選挙で勝てない民主・自民は、消費税増税法案を先送りさせる?

週プレNEWS / 2012年5月24日 10時0分

21日から衆議院では、特別委員会による「社会保障と税の一体改革」関連法案の審議が始まった。「この国会で成立させるとの思いは揺るぎない」と改めて強調した野田佳彦首相だが、野党どころか党内の調整さえもついていなのが現状だ。

はたして消費税増税法案は今国会で可決されるのだろうか。

「この国会を消費税増税に賛成か反対かという色分けだけで読もうとすると見誤ります。衆院解散・総選挙を早くしたいか先送りしたいか、9月の民主党代表選、自民党総裁選がどのように戦われるのか、という観点も必要です」

こう語るのは共同通信編集委員の柿崎明二氏だ。

「今、民主党は3つのグループに分かれています。衆院解散も辞さずに消費税増税関連法案を成立させようとしている野田佳彦首相ら“野田陣営”と、それに反対する“小沢グループ”。そして、主流派の中にも党分裂や敗北を恐れて解散すべきではないと思っている輿石東幹事長、樽床伸二幹事長代行ら“解散先送り派”がいます。また自民党でも、何がなんでも解散に追い込みたい谷垣禎一総裁ら“谷垣一派”と、今、谷垣総裁の下で総選挙をしても勝てないと思っている“反谷垣派”です」(柿崎氏)

このように現在の政局は、消費税増税への賛否だけでなく、総選挙の時期までもが加わり、かなり複雑になっている。

「なぜこうなったかというと、橋下徹大阪市長が率いる大阪維新の会が台頭してきたためです。それまでは“総選挙=自民党の勝ち”という単純な図式だったのが、今は“総選挙=勝者なく、維新が政権の一角を担う”という図式になってしまった。自民党は、民主党の人気が落ちているときに選挙をやりたかったのですが、維新が出てきた去年の暮れから雲行きが怪しくなってきたからです」(柿崎氏)

つまり、今、総選挙をしても、民主も自民も勝てない状態なのだ。

「そこで、今は総選挙を避けたいと思い始めた政治家が増えている。そうなると一番いいのが、衆院解散の引き金となりかねない消費税増税法案採決の先送り。国会を延長して審議、採決を先送りする。自民党は、最低保障年金の撤回など民主党がのみにくい要求をして協議が進まないようにする。あとは、野田首相が解散に踏み切れるかどうか。実は、この構図は去年の12月から何も変わっていないんですよ。国政が動いていない」(柿崎氏)

これでは、いったいなんのための国会なのだろうか。政治アナリストの伊藤惇夫氏が言う。

「既成政党が政権復帰や権力争奪のために駆け引きをやっている。これは国民にとってまったく利益がない。何も決まらずにズルズルといくことは国民にとって最悪なことです。消費税増税というのは日本の将来を左右する重要な法案ですから、ここまで対立構造が深まっているのであれば、政界再編を実現したほうがいい。もし再編で消費税増税の是非を国民に問うということになれば、それは日本の政治が一歩進むことでもありますから」

選挙という国民の声を避けたいがための駆け引きは、いったいいつまで続くのか。

(取材/村上隆保、頓所直人)



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