再生可能エネルギーは脱原発の“即戦力”にはならない

週プレNEWS / 2012年7月8日 12時0分

7月1日、再生可能エネルギーの「固定価格買い取り制度」が始まった。太陽光や風力など自然エネルギーで発電した電気を政府が決めた価格で電力会社に買い取らせるもので、脱原発の機運が高まっている今、代替エネルギーの普及を後押しする。

はたして、再生可能エネルギーは脱原発の“切り札”になり得るのか。電力中央研究所・主任研究員の朝野賢司氏はこう説明する。

「現状、電気を貯蔵することはコストが非常に高く現実的ではないため、電力を供給する側が重視するのは、ピーク時にいかに出力できるかという点です。しかし、再生可能エネルギーのうち太陽光や風力は発電能力が自然条件に大きく影響されてしまう。これらは『間欠性電源』と呼ばれ、必要なときに頼りになるかどうかわからないので、メインの電源としては考えづらいのです」

例えばドイツでは、今年5月の好天の日に「太陽光発電能力が原発22基分に達した」という報道があったが、それでも昨年の年間総発電量における太陽光の割合は3%程度にとどまっている。

また、風力発電は「間欠性」の問題に加えて立地地域や自治体の反対の声が大きく、発電効率の高い場所に大量設置するのは現状では難しいという。

「諸条件を考えると、日本に最も向いている再生可能エネルギーは地熱発電だと思います。ただ、その熱源はたいてい温泉の出る場所や国立公園などにある。多くの温泉街は湯量への影響を懸念して開発に反対していますし、国立公園の開発についても規制緩和がまだ不十分。越えなければいけないハードルはかなり高いんです」(朝野氏)

そしてもちろん、再生可能エネルギーはコスト面でも課題がある。資源エネルギー庁が5機関に依頼した試算では、2030年に原発ゼロとした場合、現状の電源構成をキープしたケースと比較するとGDPが1~5%押し下げられるという結果になった。

脱原発の実現に向けて期待がかかる再生可能エネルギーだが、現状はまだまだ“即戦力”とは言い難いようだ。

(取材/コバタカヒト)



【関連ニュース】

週プレNEWS

トピックスRSS

ランキング