ビックカメラがコジマを買収した狙いは外資系量販店への対抗策

週プレNEWS / 2012年5月23日 11時0分

5月11日、家電量販店売上高5位のビックカメラが、7位のコジマを買収すると発表した。これにより両社の合計連結売上高は9824億円となり、業界1位であるヤマダ電機の1兆8354億円に次ぎ、業界第2位となる(※ビックカメラ11年8月期、コジマ・ヤマダ電機12年3月期)。

しかし、今回の買収劇は、前向きな戦略的合併というより、1990年代には業界首位に君臨したコジマの衰退に伴う“敗戦処理”的な意味合いが強いという。激安家電ハンターの、じつはた☆くんだ氏がこう解説する。

「猪突猛進で売れ筋商品に絞るコジマの最安販売戦略は、ひと昔前には非常に効果的でしたが、消費者の嗜好が多様化した現在では通用しない。『安値世界一への挑戦』という売り文句も、業界7位に沈んだ今のコジマが語るには無理があります。ヤマダに首位の座を追われた今世紀初頭に、時代の変化に気づき方向転換すべきだったのです」

コジマがビックから受ける出資総額約141億円のうち、120億円は不採算店舗の撤退など“戦後処理費”に消える見込み。しかし、ビックはなぜ、そんなコジマに手を差し伸べたのか。その裏には、日本の家電量販業界全体が直面する“危機”があるという。

「以前は世界最強の名をほしいままにした日本の家電量販店各社も、今やジリ貧状態(泣)。資金繰りは厳しく、頼みの国産家電メーカー発のヒット商品も出ず、国の支援も期待できません」(じつはた氏)

日本の家電量販店各社は、昨年3月の家電エコポイント終了と7月の地上デジタル放送移行で、需要を完全に先食い。市場規模は2010年の6兆円から、わずか2年後の今年は4.5兆円まで激減するとの予測もある。

「一方、そんな日本勢を尻目に、アメリカのベストバイや中国資本の蘇寧(スニン)電器、国美(ゴーメイ)電器といった巨大チェーンは近年、圧倒的な資金力で世界の市場を食い荒らしている。日本への本格上陸も時間の問題です。日本の量販店各社は独立独歩のこだわりを捨てて“国内大連立”を目指すか、方針を大転換して外資と手を結ぶしかありません」(じつはた氏)

つまりビックのコジマ買収の狙いは“対外資”。ソニーとパナソニックが有機ELテレビ事業で提携交渉に入ったように、日本の家電業界は製造メーカーだけでなく量販店も国内大連立の時代に突入している。

(取材/近兼拓史)

■週刊プレイボーイ23号『ビック・コジマ連合が「ヤマダ孤立」の引き金に!?』より



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