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真冬の車中泊旅用に買って良かった防寒グッズあれこれ…断熱シェード、電気毛布、ソロ調理家電など

集英社オンライン / 2023年2月3日 12時1分

車中泊においてもっとも辛いこととされるのが冬の寒さ。とはいえ、冬ならではの旅の楽しみもあるというものだ。車中泊の旅も3度目となるコラムニスト・佐藤誠二朗氏の冬装備はというと……。

車中泊の旅でもっとも辛いのは
冬場の寒さだと言われている

2023年1月13日から1月23日まで、10泊11日で関西・四国を回る車中泊旅をしてきた。

昨年8月の“東北犬連れ旅”(8泊9日)、そして10月の“中部地方山地の旅”(5泊6日)に続く3回目だから、車中泊自体はもう慣れたものだが、今回の旅ではひとつ、大きな心配事があった。

それは、厳しい寒さのこと。
車中泊の旅では、真冬の寒さがもっとも辛いことだと言われているのだ。

駐車場に停めたらすかさずエンジンを切るのが車中泊の基本マナーなので、夜間、車のエアコンに頼ることはできない。


しかも僕の車中泊専用カーであるスズキのエブリイちゃんは、ベーシックグレードの商用軽バンなので、基本的に乗用車のような断熱処理がされていない。

僕が生活&就寝空間と定めている後ろの荷室部は特に、外気温に影響されて室温がすぐに大きく上がったり下がったりするのだ。

8月の旅は、比較的涼しい東北地方が行き先だったし、夜はなるべく標高の高い場所を選んで過ごすことで、なんとか暑さを避けることができた。
10月の旅は、もともと暑くもなく寒くもない最良の季節だったので、何も苦労はなかった。
翻り今回は季節的に、どう考えても寒さから逃れられないだろう。

……ところが。
結論から言えば、意外と大丈夫だったのだ。

車をカスタムした際、自己流ながらそれなりに工夫して断熱を施していたことと、行き先として西日本の太平洋側海沿いを選んだことが大きな理由だろう。

さらに今回は、いくつかの寒さ対策グッズを揃えて出発し、フル活用した。

では、我が愛車にはどんな断熱処理を施していたのか。
そして寒さ対策としてどんなアイテムを持っていったのか、紹介しよう。

車を車中泊仕様にカスタムする際、施していた断熱処置

まず車自体の断熱について。

天井には建築で用いられる、「スタイロフォーム」という断熱材を入れている。
僕のエブリイは、純正の天井内張を剥がして板張りにしたのだが、断熱材はその新しく張った天井板の内側にはめ込んでいる。

断熱材「スタイロフォーム」

板張りにした天井

屋根の鉄板と板天井の間に断熱材を入れた

隙間があるので完璧とは言えないが、これのおかげで上からの熱気・冷気の侵入は、ある程度防げているようだ。

床は、より手厚く対処している。
特に冬場のゾクゾクするような冷気は、下からやってくることが多いからだ。

まずは断熱効果があるアウトドア用のアルミマットをカットし、床一面に敷き詰めた。
その上に、ホームセンターで見つけた厚さ3cmほどの木材を使い、切ったり貼り合わせたり塗装したりと苦労しながらフローリングを施した。

アウトドア用のアルミシート

フローリング用の板材

さらにその上に、簡易畳(半畳×2枚)を置く。
で、さらにその上に、分厚い座布団のような“ごろ寝用”マットを敷く。
これでやっと寝床の完成だ。

畳は薄くても断熱効果抜群

マットを敷いて寝床完成

ちょっと重ねすぎじゃない?と思うかもしれないが、これくらい厳重にしなければ、下からの強力な冷気は抑え込めないだろう。

冬の寒さに備えてまず買ったのは
窓ガラス用のサンシェードセット

ここまでは昨年の春、車中泊の旅を始める前に整えた基本編。
以降は今回の真冬旅のため、寒さ対策として新たに揃えたもののご紹介である。
記憶か記録がある限り、購入価格もお伝えしたい。

まずは、断熱効果が高い窓のサンシェードだ。

色々なメーカーから出ているが、僕が買ったのは、BSC Gravityというメーカーの「サンシェード 全窓 車種別専用設計」。
フロントとリア各1枚、サイド3枚ずつの8枚セットで、税込7920円だった。

車内側は触り心地のいいモケット生地。
内部には柔らかいクッション素材と、光や熱を反射するアルミ素材。
そして窓側は内部のアルミを保護するメッシュ生地。
……と4層構造のキルティングになっていて、厚みがあり断熱効果は抜群だ。

僕のスズキ・エブリイDA64V型用にサイズ合わせされた型番を選んでいるため、全窓にジャストフィットで、吸盤を使って隙間なく貼ることができる。

窓用の断熱サンシェード

目隠しにもなるので、一部は常時つけたままに

どのくらいの断熱効果かといえば、今回の旅の中、夜に停めた車内で過ごしていたとき、「あれ? なんだか後ろから急にスースーと冷気が入るようになったな」と思って振り返ってみると、このサンシェードの吸盤がひとつ外れてめくれていた。

