アジアンスマホはApple、国産メーカーのブランド神話を崩せるか?

週プレNEWS / 2012年5月29日 13時0分

台湾メーカーHTCは、初めて日本市場向けに開発したスマートフォン「HTC J」を5月25日、KDDI(au)から発売した。このスマホは、おサイフケータイ、ワンセグ、赤外線通信が搭載された、いわゆる“全部入り”で、乃木坂46のCMと共に発売前から話題となっていた。

こうした日本市場向けの機能が充実するスマホは、韓国LGも開発。ドコモから今夏、おサイフ、ワンセグ、赤外線のほか、防水機能まで搭載した「Optimus Vu」の発売を予定する。

日本のユーザーが好む“全部入り”の投入によって、いよいよアジアンスマホメーカーが本格的な日本進出を始めた……、と言いたいところだが、実はまだまだ参入への壁は厚い。ジャーナリストの石川温氏が語る。

「日本のユーザーは保守的ですから、全部入りかどうかで候補を絞り込んだ後、最後の決め手になるのはブランドへの信頼や安心感。そうなるとユーザーはそれまで自分が使っていたガラケーと同じメーカーを選ぶか、あるいは変えるにしても、有名国産メーカーに落ち着く」

HTCやLGがいくら世界的には日本メーカーより売れているといっても、台湾や韓国のメーカーの製品を積極的に選ぶ日本ユーザーは多くないという。

「アジアンスマホの日本法人スタッフも『そこを乗り越えるのは相当に難しい』とこぼしていますね。初代のGALAXY(韓国サムスン製)が日本でそれなりにヒットした要因のひとつは、サムスンというメーカー名をあまり前面に押し出さなかった点にあるぐらいですから」(石川氏)

しかし、それでは日本向け機能が全くないiPhoneのヒットを説明できないのでは?

「あれは別格。iPhoneユーザーは機能うんぬんでなく、iPhoneが欲しいから指名買いしている。スマホにさほど興味のない人までをも引きつける、飛び抜けたブランド力を持っているということです。いくら世界で一番売れているといっても、サムスンにはそれがない」(石川氏)

ただ、iPhoneの牙城は現時点で揺るがないとしても、日本メーカーの全部入りスマホは、アジア勢に足をすくわれる可能性がないとは言えないらしい。石川氏が続ける。

「今はスマホへの買い替え需要のピークにあるので、携帯電話時代からの継続性やなんとなくの安心感から、国産の全部入りを選ぶ人がやはり多い。しかし、国産メーカーの強みは逆にいえばブランドイメージしかありません。需要が一段落して中身勝負の時代になったとき、価格が安く、技術もあり、次々に新機軸を打ち出してくるアジアンスマホに太刀打ちできるだけの魅力を持った製品を出せるかどうかが問われるでしょうね」

アジアンスマホメーカーの日本参入によって、本当の“スマホ戦国時代”が始まろうとしている。



【関連ニュース】

週プレNEWS

トピックスRSS

ランキング