警察の“クラブ狩り”、その本当の狙いはクスリと暴力団への金の流れだった?

週プレNEWS / 2012年6月11日 19時0分

一昨年の秋から続く、警察のクラブ摘発。深夜、無許可で客にダンスをさせたという風営法違反がその罪状だが、今の時代、深夜のダンスを規制すること自体、そもそも時代遅れの発想だ。

なぜ、警察は1948年に制定された風営法に今もこだわり、“クラブ狩り”を続けるのか。東京・渋谷区にあるD店の店長A氏は、こう推測する。

「クラブへの出入りを繰り返し、覚せい剤所持で捕まったのりピー事件の印象も強いんでしょう。クラブ=ドラッグの悪いイメージがあると思います。今年の2月くらいかな? 池袋のほうのクラブに100人以上の捜査員が強制突入して、店にいた150人の尿検査をしたんですよ。結果は“全員シロ”。ホントに必死ですよね、警察も」

つまり、「ダンスが善良な風俗を害する」という風営法の規定は建前に過ぎず、その裏には「薬物取締り」の狙いがあるという。

「確かにクラブカルチャーって、ドラッグとか暴力的なイメージを含めて美化してる部分があるとは思うし、そこは否定しません。でも最近はどこも自主的にセキュリティを強めてるんです」(前出・A氏)

だが、摘発に際して事前の内偵捜査などを行なう警察なら、そうした動きを知らないはずはない。

「警察の狙いがわかりません。ただ、一連のクラブ狩りは2年前に大阪ミナミのアメリカ村から始まったこと。アメ村では取締りが一段落した様子ですが、そこで辣腕(らつわん)を振るったのが数年前、新宿・歌舞伎町の浄化作戦で陣頭指揮を執った人物で、アメ村を浄化した後、最近になって東京に戻ってきたという噂がある。真偽は定かじゃないけど、そんな噂が飛び交うほど、今回の摘発は本気できているということです」(西麻布にあるクラブE店のマネジャーS氏)

4月4日に摘発された大阪・キタ『NOON』の経営者、金光正年氏は、摘発の1ヶ月前に警察の立ち入り調査を受け、風営法の許可を取る(=午前0時以降はダンス禁止)か、ダンス営業をやめるかの選択を迫られた。結果、金光氏はクラブ運営を諦めたが、まさにその店内改装直前に摘発を受けたという。

摘発の際には、店内から預金通帳と帳簿が押収され、22日の勾留期間中、ほとんどが金の流れに関する取調べだった。

「捜査が変な方向に向かってるなと感じました。取り調べの席で見せられた預金通帳のコピーに『組織犯罪対策課』と書いてあった。風営法に関する取締りは生活安全課の担当のはず。不可解でした」(前出・金光氏)

クラブ事情に詳しい齋藤貴弘弁護士が続ける。

「『ダンスをさせたこと』が問題なら、どういう設備があって、客にどんなダンスをさせていたかが調べられるはず。組織犯罪対策課が捜査に絡んでいるなら、一連のクラブ摘発は暴対法や暴力団排除条例をにらんでいるのかもしれない。クラブが裏組織の資金源になっているんじゃないか、と疑われているということです」

現在のところ、摘発された店の中から暴力団との関係が発覚した事実はなく、金光氏も「100パーセントあり得ない」と反論する。はたして警察の真の狙いはどこにあるのか。それを明らかにせず、クラブカルチャーを根絶やしにしようとしている現在の摘発には、疑問を感じざるを得ない。

(取材・文/興山英雄)



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