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〈静岡県民100人に聞いた〉「静岡市」と「浜松市」家康ゆかりの地はどっち?「幼少期と晩年を過ごした」「お墓がある」「出世の地」「ゆるキャラがいる」…ガチンコ対決の結果は!?

集英社オンライン / 2023年1月29日 12時1分

戦国時代の覇者、徳川家康はその生涯において数々の地を移り住んだことで知られる。大河ドラマ『どうする家康』で盛り上がる静岡県もそのひとつだ。中でも静岡市と浜松市は家康にとって重要な土地。では、どちらが家康公ゆかりの地なのか。“静岡浜松論争”について静岡県民の意見を聞いた。

『どうする家康』で盛り上がる静岡市vs浜松市論争

大河ドラマ『どうする家康』がスタートして約1ヶ月。いま日本国内でどこよりも“家康ブーム”で盛り上がっているのが、「家康ゆかりの地」を数多く抱える静岡県だ。なかでも徳川家康が人質時代と晩年を過ごした駿府(静岡市)と、青年期を過ごし飛躍の地でもある遠江(浜松市)は、県内ナンバーワン都市を競い合う間柄でもある。


家康ゆかりの地はたくさん

直線距離にして約66キロ(静岡駅〜浜松駅)、新幹線を使えば約20分で行き来ができる静岡市と浜松市。この両市は、長年に渡り県内ナンバーワンの座をめぐってしのぎを削ってきた。県庁所在地で政令指定都市でもある静岡市は、その名がそのまま県名となっており、言ってみれば「県の顔」。
一方、浜松市も政令指定都市で人口数で静岡市を上回っており、世界的企業の本社をいくつも抱えるなど、工業都市として名を馳せる。

「県政の中心地、静岡市は静岡銀行本店、静岡第一テレビ本社、静岡新聞本社、ツナ缶が有名なはごろもフーズ本社があるなど、政治やビジネスの都市として、その名の通り静岡県を代表する地域です。人口一人当たりの地方税収額と納税者一人当たりの所得は、どちらも県内一位となっています」(地方紙経済部記者)

一方、浜松市は、その静岡市を人口数で約10万人も上回る。

「静岡市の人口は約68万人に対して浜松市は約78万人。これはスズキ自動車やヤマハ、河合楽器製作所、ローランドといった楽器産業の本社や工場が集まっていて、『ものづくりのまち』であることが大きく影響していると考えられます。本田宗一郎が本田技研を創業したのも浜松です」(同)

静岡市と浜松市は、家康をめぐっても熱い戦いを繰り広げている。静岡市は1月27日、浜松市は1月22日に「『どうする家康』大河ドラマ館」をそれぞれオープン。両市の観光案内ホームページには「家康公の愛したまち 静岡」「徳川家康公ゆかりの地 出世の街 浜松」とあり、我が市こそが家康公の街! との鼻息の荒さが伝わってくる。
ちなみに愛知県岡崎市でも大河ドラマ館がオープンしており、その謳い文句は当然「家康公生誕の地 岡崎」だ。

出世の地か、幼少期と晩年を過ごした地か

前述の通り、家康は駿府と遠江のどちらにも長く暮らした歴史があるのだが、では一体どちらが家康ゆかりの市により相応しいのか。集英社オンライン編集部ニュース班は静岡市と浜松市について、「より、ゆかりが深いのはどっち?」「都市として魅力的なのはどっち?」といった内容で、静岡県民100人にアンケートを試みた。

実施場所は、静岡県牧之原市と御前崎市の市境に流れる筬川(おさがわ)にかかる郡界橋。静岡市と浜松市のちょうど真ん中に位置していることから、この場所を選んだ。牧之原市は静岡側にあり、車は静岡ナンバーで、御前崎市は浜松側で浜松ナンバー。牧之原市の人間は静岡の方に、御前崎市の人間は浜松の方に、それぞれなじみ深いという地域性が今でも残っているという。

郡界橋の近くに住む90歳男性が、昔の様子を語ってくれた。

「ここは江戸時代、相良藩と横須賀藩(ともに遠江にあった藩)の境目でもあって、昔から付き合いの薄かった地域なんですよ。私が子供の頃も、筬川を挟んで仲が悪いというわけではないが、それぞれ川向こうの地域には行かないという雰囲気があった。子供たちも川を越えては遊びにいかず、それどころか川を挟んで石を投げ合って戦っていたくらいです」

