消費税増税法案に仕掛けられた自民党の“黒い思惑”とは?

週プレNEWS / 2012年7月10日 10時0分

民主党分裂の決定打となった『社会保障と税の一体改革関連法案』が、いよいよ11日から参議院で審議入りする。民主・自民・公明の3党合意により成立がほぼ確実視されている同法案だが、実はこの法案には自民党のある思惑が隠されていた。

消費税増税法案の3党合意の場で交わされた『確認書』。全21ページにも及ぶこの文書の『附則第18条第2項』には、増税分の予算を何に使うのかが定められている。その中の<事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分する>という一文こそ、自民党が官僚に指示して書かせた“霞が関文学”的な仕掛けなのだ。

この資料を提供してくれた経済産業省の中堅キャリア官僚、S氏が解説する。

「防災や減災という単語は、誰もが納得しやすいから使用しているだけです。“霞が関文学”的キーワードは、<減災等に資する>という部分の『等』と『資する』の文言。『等』という1文字がつくだけで、防災や減災にあまり関係ない分野にも使えるようになる。『資する』も同じく、防災に限定されず使途を広範囲化させる目的のワードです」

“霞が関文学”は解釈が曖昧になる語句を文章にあえて盛り込むことで、その適用範囲を無限に拡大するものだという。こうしたトラップは、まだある。

「<歳入庁その他の方策の有効性、課題等を幅広い観点から検討し、実施する>という箇所です。文末に『実施する』とありますが、これは決して実施するという意味ではない。その前の『検討し、』という部分が重要なのです。その心は、いつまでも検討して、永久に実施しないという意味です。つまり、歳入庁創設という計画はもう完全に消えたのです」(S氏)

それでは、なぜ自民党はこんな文章を官僚に書かせたのか。民主党の若手議員、K氏が説明する。

「選挙対策ですよ。政局はもう、いつ解散総選挙があってもおかしくない情勢。建設業界や不動産業界などからの票欲しさに、総選挙後に自民党中心の政権ができれば公共事業でバラまくよ、というメッセージを送っているんです。3党合意は自民党主導で行なわれた。彼らは野党であるにもかかわらず、消費税増税分を公共事業に使えるようにしてしまった。法案の名前は『社会保障と税の一体改革』なのにね」

来るべき総選挙で政権を奪取するために、公共事業のバラまきをチラつかせて票を集めようとしている自民党。はたして、総選挙後の政局は彼らの計画通りに進むのだろうか。

(取材/菅沼 慶)

■週刊プレイボーイ30号「社会保障と税の“不一体”改革で20代を襲うこれだけの不利益!!」より



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