セルジオ越後の一蹴両断! 第257回「欧州CL決勝は、格闘技みたいな潰し合いの肉弾戦になるだろう」

週プレNEWS / 2012年5月19日 13時0分

地味な対戦になったCL決勝。ホームのバイエルンの意地に期待だ

意外な顔合わせになったね。5月19日、欧州チャンピンズリーグ(CL)の決勝が行なわれる。

勝ち上がったのは、イングランドのチェルシーとドイツのバイエルン・ミュンヘン。ともに準決勝では、優勝候補に挙げられていたバルセロナ、レアル・マドリーというスペインの“二強”を倒した。まさかという感じだったよ。僕だけでなく、おそらくほとんどの人がCL決勝でのクラシコ実現を予想していたはずだ。

チェルシーもバイエルンも欧州のトップクラブのひとつなのは間違いない。ただ、メッシやC・ロナウドのようなスーパースターはいないし、やっているサッカーも手堅くて地味。優勝チームは年末に開催されるクラブW杯で来日するわけだけど、広告代理店の人は頭を抱えているだろうね。

準決勝ではバルサもレアルも同じような形で負けた。守備を固めてカウンターを狙う相手に初戦を落とし、逆転しようと前がかりになった第2戦でも同じようにカウンターにハマってしまった。

特にバルサは、2戦目の前半に相手DFテリーが退場になり、後半早々にはPKのチャンスもあったけどメッシが失敗した。普段は難しいシュートを簡単に決める選手なのにね。強いチームが取りこぼすときの典型パターンなんだけど、あらためてサッカーの難しさを思い知らされたよ。

昨季王者バルサはスペイン国内のタイトルも逃がし、これで今季は無冠。チームを4年間率いたグアルディオラ監督の退任も決まった。ひとつのサイクルの終わりで、今オフ、チームの周辺は補強などで騒がしくなるだろうね。ベテランの多いDF陣のテコ入れは必至だ。

ただ、彼らの攻撃的なパスサッカーのスタイルを変える必要はないと思うし、実際、変わらないだろう。あの戦術はメッシを最大限に生かすもの。メッシがいる以上は続けるべきだ。

さて、決勝について。両チームとも出場停止の選手が多く、どういう布陣になるのかわからないので予想は難しいけど、ホームで戦えるバイエルンが若干有利だろう。守備に重点を置いて勝ち上がってきた手堅いチーム同士。格闘技みたいな潰し合いの肉弾戦になるだろう。ワントップのドログバとゴメスは確実に削られまくるよ。

決勝は一発勝負なので、いつも以上に慎重な試合運びになりがちだし、ヘタをすると0―0のままPK戦突入という可能性も十分ある。そうなったら、僕も早朝までテレビ中継を見続ける自信はない。勘弁してほしいね。

ただ、それでも僕はバイエルンの意地に期待しているんだ。国内リーグ優勝を逃がした彼らにとって、ホーム開催のCL決勝はすべてをチャラにする絶好のチャンス。しかも、相手はバルサでもレアルでもない。準決勝で守備的なサッカーをするチームに文句を言わなかったサポーターも、チェルシー相手のホーム戦では「引くな」「攻めろ」と背中を押してくれる。メッシ、C・ロナウドより落ちるけど、リベリ、ロッベンという攻撃面で“違い”をつくれる選手もいる。ある意味、積極的なサッカーをする条件はこれ以上ないくらい整っているんだ。

そんな状況で、バイエルンがどんなサッカーをするのかに注目だ。仕掛けてほしいね。

(構成/渡辺達也)

■セルジオ越後



1945年生まれ。72年の来日以降、指導者、解説者として活躍。



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