている方が楽なのですが、周りの人からは「もっとリラックスしていいよ」と気をつかわれるくらいです。

思い返せば、学校の三者面談でも先生に「そんなに緊張しないで大丈夫だよ」と毎回のように言われていたのですが、私は全く緊張していなかったので「これがいつもの姿勢です」と答えることが恒例でした。高校1年生でバレエを辞めてからもう8年ほど経っているので、今でも姿勢がいいと言われるのは嬉しいことです。

バレエを習うことになったきっかけは母でした。私が2歳のときに、モーニング娘。の『LOVEマシーン』をちゃぶ台の上でリズムを取りながら歌って踊っている姿を見て、「この子はいける!」とビビっときたそうです。

母は様々なジャンルの曲を流して、リズム感はいい方なのか、ダンスに向いているのかなど探っていたらしく、後にその話を聞いたときは、なんだか親って恐ろしいな……と感じました。ちなみに私には兄がいるのですが、兄はダンスのセンスがなくて、母によるダンス選考には落選しました。

母は幼い頃から別のジャンルのダンスをやっていたのですが、バレエ経験者の一瞬の表現力には敵わないと感じたことがあり、女の子が産まれたら必ずバレエを習わせると決めていたそうです。

私は幸運なことに音楽が流れると勝手に歌って踊り出す女の子だったので、母の望み通りバレエ教室に通うことになりました。バレエで培った表現力は今の仕事にも活きていると思います。バレエに出会うきっかけをくれた母には感謝しかありません。

小・中学生の頃は学校から帰ったらすぐにバレエに行く生活をしていました。通っていたバレエ教室のお稽古はとても厳しくて、泣きながら練習している人もいました。もちろん褒められることなんてほとんどなかったので、今でも褒められたり、嬉しいことを言われたりすることにあまり慣れていなくて、微妙な反応をしてしまいます。

高校3年生の文化祭の頃。部活着で友達と記念撮影

バレエから、大嫌いだったバレーに転向

厳しい環境が当たり前だと思って過ごしてきたので、高校では学校で一番厳しい女子バレーボール部に入部しました。

その高校には知り合いの先輩が何人かいたのですが、私がバレーボール部に入ると伝えると、口を揃えて「絶対やめた方がいいよ」と言われていました。誰ひとりとして、いいじゃん!と言う人がいなかったので、逆にそこまで言われる部活ってどんなもんだ?と面白くなっていました。

ちなみに私がバレーボール部に入部しようかなと思ったきっかけは、バレーボールが嫌いだったからです! レシーブをするときに腕が痛くてアザができるし、体育の授業で唯一バレーボールだけ苦手意識があったので、それを克服したかったからです。我ながら意味がわかりませんね。今となっては理解できません。

そんな謎の理由でバレーボール部に入ろうとした私ですが、絶対に入ると決めたのにはもうひとつ別のきっかけがありました。

高校受験当日、私は緊張で震えながら受験会場を歩いていたところ、「大丈夫? 緊張してる? 自信もってね!」と在校生に話しかけられました。なんだこの優しい女神は……!と一気に心が温かくなりました。

その方は女子バレーボール部の先輩で、受験生の案内をしていたのです。そのときの対応が素晴らしすぎて、私もバレーボール部に入ってこんな先輩になりたい!と思い入部を決意しました。

女子バレーボール部は、バレーボールはもちろん、勉強もしっかりやる、そして学校説明会の設営、文化祭の見回りなど、学校の活動にも積極的に貢献する部活でした。だからこそ、私の知り合いの先輩たちは、青春したいならバレー部はやめた方がいいと根気強く言ってきたのでした。

案の定、厳しい部活だったので辞めていく人もいましたが、私にはこのくらい過酷な環境の方が向いていると感じていました。

幼少期から歌が好きで、家族とカラオケに行っていた

中学の教師に対抗してバンド活動を始める!?

