【プロ野球】日本人選手のホームラン数が激減している理由は?

週プレNEWS / 2012年6月4日 17時0分

昨年、2位に23本差をつける48本で本塁打王となった西武・中村。調子を上げてきたものの、今季の本塁打数は激減している

今シーズン、プロ野球界に“異変”が起きている。とにかく日本人長距離バッターたちのホームランが少ないのだ。6月3日時点、セリーグのトップは阿部慎之介(巨人)、平田良介(中日)の6本、パリーグは中村(西武)の9本。シーズンの3分の1消化時点で、この数字である。

※外国人を含めた順位は以下の通り(6月3日時点)



・セリーグ 1位バレンティン(ヤクルト)、ブランコ(中日)12本、3位ニック(広島)9本、4位ミレッジ(ヤクルト)7本、以下阿部・平田に続く



・パリーグ 1位イ・デホ(オリックス)10本、2位ペーニャ(ソフトバンク)、中村(西武)9本

また、全球団のホームラン数で見ても、昨季の同時期と比較して約3割減。いったい、なぜこんなことになってしまったのか。第1の要因は、言うまでもなく、昨季から導入された低反発の「統一球」だろう。

「加藤良三コミッショナーが『メジャー球に近づけよう』と音頭(おんど)を取って導入した統一球は、結果的にパワー自慢の外国人選手には影響が少なく、対照的に技術でホームランを打ってきた日本人の長距離打者にとっては“悪魔のボール”でした。ボールを上から叩いてスピンをかけて飛ばすという、日本で昔から教えられてきた基本が通用しないんですからね。阪神の金本知憲(今季1本)や新井貴浩(同4本)はその典型例です」(セ・リーグ某球団関係者)

だが、統一球だけでは、昨季からさらにホームランが減ったという事実は説明がつかない。昨季散々苦しんだ分、各チームとも今季はキャンプから“統一球対策”を練ってきたはずだからだ。

第2の要因は何か。前出のセ某球団関係者が次のように解説する。

「今季はとにかくストライクゾーンが広すぎます。特に左右のコースに甘すぎる。従来なら明らかにボールというコースでも、今季はストライクとコールされるケースが非常に多いんです。ひどいときは、ベースからボール2、3個分も外角に外れた投球でもストライクを取っていますよ」

これでは打者はたまらない。心理的にも受け身になるし、選手によっては無理に打ちにいってフォームを崩してしまうことにもつながる。阪神の金本など「ボール2、3個も外れたコースを打つ練習なんかしていない」と、5月29日の西武戦では公然と審判のジャッジを批判しているほどだ。

今シーズンは4月に前田健太(広島)が日本プロ野球で6年ぶりに、翌月には杉内(巨人)という日本球界を代表するエース2人がノーヒットノーランを達成している。そして三浦大輔(横浜)、山本昌(中日)など、コーナーを攻める投球術に長けたベテランも好調だ。

現時点では、極端な「投高打低」。どうやら、ホームランが少なかったと記憶に残るシーズンになりそうだ。

(写真/益田佑一)

■週刊プレイボーイ25号『プロ野球「ホームラン激減」ミステリー』より



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