財務省がデフレ解消対策をしない理由とは?

週プレNEWS / 2012年7月20日 18時0分

災害に強い国土づくりを目指す「国土強靱化計画」。6月4日に自民党が国会に提出したその「基本法案」には、長期にわたり巨額の公共事業投資を推し進めることが明記されている。長引く不景気の“元凶”とされるデフレの「脱却の糸口になる」と谷垣総裁自ら語る同計画について、日本の財政を握る財務省はどう見ているのか。

財務省の中堅キャリア官僚、M氏は次のように語る。

「自民党の公共事業に頼る政策は、もしかしたら景気が上向き、デフレが解消して税収が増える方向に向かうかもしれません。でも財務省としては、そうなっては困る事情があるのです」

M氏によると、財務省は解決するどころか意図的にデフレ状態を維持しているのだという。

「国の借金とは、公債のことをいいます。公債には当然、金利が発生します。今は超低金利なので、実は償還(返済)がそんなに大変ではない。しかし景気が上向いて経済がインフレ方向に進むと金利が上昇します。そうなると償還が急にキツくなってくる。ちょっとやそっと税収が上がったところで、それ以上の額が金利上昇によって吹き飛んでしまうのです。こうなると国の財政は悪化の一途をたどることになる。だから財務省は、日本経済をデフレのままにしておきたいって気持ちもあるんですよ。従って日銀にも思い切ったデフレ解消対策をやらせないのです」

経済学者のなかにはお札をどんどん刷ってその価値を下げ、デフレを脱却させる「インフレターゲット」の必要性を唱える者もいる。だが、それをしないのには財務省なりの理由があったというワケだ。

「自民党は10年で200兆円の公共投資をたくらんでいます。特に最初の3年間は年間30兆円規模の投資額強化期間に設定しています。これで、もし景気が上向きに反応して公債の金利が上がったら、日本の財政はパンクしてしまうかもしれないんですよ」(M氏)

財務省のホームページによると、2012年の公債残高(国の借金)は700兆円に達している。デフレを解消することもなく、悪化した国の財政を再建する有効な手立てなどあるのだろうか。

(取材・文/菅沼 慶)

 



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