日活創立100周年で再注目される「ロマンポルノ」の世界

週プレNEWS / 2012年5月20日 11時0分

現在、東京・渋谷のユーロスペースで特集上映『生きつづけるロマンポルノ』が開催中だ。これは日活創立100周年を記念し、厳選された「日活ロマンポルノ」34作品を再上映するもの。復刻版DVDも次々とリリースされているが、今どきの若者の中には「ロマンポルノ」という言葉自体、初めて耳にする人もいるだろう。

ロマンポルノとは簡単に説明してしまえば、「男女のカラミがある成人映画」。そのなかでも、1971年~88年にかけて日活が制作した映画を「日活ロマンポルノ」と呼ぶ。とはいえ、それだけではAVとどこが違うのかよくわからない。そこで、ロマンポルノを愛してやまないタレント・ビビる大木氏に、その魅力を語ってもらった。

「ボクも実際に作品を見る前は、AVと大差ないんじゃないかと思っていたんです。でも、全然違いました。ストーリーやカット割り、セリフ回しなど、ロマンポルノはやっぱり『映画』なんです」

AVと違って、ロマンポルノの基本はあくまで映画。“男女の人間関係”に重きを置くからこそ、エッチなシーンが欠かせないのだ。なかには、涙ナシでは見られない感動ストーリーものさえあるという。

「意外でしょ~。その作品は、出てくる男女全員に少しずつ重たいドラマが乗っかっているんです」

そう語る大木氏がおすすめするのは、『尼僧極楽』という作品。新宿の尼寺ソープランドで、男が遠い昔に愛した尼僧のことを思い出す……というストーリーだ。

「失恋した男が『チクショー』と叫びながら尼寺の鐘をつくシーンは、切なすぎて涙が止まりませんよ! この作品のDVDをラジオで共演していた小島慶子さんに貸したんですが、やはり絶賛していましたよ!」

ロマンポルノは低予算で制作されていたため、新人の監督や脚本家が腕を磨くジャンルでもあった。そのため、過去の作品のなかには、現在大御所として活躍する人が手がけたものも多い。

「『バックが大好き!』という映画がありまして、これは後にドラマ『デカワンコ』などを手掛ける、売れっ子脚本家・伴一彦先生の作品なんです! バックのシーンはほとんどないんですが(笑)、さすがは伴先生、ストーリーが最高でしたね」

2009年のアカデミー賞・外国語映画賞を受賞した『おくりびと』の滝田洋二郎監督も、1981年にロマンポルノ『痴漢女教師』でデビュー。そのほか、森田芳光監督や周防正行監督などといった錚々たるメンバーもロマンポルノ出身だ。

AVとは似て非なる「ロマンポルノ」は、若き才能のほとばしりを見ることができる貴重な作品群でもある。

(取材/高篠友一)



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