サンシェードの有無が瞬間的にわかるほど、高い断熱効果を発揮しているということである。

電気毛布は効果抜群なのだが……

YouTubeなどで情報を発信している車中泊の先達が、口を揃えて真冬の車中泊旅におすすめするのが電気毛布だ。
そこで僕も、Sugiyamaの「電気しき毛布 140×82cm」という商品を買った。
税込3126円である。

使ってみるとその効果は確かで、ぬくぬくと寝ることができた。

電気毛布は必須アイテム

電気毛布の電源は、車内に常備しているポータブルバッテリー(「PowerOak ac50s」税込30000円強)から取る。
ただし、容量500Whであるこのポータブルバッテリーでは、電気毛布への電力供給が朝まで持たないことがあった。

計算上は、フル充電されていれば持つはずなのだが、天気が悪くてソーラー充電が十分にできていなかったり、走行距離が足りなくて走行充電が満足にできていなかったりした日には、明け方5〜6時くらいには蓄電残量ゼロになってしまったのだ。

ソーラー充電中のポータブルバッテリー

屋根に取り付けてある太陽光パネル

その時間帯は1日で一番冷え込むタイミングでもあるので、寒さで目覚めてしまった日もあった。
もう少し大容量のポータブルバッテリーならOKなのかと言えば、日中に充電できる量はあまり変わらず、どっちみち朝方には切れてしまうだろう。

車中泊をしている人の中には、同じような容量のポータブルバッテリーを2〜3台積んでいる人もいて、なんでそんなことしているんだろう?と不思議だったのだが、そういう理由があったのだ。

ポータブルバッテリーの充電性能がもう少し向上し、短時間でフル充電できるようになればいいんだけど。
なかなか難しい問題だ。

もこもこのペンドルトンで寝具を統一し、身も心も温かく

電気毛布をご紹介した流れで、他の寝具にも触れておこう。

ペンドルトンのブランケットは、167cm×233cmのツインベッドサイズ。
確か、コストコで5000円前後だったと記憶している。
かなりビッグなので、車中泊で使う際は2つか3つに折るのだが、実はこれが肝。
折り重ねて使うと暖かさは倍増するので、掛け布団はこれ一枚で十分なのである。

枕もコストコで買ったペンドルトンのもの。
“ボディピロー”と呼ばれる抱き枕で、5000円弱だったと思う。
50cm×121cmと長く、首元を覆うように少し折り曲げて使う。
すると首のスースーを防ぐことができるのだ。

車内は全体的にこんな感じ

もこもこで暖かいペンドルトンの寝具類

ちなみに、電気敷毛布の上にかけているタオルケットもペンドルトンのもの。
車中泊の車内でもっとも存在感があるのは寝具なので、統一感を出すとオシャレな感じがするものだ。

ペンドルトンは手頃価格でおしゃれで機能性が高いアイテムが多い

電気調理器具を新たに揃えたのも、寒さ対策の一環

最後にご紹介したいのが、調理用具である。

これまでの車中泊旅では、お湯を沸かしたりちょっとした調理をしたりする際は、アウトドア用のコンパクトバーナーを使っていた。
しかし、裸の火が出るガスバーナーは危険を伴うため、車内での使用時は防火に最新の注意を払ったうえ、換気のために窓や後部のハッチを開けておかなければならない。

夏や秋の旅はそれでいいのだが、今回は冬なので、できるだけ窓は開けたくないではないか。
そこで用意したのが、ふたつのソロキャンプ用電気調理器具だ。

まるで水筒のように見えるが、こちらは一回300ccほどの水を沸かすことができる、一人用電気ケトル。
Focustarというメーカーの「電気ケトル ポータブル トラベル」という商品で、税込3141円だった。

水筒のような電気ケトル

スイッチを入れて数分で沸騰する

これを使ってお湯を沸かし、熱いお茶やスープを飲むと体の内側から温まってとても助かった。

もうひとつの電気調理器具は、一人用グリルセット。
フルタックの「ちょこっと家電 おひとり様グリル鍋」という商品で、税込2400円だった。
直径約12cmのごく小さなサイズながら、グリルプレートと鍋がセットになっている優れもの。

今回の旅ではたった一度、プレートを使って肉を焼いただけだったが、窓を開けることなく、車内で熱々の料理を作れるのは実にありがたかった。

新規導入した「ちょこっと家電」

グリルプレートにアルミホイルを敷いて肉を焼いた

ちなみに、IH調理器も検討したのだが、IHは小型のものでも消費電力が大きく、僕のポータブルバッテリーでは満足に使えそうになかったので諦めた。
大型のポータブルバッテリーを持っている人だったら、車中泊にはIHが便利かもしれない。

これだけ準備をして臨んでも、やっぱり寒いときは寒かったのだが、なんとか我慢できる範囲に収まり、途中で切り上げることなく11日間の冬旅をまっとうすることができた。
多少の苦労はあった方が旅は思い出に残るものなので、ちょうどいい塩梅だったのかもしれない。

以上ですキャップ。

僕の車中泊旅は、まだまだ続きます。

写真・文/佐藤誠二朗

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