少し時間をさかのぼりますが、中学1年生のお正月、初めてONE OK ROCKの『キミシダイ列車』を聞き見事にロックに目覚めた私は、軽音楽部に所属しギターとサブボーカルを始めました。

まだクラシックバレエも続けていた時期です。制服姿でギターを背負いながらバレエのお団子をしている姿を想像すると、情報量が多くて面白いですね。

そしてこの頃、私は絶賛反抗期。バンドを始めたきっかけを思い出そうとしていたら、親戚から面白いタレコミがありました。なんと中学の卒業文集にもそのことが書いてありました。

私が通っていた中学校は伝統を大切にしている厳しい学校だったので、バンドにはあまりよくないイメージを抱いている先生がいました。

私はちょうどその時期に学級委員をやっていたので、「あなたに期待していますよ」「あなたはしっかりしていますね」と言われることが多く、みんな頑張っているのにどうして私だけにそんなことを言うのだろうと疑問を抱くと共に、生徒に対して平等に接してほしいという思いが強くなっていた時期。

期待をしてもらえることは嬉しいのですが、幼い頃から正義感の強い私は、理不尽なことをスルーできない性格でした。

私に期待をしてくれていた先生が、軽音楽部はこの学校に相応しくないという趣旨の発言をしたことをきっかけに、私はその先生への対抗心で軽音楽部に入部しました。軽音楽部が悪いわけではない、私がその印象を変えてみせる、そんな想いを胸に。

そのことを卒業文集に書いてしまう私、厨二病満載で読み返すと面白すぎます。よく掲載の許可が降りたなと驚いています。

私のいいところでもあり、ときには裏目に出てしまう正義感の強さによって、人と衝突することも多かったです。私はどんな理由があろうといじめを許すことができないタイプでした。

中学生の頃、いじめられていた友達を庇ったことでいじめの標的が私になり、「学校に行きたくない」と悔しくて布団の中で泣いていた時期もありました。それでも、学校で泣いたり悪口を言ったりしたら、いじめている人達の思う壺だということは理解していたので、何を言われても気にしないふりをしていました。

ラーメンを食べてご機嫌な、子供の頃の私

いじめで学校を辞めた友達からの、忘れられない一言

私が嫌がらせに対して全く反応しないことがつまらなくなったのか、そのうち私へのいじめはなくなりました。ほとんどのクラスメイトは自分が標的になるのを恐れ見て見ぬふりをしていました。

私は自分が辛い目に遭うことは耐えられるけれど、他の人が同じような目に遭うことだけは黙って見ていられません。助けを求めている人を見つけると「そういうのよくないよ、やめよ」といじめグループにひとりで立ち向かっていました。

そんなとき、いじめや学校内での理不尽な対応に、いつも笑いながら「私は大丈夫」と言っていた我慢強い友達が学校を辞めてしまったのです。周りの人には全然違う理由で辞めると言っていましたが、あの子を救えなかったときの悲しさを、今でもふとしたときに思い出します。

最後にあの子と会ったとき、どんな気持ちで私に「ありがとう」と言ってくれたのか。無理して笑いながら話してくれた日のことを今も忘れられません。

このエッセイを書くにあたり、昔の話を母から聞いて知ったのですが、小学生の頃にも同じようなことがあったそうです。障がいを持った友達がいたのですが、同級生とトラブルになることも多かったため、周りの人の対応はあまり優しいとは言えませんでした。

そのとき私はどんなことをしたのか覚えていないのですが、担任の先生に「いつもなぎさちゃんが庇ってくれて感謝しています」と母は言われたそうです。

また、宿題が早く終わらず祖父にこっぴどく怒られている兄を見て、「お兄ちゃんをいじめるなぁー!」と祖父を叩きにいくような3歳児が私でした。ちなみに、親族で祖父を叩いたことがあるのは後にも先にも私だけ。当時の祖父はいわゆる亭主関白だったので、周りの家族は唖然。何をしてくれるんだ!って感じですよね。

そんな中、「3歳児から見てもおかしい状況なんだから私も心を入れ替えなきゃ、しっかりしなきゃ」と母は勇気を貰ったそうです。

こんな性格だったので必要以上に人間関係にエネルギーを費やしていましたが、その代わりに、私の周りには自然と心優しい人たちが集まってきました。私を大切に想ってくれる人たちの幸せをこれからもずっと願っています。

『週刊ヤングジャンプ』提供 撮影/栗山秀作

文/青山なぎさ 編集/西中賢治 写真/本人提供

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