東京都が検討中の『自転車ナンバープレート義務化』は良策か? 愚策か?

週プレNEWS / 2012年9月20日 6時0分

東京都が想定する自転車用ナンバープレートのサイズは5×15cm程度。写真で付けている車用のサイズのものの6分の1ほどの大きさで、ホントに見えるのか……?

9月4日、東京都内の自転車ユーザーを驚かせるニュースが駆け巡った。東京都が自転車へのナンバープレート装着義務化を検討中で、自転車購入時のデポジット制度の導入とともに、条例化を検討しているというのだ。

しかし、東京都はこう反論する。

「条例化を検討ですか? 今はまだそんな段階ではありません。東京都はこの5月より、有識者および幅広い関係者による『東京都自転車対策懇談会』を設置、自転車をめぐる諸問題を議論してもらいました。ナンバープレートの義務化は、そのなかで出てきた議論です。東京都はこの懇談会でまとまった提言を受け、今後の自転車施策を構築していくという立場です」(東京都青少年・治安対策本部総合対策部 交通安全課)

つまり現段階では、具体的な条例化のスケジュールが決まっているわけではないという。では、懇談会では何が話し合われ、ナンバープレートの義務化という方向性が固まったのだろうか?

まず義務化を推進する理由として出されているのが、自転車とバスが絡む事故が多発しているためというもの。自転車の後輪の泥よけ、またはフレームの後部に5×15cmくらいのサイズのナンバープレートをつければ、現在、路線バスにおいて普及が進んでいるドライブレコーダーによる記録が容易になり、原因究明に役立つというのだ。

しかし、動いている自転車の、わずか5×15cmというサイズのプレートに書かれたナンバープレートの文字が、ドライブレコーダーで特定できるのだろうか。

ひったくりの防止などの「防犯」という目的で義務化を主張する議員もいるが、原付バイクやオートバイによる現実のひったくり事件は、ナンバープレートを曲げて他人から見えにくくしたり、ライトの類いを消して凶行に及ぶなどは当たり前のはず。自転車に限ってナンバープレートを堂々と見せながら襲う間抜けな賊はいないと思われる。

そして、このナンバー制度と並行して議論されているのが自転車購入時のデポジット制度だ。これは、購入時に一定の金額を「預け金」として徴収。利用者が廃車にする際や東京都外に転出する際に、その「預け金」を払い戻すというものだ。

「電化製品やクルマのリサイクル制度にも導入済みだから、自転車にも導入して当然」、「この制度があれば、安価な自転車を使い捨て感覚で放置することがなくなる」などといった声が、制度の導入を後押ししている。

しかし、これではそもそも自転車を放置しないユーザーが、放置するかもしれない悪質なユーザーのための費用を負担するということになる。それに、国全体の制度として行なわれている家電製品やクルマのリサイクル制度と、東京都だけで行なうデポジット制度を同列に比較するのは、かなり乱暴な気もする。

あたかも既定路線のように、利用者不在のもとで推し進められようとしている「ナンバープレート義務化」や「デポジット制度導入」。激増する自転車の危険走行対策なら、ほかにもっと効果的な手段がありそうなものだが……。

(取材・文/「自転車ナンバープレート義務化」取材班)

■週刊プレイボーイ40号「東京都自転車ナンバープレート義務化に異議あり!!」より



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