オリンピック開催中のロンドンで、加藤ミリヤと25人のダンスチーム“MY BEATS”が、日本の元気を世界に発信!

週プレNEWS / 2012年8月2日 13時0分

5組のダンスチームで結成された「MY BEATS」が、7月30日(現地日時)、加藤ミリヤと共にロンドンでパフォーマンスを行なった

会場を埋めた約500人の観客の盛り上がりを見た瞬間、パフォーマンスを終えた“MY BEATS”の岩崎隆一は、ステージ上で思った。

「勝った!」

7月30日、オリンピック開幕から4日目のロンドン。オリンピック・スタジアムにほど近いライブハウス“KOKO London”で、加藤ミリヤと25人のダンスチームMY BEATSが、パワフルなパフォーマンスで会場を沸かせた。

出身地も年齢も性別も、そしてダンスのジャンルすら異なる25人のダンサーたちは、それぞれの思いを胸に、夢のステージに立っていた――。

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5人1組でチームを作り、全国から200組以上、1000人を超す応募があったコカ・コーラ『MY BEAT CONTEST』。今春から全国8ヵ所で行なわれた予選ステージ、そして7月初旬の決勝ステージを勝ち抜き、ロンドン行きのチケットを手に入れたのが、“九州男児Jr.”“美姫”“ろんどどんろんマン”“MAD ROCKK”“MAX OUT”の5組だった。

この25人がMY BEATSというひとつのグループとなり、加藤ミリヤと共にロンドンのステージから、日本の元気とパワーを世界に向けて発信した。

7月20日から1週間行なわれた事前合宿。不安を胸に参加したのは、決勝ステージで加藤ミリヤに「ぜひ、一緒にパフォーマンスしたい」と指名された、アクロバットを得意とする美姫に所属する高校1年生、相根心だった。

「5人だったら、どんな振付だってすぐに揃えられる。だけど、ダンスのジャンルも年齢も違う25人で合わせられるのか――」

逆に期待を口にしたのは、ブレイクダンスやHIP HOPを得意とするチームが多かった中、異色のタップダンスを武器に勝ち上がった、ろんどどんろんマンのリーダー、大学生の板倉美穂だった。

「最強の5組が集まったんだから、同じ方向を向けば揃わないはずがない!」

だが、多くのメンバーが「ダンスを揃える」ことを意識する中、「揃えたんじゃ意味がない」と感じていたのが大学生、MAD ROCKKの岩崎だ。

「単純に揃えて踊ることは誰でもできる。でもそれじゃ、この25人が集まった意味がない、5組それぞれ武器が違う。25人の個性もそれぞれ違う。誰でも、その瞬間にしかできないダンスがある。だから、それぞれの武器に誇りを持って気持ちをひとつにすればいい」

そして、それはMY BEATSの振付を担当した、Not yetやASIAN KUNG-FU GENERATIONなどのPV、多くのCMの振付で活躍する“振付稼業air:man”の思惑と同じだった。

「個性がバラバラという要素を無理にひとつに統制するのではなく、それぞれの個性をいかした状態でひとつのショーを構成しようと考えました。全国から勝ちあがってきた技術のあるメンバーなので、なにも心配はしてません。唯一、スキルがあるからこそのプライドで、みんなでひとつの演目を作り上げるというモチベーションがキープできるかどうかが気がかりです」

 

しかし、air:manの思いは杞憂(きゆう)に終わる。

午前、午後の二部練習と、合宿は初日から過酷を極めた。全員が中学生の九州男児Jr.、15歳の堀壱成は最初の練習を終え、「足を引っ張ってる。ついていけないんじゃないか」と不安に陥(おちい)った。だが、休憩時間中、多くのMY BEATSのメンバーが彼にステップを教えた。

「本当に嬉しかったです。不安になってるばっかじゃダメだって思えました」

バラバラの個性を持つ25人が、少しずつチームになっていく。合宿6日目の7月25日には、親睦を深めるために全員でバーベキューを行なった。パーティーが終盤に近づくと、メンバーの誰かがラジカセを持ち込み音楽を流す。自然とリズムを刻み、踊り始めるメンバーたち。年齢も出身も、得意なジャンルも違うダンサーたちの絆(きずな)を強くしたのは、やはりダンスだった。

7月26日、加藤ミリヤとの最終セッションを行ない合宿は終了。翌27日、MY BEATSはロンドンへ発った。19歳の専門学校生、MAX OUTの中原光稀は「できることは全部やりました」と胸を張る。

「後は本番を楽しむだけ。オリンピック競技にダンスはないですよね。僕らはダンスの日本代表のつもりでステージに立ちたいと思います。僕たち25人だけじゃなく、加藤ミリヤさんを含めた26人で、『日本は元気なんだぞ!』って世界に伝えます」

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現地時間7月30日、午後7時。ライブハウス“KOKO London”は、ロンドン市内からだけではなく、イタリアや北米から駆けつけた約500人の観客で埋め尽くされていた。口火を切ったのは、MY BEATSのメンバー。オープニングはオリジナルの5組に分かれ、ソロパフォーマンスで会場を盛り上げる。その後、加藤ミリヤが満を持してステージに登場。『恋シテル』を英語バージョンで歌い上げた。さらに、「ロンドンが大好きで、毎年来ています。そして、今日が記念すべき最初のソロステージ。盛り上がっていきましょう!」と流暢な英語のMCで会場を沸かせた。

ライブ最後の曲、コカ・コーラ ロンドンオリンピックのキャンペーンソングでもある『HEART BEAT』のイントロが流れる。加藤ミリヤと25人のMY BEATSがステージに現れると、大歓声が巻き起こった。その歌唱力、そしてMY BEATSの躍動感みなぎるコラボパフォーマンスに、会場全体がビートを刻み熱狂に包まれる。

世代も、国籍も違う観客と、ロンドンでひとつに――。その景色を加藤ミリヤはこう表現した。

「日本の元気とパワーを世界に向けて発信できました。日本代表選手団のみなさんに、私たちが創ったビートとエネルギーを感じてもらえるような最高のパフォーマンスができたと思います! お客さんもパフォーマーも一体になって、オリンピックは『世界がひとつにつながる最高のパーティー』だと実感しました」

夢の舞台に立った加藤ミリヤとMY BEATSは、パフォーマンス終了後、感極まり涙を流した。その姿は、まるで表彰台に立つアスリートに似ていた。この日、この舞台は、もうひとつのオリンピックだったのかもしれない。

初めてメンバーが顔を揃えた日、「それぞれの武器に誇りを持って気持ちをひとつにすればいい」と思っていた岩崎は、この日のパフォーマンスを、胸を張って振り返った。

「気持をひとつにできました。日本人が世界でどう見せられるかという勝負。観客の盛り上がりを見た瞬間、勝ったと思えましたね。会場のお客さんと一緒になって楽しむことができたのが何よりです」

このステージの終了と同時に、MY BEATSは解散。だが、彼らは夢の続きを歩き始めている。練習初日に挫(くじ)けそうになった堀は、その目を輝かせ言った。

「今日は本当に楽しかったです。でも、満足したらそこで止まっちゃうから。もっと、もっとダンスが上手くなりたい。夢は世界で活躍する世界一のダンサーです。今日のステージを、そのための最初の一歩にしたいです」

(取材・文/水野光博、撮影/佐賀章広)





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