労働者派遣法の改正で、派遣労働者が注意すべきこと

週プレNEWS / 2012年10月16日 15時0分

不安定な雇用状況を改善するため、「30日以内の短期派遣の原則禁止」「派遣時に派遣業者が受け取るマージン(手数料)率の公開の義務化」などを掲げる改正労働者派遣法。しかし、10月1日に施行されたばかりということもあり、実際に働く派遣労働者たちがその内容を理解していない場合も多い。

労働問題に詳しい小川英郎弁護士に、派遣労働者が注意すべき点を聞いた。

「事故などが起きた際の責任の所在を明らかにするため、募集要項や就業条件明示書、雇用契約書をよく見て、契約関係が『派遣』『紹介』『請負』のどれなのかを確認してください。基本的には、派遣は派遣元、紹介は紹介先が雇用責任を負います。請負の場合でも安易に自己責任と思わず、労働基準監督署や法律家に相談してください」

3年後に施行される「みなし雇用制度」(違法派遣があった場合、労働者が派遣先に直接雇用される制度。派遣先の責任逃れを防ぐ目的がある)も、ぜひ活用したい。

「日雇い業務を請負に移行していくケースが増えると思いますが、その場合、派遣先で指揮命令を誰から受けているかを確認してください。派遣先の人が労働者に指揮命令をすれば、それは派遣業務なので請負形式をとっていれば偽装請負。違法行為となります」(小川弁護士)

「派遣ユニオン」書記長の関根秀一郎氏も注意を促す。

「募集時に『5週間の契約でフリーシフト制。あなたの好きなときに働けますよ』などと好条件を強調する派遣会社には気をつけてください。実際に仕事があるかどうかは派遣会社の都合ですし、その5週間のうちに1日、2日しか仕事がないかもしれない。これは完全に違法行為。週に20時間以上が最低ラインなのですが、そうした手口も予想されます」

また、改正法には派遣労働者の労働条件を派遣先の社員に近づけなくてはならない「努力義務」が加わったので、給与や有給制度といった待遇の違いを詳しく確認することも大切だという。

「(かつての派遣最大手)グッドウィル廃業の際、同じ現場に毎日入っていたレギュラーと呼ばれる労働者の大半は、その企業による直接雇用に切り替わりました。すると、彼らの給与は1.5倍から2倍に増え、企業側の支払額もグッドウィルを介すより減った。派遣会社は直接雇用の機会を妨害してはいけないし、派遣先に直接雇用してもらえるよう、じかにアピールする手もあります」(関根氏)

一部の大手派遣会社では、法改正があったことを個別には知らせず、自由参加型の説明会を開くだけだったり、日雇い派遣が今後も可能である「例外者」であるかどうかの条件確認も自己申告で済ませる程度だという。派遣会社の改正法への取り組みの遅れや危機管理意識の低さは想像以上だ。

自ら法律の中身を知ることが、己の身を守ることにつながることを、肝に命じておこう。

(取材・文/松村優子)



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