セルジオ越後の一蹴両断! 第263回「五輪代表OA枠には拍子抜け。メダルを狙う人選ではない」

週プレNEWS / 2012年6月28日 13時0分

日本サッカー協会の原博実技術委員長は「メダル獲得」を目標に掲げるが、OA枠の人選にはセルジオ氏も大いに疑問

“納得感”のないOA枠選考。五輪代表の今後が心配だ!

どんなメンバーになるのかと期待していただけに、拍子抜けした。メダルを狙う人選ではないね。

日本サッカー協会がロンドン五輪の予備登録メンバー35人を発表した。注目のオーバーエージ(OA)枠はDF吉田(VVVフェンロ)、DF徳永(FC東京)、GK林(清水)の3人。

A代表でレギュラーとして活躍している吉田はともかく、徳永と林という人選には驚かされた。ふたりともJリーグで活躍しているいい選手だよ。ただ、A代表に定着しているわけでもないし、そこまで絶対的な存在ではない。失礼を承知で言うけど、ファンが期待していたのはもっと違う選手だよね。もう一度選び直してくれないかなというのが正直な気持ちだ。

U-23日本代表は5月のトゥーロン国際大会(フランス)で実質初めて世界の強豪と対戦し、3試合で7失点。OA枠を使って守備陣にテコ入れしようという意図はわからないではない。

でも、GKにはA代表の権田(ごんだ・FC東京)、サイドバックも酒井宏(柏→ハノーファー)、酒井高(シュツットガルト)という実力者がいる。彼らが林、徳永よりも劣るかといえば、大半の人がそうは思わないだろう。

実際、協会の原技術委員長は、林の選考理由について「権田に万が一のことがあったときのことを考えた」と発言している。ほかにテコ入れが必要なポジションがあるのに、贅沢にもOA枠の選手をサブメンバーとして考えているわけだ。意味がわからないよ。それじゃ選手や所属クラブに失礼だし、本人たちも困惑しているはず。

報道によれば、関塚監督はOA枠に長友(インテル)、細貝(アウクスブルク→レバークーゼン)、吉田の3人を希望していたそうだ。チームに上積みを期待できるメンバーだよね。ところが、所属クラブとの交渉が不調に終わり、実現したのは吉田ひとり。いくら協会が交渉ベタとはいえ、OA枠招集にハードルがあるのは事前にわかっていたこと。また、それなりの準備期間もあった。なのに、どうして“納得感”のある選考ができなかったのか。

選手は結果を残せなければ、批判され、場合によっては仕事を失うこともある。でも、原技術委員長をはじめ協会の人たちは責任を一切追及されない。おかしな話だ。

メンバー発表の会見に出席しなかったところを見ると、関塚監督も相当不満があるんじゃないかな。これまで予選を戦ってきたメンバーも今回のOA枠選考には納得いかないだろう。今後、チームの雰囲気がギクシャクしないか心配だね。

惨敗したトゥーロンの結果を受け、前線は選手の入れ替えがかなりありそう。守備陣にもOA枠の3人が加わる。ここにきてチームはほぼつくり直しだ。ただ、本大会を前にバタバタするのは、ともにグループリーグで敗退した4年前の北京(3敗)、8年前のアテネ(1勝2敗)と同じ。長期ビジョンがなく、誰も責任を取るつもりがない。結局、協会の本質は何も変わっていないんだ。

僕はあくまでメダル獲得を目指すべきだと思っているけど、こんな中途半端な姿勢なら、いっそのこと若手が経験を積む場と割り切って、OA枠を使わないほうがいいのかもしれない。ロンドン五輪はなでしこジャパンに期待するしかないのかな。寂しいね。

(構成/渡辺達也)



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