セルジオ越後の一蹴両断! 第260回「五輪で勝ちたいならオーバーエイジ枠をフル活用せよ」

週プレNEWS / 2012年6月7日 19時0分

ロンドン五輪前哨戦で惨敗したU-23に対し、本番ではOA枠を使うべきと指摘するセルジオ氏。岡崎を召集しても面白い、と

前哨戦に惨敗した五輪代表。このままでは本番でも勝ち目はない!





前哨戦で厳しい現実を突きつけられたね。ロンドン五輪に出場するU-23日本代表がトゥーロン国際大会(フランス)に出場し、1勝2敗のグループ最下位で敗退した。覚悟はしていたけど、きつい結果だよ。





関塚監督にすれば、今大会は五輪本番のベンチ入りメンバー18人を絞り込む狙いがあったのだろう。本番でのメンバー入りが確実な清武(C大阪)、酒井(柏)らはA代表の活動を優先して不参加だった。じゃあ、彼らがいれば勝てたのか。それならいいけど、僕はそうは思わない。





今回戦ったトルコ、オランダ、エジプトは、試合を見るかぎり決してハイレベルなチームじゃなかった。エジプト以外は五輪予選を突破できなかったチーム。本番ではもっと強い相手に勝たなければいけないんだ。





特にヒドかったのは守備面。3試合で7失点。完全崩壊だよ。サイドを簡単に崩されて、セットプレーから失点を重ねた。相手のサイド狙いは明らかなのに、どうして試合中に修正できないのか。





攻撃面では宇佐美(バイエルン)、高木(ユトレヒト)ら、これまでほとんど招集されなかった海外組がたくましさを見せてくれた。ただ、彼らにしても、チーム力を劇的にアップさせられるわけではない。本番でスタメン起用されるかどうかは微妙だ。





いずれにしても、このままでは五輪本番で戦えないのは誰の目にも明らか。3連敗だった4年前の北京五輪と同じ結果になってしまう。非常事態だ。





これまで何度も言ってきたけど、五輪で勝ちたいなら、オーバーエイジ(24歳以上の選手を3人まで登録できる制度。以下、OA)枠をフル活用するしか手はない。それは関塚監督も原技術委員長もわかっているはず。





なのに、選手の所属クラブへの根回しが必要だというのを言い訳に、先送り、先送りでここまできた。もう本番まで2ヵ月を切っているんだよ。いかにも日本的だ。誰でもいいから、腹をくくって「この選手が必要。説得する」と意気込みを示せば、世論を巻き込めるはず。本気で勝ちたいなら、今からでもそうすべきだ。





ちなみに、もし僕が監督なら本田(CSKAモスクワ)、遠藤(G大阪)、闘莉王(名古屋)の3人をOA枠に希望する。トゥーロンでのU-23代表には、自分たちの思いどおりにならないときにリーダーシップをとれる選手が見当たらなかった。その点、キープ力のある本田は苦しいときでも前線でタメをつくれるし、闘莉王はプレーと声の両方で味方を鼓舞できる。遠藤はリーダータイプではないけど、試合の流れを読んだ冷静なプレーができる。





3人のうちどうしても招集できない選手が出てきたら、岡崎(シュツットガルト)でも面白い。顔面を蹴られてもゴール前に飛び込む彼のがむしゃらさを見たら、若い選手たちも黙って見ているわけにはいかないだろう。





そして、最後の切り札が香川(ドルトムント)の招集だ。移籍問題もあり、実現は難しいかもしれない。でも、彼が加わればチーム力がアップするのは確実。トライする価値はある。





何も手を打たないまま本番を迎えて、「また3連敗でした」というのだけは避けなければいけない。残された時間は少ないけど、今からでもやれることはやってほしいね。





(構成/渡辺達也、写真/益田佑一)



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