分裂危機の民主党。輿石幹事長が総選挙を先延ばしにする狙いは?

週プレNEWS / 2012年6月28日 17時0分

26日に行なわれた衆議院における消費税増税法案の採決は、賛成393票、反対96票で可決。だが、民主党内部からは小沢一郎元代表をはじめとする57人が反対票を投じ、欠席・棄権も15人。計72人の“造反者”が出た民主党は、分裂の危機を迎えている。

野党である自民党と公明党からは早期解散を求められ、小沢氏も新党立ち上げを調整中。そして野田総理も解散に前向きとなれば、総選挙を阻害しているのは「選挙をしたくない族」の親玉である輿石(こしいし)東幹事長しかいない。

だが、解散は総理の専権事項。ならば輿石氏はどのようにして選挙を先延ばしするのか? 霞が関某省のキャリア幹部、B氏が輿石氏の老獪(ろうかい)な戦術を解説する。

「そもそも輿石さんは、小沢グループの議員たちが造反しても除籍処分にしないかもしれないですよ。マニフェストに載っていなかった消費税増税を実現するためにマニフェストの重要な政策をアッサリ捨てちゃうんですから、なんでもアリです。組織を維持するためならば、党議拘束とか原則論にも固執しない人だと思います。もし小沢グループが離党しても、特例公債法案と選挙制度改革法案を提出し、ダラダラと可決を引き延ばす戦術を取るでしょう」

特例公債法案とは、赤字国債を発行するために毎年制定しなければならない1年限定の法律。全予算の半分近くが赤字国債なので、これが通らないとどうにもならない。昨年も、菅前首相が自らのクビを差し出してまで通過させた重要な法案だ。

「先に消費税増税法案を可決したのなら、早期解散に追い込みたい自民党にとっては、特例公債法案に賛成するか否(いな)かが野田さんから解散の言質(げんち)を取るための最後の交渉カードとなる。輿石さんはそれを逆手(さかて)に取ってズルズルと9月の自民党総裁選まで審議を長引かせ、谷垣さんを落選させちゃえって狙いですね」(B氏)

民主党も代表戦があるが?

「輿石さんにとっては、野田さんが再選しようが他の人がなろうが、惨敗確実な選挙を先延ばしにさえできればいいんです。さらに選挙制度改革法案。少数政党の議席が増え、主に公明党が有利になる『比例代表連用制』を提出する。これも自民党が賛成しにくい内容です。となると選挙も先延ばしになり、自民党と公明党の連携を分断できるかもしれないから一石二鳥なのです」(B氏)

ということは、追い込まれているのは野田総理でも小沢グループでもなく、自民党なのか?

「自民党にとって、自分たちがやりたくない増税を代わりにやってくれる野田さんはありがたい存在だった。だから利用した。しかし、もし選挙制度改革法案で民主党と公明党が手を握ってしまえば、参議院においても“ねじれ”が解消されてしまい、自民党は無力化してしまいます」(田中氏)

結局、政局の中心人物たちは自己保身と私利私欲によってのみ行動しているということだ。

(取材・文/菅沼 慶)



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