ロボット工学の権威が断言!「巨大人型ロボットは実現可能だ」

週プレNEWS / 2012年10月3日 14時0分

緻密な設定のもと、リアルに描写されたロボットが登場するアニメは少なくない。ロボット工学は日々進化し、新たな技術も登場している。果たして、現実世界で夢の巨大人型ロボットを実現することはできるのだろうか。

立命館大学・総合科学技術研究機構・先端ロボティクス研究センターのチェアプロフェッサーであり、『あのスーパーロボットはどう動く――スパロボで学ぶロボット制御工学』(日刊工業新聞社)の著者でもある金岡克弥博士に、最新のロボット工学に基づいた見解を伺った。

「実現可能です!……が、もちろん制約があり、なかでも最大の制約は身長です。実は工学的に適切な身長は2~5m程度で、無理をしても10m。それ以上のスケールのものだと、一番の問題点となるのは素材の強度なんですよね。鉄やジュラルミンなどの金属では強度が低すぎて、せいぜい10m程度が限界。ロボットの大きさと必要になる強度は比例していくため、それ以上のスケールとなると難しいわけです」

金岡博士によると「(設定上)18mある『ガンダム』であれば少なくとも今ある金属の2倍近く、105mもある『イデオン』になると10倍の強度の素材が必要になる」とか。

「つまり、大きくなればなるほど強度の問題で実現性は低くなります。けれど、とてつもなく高強度の素材が見つかれば100m級のロボットだって作れるはず。スケールが大きくなって重量が増えるほど慣性が効いてくるので、むしろ制御はしやすくなるくらいです」

巨大ロボットといえば『超時空要塞マクロス』のバルキリーのような変形ロボや、『機動戦士ガンダムZZ(ダブルゼータ)』のZZガンダムのような合体ロボ。やはり実現させるのは厳しいのだろうか。

「現状では難しい。ここでも一番の問題は素材なんです。あれだけの変形や合体をするとなると、各部の結合箇所を細かい部品でつなぐことになりますが、そうなると今の金属などでは強度的に困難。けれど素材の問題さえクリアできれば、構造的には不可能ではありませんから夢はありますね。それに技術的には可能だと思いますから、今ある金属でも2m級のものであれば作れないこともないでしょう」

では、パイロットと会話できる人工知能を持った巨大ロボットはどうか。

「不可能ではありません。まずレバーやスイッチを使わずにパイロットの音声を認識させて操縦するというのは、技術的には十分可能です。今現在、すでにiPhoneには人間のしゃべった内容に答えてくれる人工知能のような『Siri』も開発されているわけですしね。会話で簡単な指示を与えるくらいは問題ありません」

さらに、人工知能の性能が向上すれば、言葉を介さないコミュニケーションの実現も可能だという。

「ロボットに人間の感情の変化に対応させる研究をしている学者さんもいますので、その分野が発達していけば人間の感情をインターフェースにしてロボットが動くというのも実現できるかもしれません。パイロットの少年と巨大ロボットが会話をし、声のトーンからロボットが少年の感情を読み取り、自身のシステムのリミッターを解除してパワーアップする、なんてシーンも決して絵空事ではないですよ」

ロボット工学的に最も実現に近いのは実は『機動警察パトレイバー』だ、と語る金岡博士。社会に役立つ巨大人型ロボットが実現する日が、いつか来るかもしれない。

(取材・文/昌谷大介 牛嶋健 照井琢磨 武松佑季[A4Studio])

■週刊プレイボーイ42号「スーパーロボット大集合!!」より



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