アップルの独占状態に対抗できるのは中国の海賊版スマホだけ?

週プレNEWS / 2012年9月26日 15時0分

各地で盗難騒ぎまで巻き起こっているiPhone5。世界の販売台数が最初の週末だけで500万台を突破する人気ぶりで、向かうところ敵なしといった状態だ。もはや、アップルに勝負を挑むメーカーはないのか?

大手証券会社アナリストのA氏が語る。

「現在、iPhoneの部品の大半は韓国、日本、ドイツ、アメリカ、中国の5ヵ国で製造されています。1台500ドルで、今年も少なく見積もっても1億台は売れるでしょう。正直言って、リスクを冒して競合機種を開発するより、アップルの下請け仕事と、iPhone周辺の関連商品をつくっていたほうが確実でもうかるでしょうからね。難しいと思います」

そんなA氏の言葉を裏付けるように、最近、社業の危機を報じられている国内某家電メーカーの技術部長B氏が、ため息まじりに同社のスマホ事業の実情を明かす。

「昨年から自社端末開発はストップしています。恥ずかしながら、今命じられているのはiPhone用のアプリの開発。もう家電屋の仕事じゃありませんよ……。でも、これだけ主要技術を特許で押さえられた上、強烈な訴訟ぶりを見せつけられると、もともと裁判の苦手なウチは、『ひょっとすると訴えられるかも』という技術使用は避けることになり、当たり障りのない製品しかつくれません。そうなると、売り上げジリ貧で撤退するしかなくなる。正直、今は技術以上に、特許裁判で勝てる資金力のあるアップルとサムスン以外のメーカーが革新的な機種を作るのは難しいです」

国産メーカーがスマホづくりをあきらめ、アプリ開発にいそしんでいるとは驚きだ。これでアップルの“ひとり勝ち”は決定か?

“ニッポン家電メーカー信者”の家電ジャーナリスト、じつはた☆くんだ氏が語る。

「せいぜい期待できるとすれば、特許なんて気にしない、“パチモノ”づくりのプロである中国の泡沫メーカーぐらいでしょう。実は最近、そうしたメーカーがつくる海賊版スマホの、電池の持ち時間の長さと処理速度の高速化がちょっとした話題です。電池をバカ食いするスマホにとって、節電技術は根幹技術のひとつ。当然、相手の技術の妨害のためのカウンター特許だらけです。でも、アップルとサムスンのいいとこ取りをしたスマホをつくれば、電池の持ちは延び、処理速度もグッとアップさせられるというカラクリです。安い海賊版のほうが高性能になるなんて皮肉ですが、本来、消費者の利便性を向上させることが目的の特許を、ライバルの妨害や利益保全のためだけに使おうとするから、そういうことになるのです」

とはいえ、そんな海賊版スマホに多くの期待をかけるわけにもいかない。もはやアップル独占のスマホ市場に、自由な未来は残されていないのかもしれない。

(取材・文/近兼拓史)



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