請求書なのに日付ナシ? ズサンすぎる最高裁会計処理の実態

週プレNEWS / 2012年9月18日 13時0分

常識では考えられない、日付のない請求書。右上に「用度課」の印はあるが、取引先の日付がなければ書類として成立しない

日付のない「納品書」や「請求書」が認められないことは会社員であれば誰でも知っている。しかし、こんな“社会の常識”がどうやら司法トップの最高裁判所には通用しないらしい。

「検察審査会ハンドブック」(以下、ハンドブック)という冊子の印刷に関して、最高裁と印刷会社の間でやりとりされた書類(2007年度から2011年度)に、「日付」のないものが多数含まれているのだ。

このハンドブックは一般の国民から検察審査員に選ばれた人のために検審制度について解説した冊子で、検審を所管する最高裁が毎年、東京都内の印刷会社に製作を委託している。

書類のうち、印刷会社から最高裁に提出された「見積書」や「請求書」に日付のないものが6通。代わりになのか、最高裁事務総局経理局「用度課」の「受領印」(日付入り)が押されているものもある(2009年度から2011年度)。また、「納品書」についても日付がない(3通)ばかりか、納品書自体がない年もある(2007年度から2009年度)。

さらに、印刷会社との間で交わされる「契約書」については発注額が150万円以下なら省略できるため、「契約書は作成していない」(最高裁事務総局広報課)という。

つまり、ハンドブックの印刷は契約書もない、請求書の日付もない、納品書もない商取引というわけだ。これではハンドブック製作の契約がいつ正式に結ばれ、いつ契約が終了したのかわからない。

こうした通常では考えられない、日付のない書類がなぜ通用するのだろうか。2010年度までハンドブックを印刷していた印刷会社や2011年度の印刷を請け負った会社に問い合わせたが、いずれも「担当者がいないので」と言うばかり。では、取引先の最高裁はなんと答えるのか。

「書類に日付がないということですが、裁判所のほうで日付入りの受領印を押すことで書類の提出日を明らかにしています。現在は日付欄が空欄の書類を業者が出してきた場合は、窓口で日付を書くよう促したり、日付を記載した上で、再度、書類を提出してもらったりしています」(最高裁事務総局広報課)

実は、この日付のない書類の問題は7月に開かれた参議院の決算委員会でも取り上げられ、会計検査院の担当者が次のように答弁している。

「会計事務の処理につきましては、適正な内容が記載された請求書、納品書などの会計書類に基づいて行なわれるべきであり、日付の入っていない請求書や納品書により会計処理を行なうことは望ましいことではないと考えております」

お役人らしい控えめな言い方だが、要は日付のない書類は「不適切」と言っているのだ。

検審の問題を追及してきた参議院議員の森ゆうこ氏(国民の生活が第一)が指摘する。

「日付の問題について、最高裁はこれまでなんとも思っていなかった。私が指摘し、『国会で追及しますよ』ということになって、ようやく業者に日付を書かせるようにしたんですよ。最高裁の経理処理の体質を表しているのではないでしょうか」

公文書として、あまりにもズサンな対応。これが“法の番人”である最高裁のシゴトとは、聞いてあきれる。

(取材・文/西島博之)

■週刊プレイボーイ40号「『検察審査会』が最高裁の“裏金作り”に使われている?」より



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