「コンプガチャ」高額課金は訴訟をすれば取り返せるのか?

週プレNEWS / 2012年5月14日 0時30分

ついに消費庁の中止要請が入ったコンプガチャ。景品表示法違反になった後に訴訟を起こしたら、お金は取り戻せるのか?

5月5日、読売新聞がソーシャルゲームの「コンプガチャ」(コンプリートガチャ)という課金システムに対し、消費者庁が景品表示法違反で中止要請を出す見通しであると報じた。

その報道を受ける形で、9日、ソーシャルゲーム大手「モバゲー」を運営するDeNA(ディー・エヌ・エー)がコンプガチャの順次廃止を表明。同じく大手のグリーもコンプガチャの運用を5月末で終了すると発表した。

この騒動は両社の株価にも大きなマイナスの影響を与えているが、栄華を極めていたDeNAとグリーの経営をそこまで揺るがすコンプガチャとは!? そして、何が問題になっているのか? ゲームアナリストの平林久和氏に聞いた。

「ガチャとは、1回100円から300円程度を払ってゲーム内のアイテムを当てるくじ引きのようなもの。どんなアイテムが当たるかわからない、運に左右されるシステムです。それがさらに発展したのがコンプガチャで、例えば決められた8つのアイテムを全種類そろえると、それをそろえた人しかもらえないレアなアイテムがゲットできるといったもの。レアカードを求め何十万円も使う人がいて、支払い額と得られるものが不釣り合いな方法だと以前から問題視されていました」

ソーシャルゲーム市場は今や2500億円を超える規模だが、約7割がガチャによる課金だともいわれている。そんなガチャの中でも、特に収益率が高かったのがコンプガチャだったということだ。

「実は、業界内では昨年から規制がかかるのではと噂されていました。グリーもDeNAも寝耳に水ということではないでしょう。アメリカではすでにガチャのようなシステムは禁止されていますしね。日本では今のところ規制がかかるのはコンプガチャのみのようですが、ガチャという商法全体に監視の目が厳しくなっていく流れだと思います」(平林氏)

ただ、平林氏は「ゲームに運の要素はつきもので、ガチャの全否定は過度な規制となる」と前置きした上でこう続ける。

「一番問題なのは、多くのゲームでレアアイテムが出る確率が公表されていないこと。100回に1回出るのか、それとも1万回に1回しか出ないのか、プレイヤーはそれがわからないまま消費している。当選確率が明示されていない現状がフェアではない」(平林氏)

気になるのは、レアカード欲しさに入れ込んでしまい、届いた高額請求に驚愕したユーザーたち。ひょっとして、コンプガチャが景品表示法違反になった後に訴訟を起こせば、今まで支払ってきたお金を取り返せたりもする!? ネット関連の訴訟に詳しい高木篤夫弁護士に聞いてみた。

「保護者の同意がない状態で子供が遊び、何十万円と使ってしまっていたという場合では、これまでもグリーやDeNAに対して“未成年者取り消し”を主張し、請求を取り下げてもらえたケースもなかにはある。ただ、成人が自身の判断で決済したなら、請求額を取り消してもらうのは難しいと思います。コンプガチャが景品表示法違反であるという理由だけで、支払った利用料を取り返すというのは困難。訴訟を起こした際に、コンプガチャの仕組みが反社会的なほど暴利性があると認められれば可能性はありますが、そこまで反社会的なシステムではないという印象です」

なるほど。射幸心をあおられた挙句に高額を注ぎ込んだユーザーには同情する部分もあるが、大人の場合はきちんとした判断力が備わっていると見なされるわけだ。 ソーシャルゲームだって純粋なゲームとしての面白さへの評価も一定程度はあるわけだから、“健全化”後に、どんなゲームが登場するのか注目したい。

(取材・文/昌谷大介 [A4studio])



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