郡界橋。この橋の所有権をめぐって綱引き大会が実施されていたという

まるで、静岡市と浜松市の代理戦争のようだが、平成期には隣接する地域同士の親睦を深めようと、綱引き合戦が行われていたという。

「市として公式な記録は残っておりませんが、旧榛原郡(牧之原市側)と旧小笠郡(御前崎市側)で綱引き大会をやっていたという話は聞いています。勝った方の郡が1年間、郡界橋の所有権を得るとしていたようです。もちろん法的な登記上の話ではなく、あくまで催し事の上の話です。(平成17年までの)市町村合併で郡制がなくなったことで、綱引き大会も終了したようです」(御前崎市・社会教育課)

当時の地元新聞の記事によれば、綱引き大会は1998年からスタートし、小学生、中学生、一般男子、女子、選抜の5部門に分かれ、両地域合わせて500人ほどが集まっていたという。

話がそれてしまったが、次ページにて、いよいよアンケート結果の発表だ。家康ゆかりの地はどっち⁉

「家康には静岡市がふさわしい」

◆家康といえば静岡市と浜松市のどちらにゆかりが深い?

との問いに対する回答は以下だった。

静岡市 47人
浜松市 40人
どちらも 11人
どっちも違う! 家康は愛知県岡崎市 1人
そもそも静岡市は今川義元の地 1人

ということで、辛くも静岡市に軍配! その理由を聞いてみると、

「家康に一番影響を与え、人格を形成したのは今川の人質だった幼少期。その時に過ごしていたのが静岡市だから」 (90歳男性・無職)
「静岡市には徳川家康のお墓、久能山東照宮があるから」(40歳男性・会社員)
「家康が余生を過ごし、最後の地として選んだ場所が江戸城ではなく駿府城だから。家康には静岡市がふさわしい」(84歳男性・無職)

幼少期の家康(竹千代)とその時の駿府領主、今川義元

やはり幼少期、晩年を過ごしたという実績を推す意見が多かった。一方、浜松派の意見は。

「『出世大名家康くん』というゆるキャラのイメージが強い。市のマスコットキャラクターになっているくらいだから、家康といえば浜松市なんだと思う」 (16歳男性 高校生)
「浜松駅の広場に家康くんの植木のモニュメントがあるから。他にも『金の家康くん像』があるし、家康と言えば浜松市のイメージがある」(21歳男性・フリーター)
「浜松城は家康だけじゃなく徳川家とのゆかりも深いし、『出世城』とも呼ばれるほどパワーのある城だから」(54歳男性・会社員)
「家康公が天下人となったのは浜松時代の経験が大きい。徳川家康の最大の敗戦と言われる三方ヶ原の戦いは浜松城にいるときの話。この敗戦こそが天下人になるための大きな糧となったはず」(70歳男性・無職)

浜松市のイメージキャラクター、出世大名家康くん

若年層を中心にゆるキャラの存在も大きいようだ。続いて、「都市としてどっちが上?」かを聞いた。

「浜松市を県庁所在地にすべき」

◆都市としての魅力は静岡市か浜松市のどちらが上?

との問いに対する回答は以下のとおり。

静岡市 42人
浜松市 35人
どっちも魅力的 18人
どちらも魅力的ではない 5人

こちらも静岡市の勝利となった。理由を見てみよう。

「伊勢丹とか松坂屋などの百貨店もありますし、お店が多いので、私は静岡市の方がよく行きます」(40歳女性・主婦)
「洋服が好きな私にはパルコのある静岡市のほうが魅力的」(28歳女性・会社員)
「静岡市も栄えてるとは言い難いけど、浜松市よりは都会的だと思う。浜松にはイオンしかないイメージ」(36歳女性・会社員)

ここでは商業施設や飲食店の多さを理由とする回答が多かった。全国区である『ちびまる子ちゃん』や清水次郎長のゆかりの地であることも大きいのかも。

松本潤主演の『どうする家康』ではどちらがより厚く描かれるか

一方の浜松市については、県庁所在地を浜松市へ移転すべし、といった声まで聞こえてきた。

「浜松市は日本でも有数の工業都市。スズキとヤマハという静岡県を代表する企業が浜松市にあるわけですし、県庁所在地も浜松市にすべきと私は思っています。どう考えても浜松市の方が上ですよ」(72歳男性・農家)
「イオンなどの家族向けの商業施設が多いので浜松市の方がよく行きます。静岡市に比べて駐車場も停めやすいところが多い」(31歳男性・自営業)

結果からみるといずれの質問も静岡市の勝利となったが、かなりの僅差だった。それぞれの持ち味を前面に出して戦う静岡市と浜松市。がっぷり四つに組んで一歩も引かない姿勢だが、どっちにする家康?

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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