脱原発デモの先に何が見えるのか? ラッパー・Kダブシャイン「義憤に堪えかねたら、暴れてやろうという思いはある」

週プレNEWS / 2012年8月18日 6時0分

「今回のデモは女性が積極的に煽動して広がっているムーブメントという認識がある」とKダブシャイン氏は語る

結局、今時のデモはどうとらえたらいいのだろう。参加することになんの意味があるのか? 何かを成し遂げることはできるのか? 今回は若者から熱烈に支持されるラッパー・Kダブシャイン氏を直撃します!

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ミュージシャンやアーティストの行動には影響力があるし、同業者が曲で何かやってるって思うと、「オレもなんかやんなきゃな」って、そういう刺激がすごくいい。だから、積極的にデモに参加している人たちが、2、3年後にどういうふうに世の人に見られるか。「音楽やってるんなら、それくらいの勘は利かせろよ」って感じる。そもそも人気商売なわけだし、本来ミュージシャンが敏感なのはそこだと思うから。

とはいえ、オレ自身はいわゆる反原発、脱原発の主流の人とはそこまで歩調は合ってない。もうちょっと俯瞰したいし、逆に原子力から受けた恩恵だってあったわけで、いきなり100%否定っていうのはちょっとずるいなと。でも、福島の人のことを考えると、「ふざけるな! 止めたい!」と思うんだけど。

そこでオレは、それこそ報道されない、権力が隠したいことや、暴力が起きているのかを自分の目で見ておいてやろうと。義憤に堪えかねたら暴れてやれ、みたいな思いもひそかにありつつ、デモを観察しています。いざというとき、自分に失うものがないって覚悟ができれば、「いつでも暴れるぜ!」という気持ちでね。

一方、今回のデモは女性が積極的に煽動して広がっているムーブメントという認識がある。どうしても男性は会社や組織社会で生きているので、そこでは経済のグローバリゼーションという地球上を取り巻く大きなうねりがあって、すべてはデータと数字によって国際情勢の向かうべき方向として進んでいる。その象徴としての原発が暴れ出し、それに対して女性が率先して、男たちに「何をやってるの」と。「一番は家族の健康だ」と主張している。まだまだ子供を産みたいし、母親として、人間として安心して生きたいという主張が広がっていってる気がします。

ツイッターやフェイスブックの影響でエジプトやアラブの春、アメリカのオキュパイ・ウォールストリートがあり、世界的に60年代の民主化運動みたいなものがまたよみがえってきている気もします。50年に一度のサイクルという気もするし、だからといって今のようなデモだけで、「これで意思表示したぜ、オレたちは!」と、まだまだ満足してほしくないですね。

(取材・文/有太マン、撮影/井上太郎)

■Kダブシャイン(けー だぶ しゃいん)



ジャパニーズHIP HOPの黎明期より活躍するラッパー。社会問題へ意見することも多い。8月15日の終戦記念日より、3・11以後の日本をテーマにした新曲『沈まぬ太陽』が配信開始



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