セルジオ越後の一蹴両断! 第264回「悔しいけど、欧州選手権とアジア杯は雲泥の差」

週プレNEWS / 2012年7月5日 15時0分

“順当”でも魅力的だった欧州選手権。今からブラジルW杯が楽しみだ!

どんなサプライズがあるかと楽しみにしていたけど、終わってみれば、実力国が順当に勝ち上がった大会だったね。

ポーランドとウクライナによる共催となった今回の欧州選手権(ユーロ 2012)、準決勝に残った4チーム(ドイツ、イタリア、スペイン、ポルトガル)のメンバーの所属クラブを見ると、イングランド、スペイン、イタリアという、いわゆる“三大リーグ”の強豪クラブ(それにプラスしてドイツでも特別なクラブのバイエルン・ミュンヘン)の主力が、ほかの出場国よりも多かった。タレントの豊富さが、そのまま結果につながったという印象だ。やっぱり、普段から高いレベルでもまれることが大事だね。

4チームとも主力は30歳以下の選手が多いので、あと2、3年は世代交代をしなくても問題ない。2年後のブラジルW杯でも有力な優勝候補に挙げられるだろう。個性的で勢いのある若手への切り替えが進む地元ブラジルとの対戦が今から楽しみだよ。

選手個人で見ても、前回大会のアルシャービン(ロシア)のような新星は現れなかった。C・ロナウド(ポルトガル)、イニエスタ(スペイン)、ピルロ(イタリア)、エジル(ドイツ)など活躍を期待されていた選手が期待どおりの活躍をした。

僕が注目していたイタリアの“問題児”FWバロテッリもそのひとり。ボールを持ったら、とにかくシュートを打つ。何度でも打つ。自分中心の野性的なプレースタイルがいい。

後半途中から出場したグループリーグの最終戦、ゴールを決めた後にベンチに向かって険しい顔つきで何かを叫び始めたのを、祝福のため駆け寄ったチームメイトが慌てて口をふさいでいたシーンには笑ったね。監督に向かって「俺をスタメンで使え」と言いたかったのかな。実力があるのが大前提だけど、バロテッリみたいなプロレス的な個性を持つ選手はいまどき貴重だし、見ていて楽しいよ。

大会全体を通じて大きなサプライズはなかったけど、面白くなかったかといえば、まったくそんなことはない。

まず、どの試合もレベルが高い。各スタジアムともピッチの下が柔らかそうに見え、ゴール前ではボールがボコボコとイレギュラーに弾んでいたけど、技術があるから関係ない。選手たちはしっかりと自分のプレーを見せていた。また、スタジアムの雰囲気も素晴らしい。テレビ画面を通しても盛り上がりが伝わってきた。

日本でのテレビ中継は深夜から早朝なので見るのが大変だったけど、それでもちゃんと話題になる。普段サッカーを見ない人からも「ユーロって面白いですね」と声をかけられる。やっぱり、すごい大会だよ。

悔しいけど、アジア杯とは雲泥の差があるし、あらためてアジアのW杯出場枠4.5は多すぎると思った。日本代表がW杯最終予選で順調なスタートを切ったからといって浮かれている場合じゃないね。日本がブラジルW杯で前回南アフリカW杯のベスト16を超えるためには、ユーロで上位進出するような国に勝たなければいけないんだ。単に「ユーロはすごい」でおしまいではダメ。今の日本に何が足りないのか、どうすれば勝てるのか、ちゃんと分析しないとね。日本の選手もメディアもファンも、そういう意識を持たなければいけないよ。

(構成/渡辺達也)



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